貴方はいったい何者なの?
こうして私は、屋敷から出てきた男の人たち全員(男しかいなかった)を村までとりあえず案内する。
今後は近場であれはそれぞれの村や町に帰るらしいが、移動するのもお金が言ったりこの件を知るためにも話を聞き出したりできないかという話になり……とりあえずは、この大所帯の人たちからの聞き取りも含めた処理をしてもらうよう、私の方から屋敷の方に連絡をした。
ただ、ハルト王子の方も連絡をしたのでどちらが早くにこの村にたどり着くかは分からない。
とはいっても明日には確実に来るだろうが。
「私達の馬車はゆっくりしたものだったから、あの人たちなら明日には来るわね。話を聞いて、それから故郷に連れていく形かしら」
そう私は呟く。
ちなみに男たちは、全員があの白い女にもれなく恐怖を抱いているらしい。
綺麗な女だと近づいて行って、誘われて連れていかれたと思ったら……あの、最後の方で見せた本性の方の木の皮の姿になり襲い掛かってきたらしい。
大抵の場合はそのあとの記憶はないそうだが、うんのわるいことにそのあとしばらく追いかけまわされて逃げ回った所で殺された人間たちはやけにおとなしくなっていて、『これからは真面目に生きます』とブツブツ繰り返していた。
複数人そういった人物たちもいた。
一応は軽く話を合わせるように聞き出した情報。
それらを軽くメモにとっておき、また、かなりの人数ではあるがその人たちを雨などがしのげそうな廃屋や納屋……どちらも村の中にある、そこに滞在してもらうことになった。
どうにか人数は収容できたけれど、足りなくなりそうなのは食料だった。
そちらの方も幾らか集めてもらえるように連絡を送っておいたため、数日以内に解消されるだろう。
ただ今日はその準備がなされていないため、村総出で炊き出しが行われていた。
この地方の野菜を使ったスープの類をふるまっていた。
そちらの方のお手伝いなども私はしていたので、結果として宿には先にロジェン達で戻ってもらうことに。
ハルト王子が背負っているその人物も早くベッドか何かに横にならせておいた方がいいだろうという話もしていたのでそうなった。
そしてしばらく食事関係の話や、更に助け出した彼ら同士の話を聞きながらあることに気づく。
それは私の国やハルト王子の国で彼女たちが勝つづしていたらしいといった話や、怪談めいた不気味な話だ。
市井でのそういったうわさ話の類のようではあったけれど、そういった話でも一応は私達の耳に届くようにしてあるはずなのだ。だが、
「全然知らない」
私はそのことに愕然とする。
本当に私達の方に情報が上がってきていない。
そう私が思って、そうして……どうにか食事の支度などを終えて私は宿に向かったのだった。
私達の部屋で、生きていた唯一のその人物は眠らされているようだった。
また、ミナト関係の話は私が戻ってきてから話す予定であったらしい。
だからようやく彼の“正体”について聞けるようだ。
そういった事から、私は部屋のテーブルに集まり、彼、ミナトに問いかける。
「まず一番初めに聞きたいことがあるわ。貴方はいったい何者なの?」
「そうだな……いっても信じてもらえるかどうかわからないが、俺は……この世界の人間じゃない。つまり、“異世界人”だ」
そう答えたのだった。
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