肩をすくめながら
さらに骸骨たちを倒していくと、やがて何も出てこなくなった。周囲には穴らしきものはあるが、それはすでに停止されているらしい。
手下の骸骨たちが巻き込まれるのを警戒したのかもしれない。
あれだけの人数がいればある程度押し切れる、そう思ったのかもしれない。
結果はこれだが。
次々と我先にと攻撃していく私以外の三人。
ロジェンは元男とはいえ、あまりにも自由に動きやすすぎる気がする。
やっぱり私は三人の中では……一番後ろにいる。
いったいいつからだろう?
気づけば私の幼馴染たちの背中しか私は見ていない気がする。
昔はよく一緒に走り回っていて、ハルト王子やロジェン達に追いかけられた事もあったのに今ではこんな風だ。
“聖女”でもあるのだから守られるべき。
そんな雰囲気もある。
守られるのは嫌ではないけれど、昔のように私も、ロジェンやハルト王子と一緒に……。
ふと沸いてしまった感情が私の中でもやもやとくすぶる。
別に、けれど今はそんなことを考えている場合ではない……そう思っているとそこで、屋敷の中では少し広い場所にやってくる。
そこには二人の人物がいた。
白いカーテンが宙を舞っているような印象と存在感のあの女が一人。
そしてもう一人はうつろな瞳の男が一人。
中性的なその人物は、剣を片手にぼんやりとこちらを見ている。
そこで白い女が、
「あの骸骨たちを全員たたき伏せるなんて、さすがに私も予想外だったわ。おかげで私と……この使えない下僕の二人で戦わないといけない。この子は後で“素材”行きだわ」
くすくすと白い女が楽しそうに笑う。
その笑顔が醜悪なものに見えると同時に、うつろな瞳のその男が、びくっと小さく震えた気がした。
支配されていても感情は彼の中であるのかもしれない。
そこでロジェンが、
「ハルト~、そっちの生きている方をよろしく~。殺さないように適度に戦って倒すのはボクは苦手だから、ミナトと一緒にあの白い女を攻撃する」
「わかった」
そういった会話がなされて戦闘に行く。
けれど今の会話に私はいなかった。
戦力として考えられていないのだろう。
そう思うと不満が募る。
でも、その範囲内で私は手助けをすればいい。
私はそう言い聞かせるとそこで、
「あら、“聖女”様は後ろから見ているだけ? あなたはただ後ろで守られているだけなの?」
そう白い女があざ笑うかのように私を揶揄する。
気色の悪い挑発。
そう思っているとそこでロジェンが、
「こんなどブスの言う事は聞かなくていいよ~、リリー」
「……どブスですって?」
そこでロジェンの言葉に白い女が反応した。
私は別の意味で嫌な予感がした。
するとミナトが、
「ロジェンだったか。お前は元男だから分からないかもしれないが、女に“ブス”という言葉は禁句だ」
「え~、でも本当に“ブス”じゃん。こんな黒くてしわしわの木の皮みたいなのを美人とは言えないな~」
「……幻覚をとくと大抵すごいことになるから見ないようにしているが、そうか。でもさっきは喜んでいなかったか?」
「そうなんだけれど今見たら、すごいことになっていました」
そうロジェンが、肩をすくめながら答えたのだった。
評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。




