縛り上げて
この村で、以前よりも魔物が増えているらしい。
不気味な話を聞いた私だがそこでロジェンが、
「そうなのですか~、よし、早速僕もそこに行って……ぐえっ」
どこかに行こうとしていたロジェンの襟首を、ハルト王子がつかんでいた。
そして、ずるずるとロジェンを引きずるように部屋へと戻ろうとしている。
勝手に飛び出していかないよう抑えたようだ。
なので私も話を教えてもらった主人にお礼を言って、二人を追いかける。
するとロジェンが、
「なんで部屋に戻ろうとするんだ。わかったらすぐに叩かないと」
「……もう暗いから明日で良いだろう。それに暗ければこちらだって見えないのだから危険だ」
「でもボクがここにいることが気づかれていると思うし、魔物を大量に送ってきたりするんじゃないかな」
などとロジェンが言っている。
それを聞きながら私は、
「そんなにロジェンはその彼らと戦闘をして、“敵対している”と認識されているの?」
「そうだよ。さっきも、忌々しい、と言われてしまったし? だったらさっさと攻撃してしまった方がいいかなって」
「だからと言って危険なことはしないで! ……私達がどれほど心配したのか、路地x然は分かっていないの!?」
つい声を荒げてしまった私。
と、ハルト王子が、
「リリー、落ち着くんだ。声が大きい」
「う、ごめんなさい」
「仕方がない。それぐらい心配していたのに、当のロジェンがここまでマイペースだとは思わなかったからな。とりあえず縄か何かで縛っておこう。出ないと勝手に攻撃に向かうかもしれないからな」
「そうね。ロジェンの事ですものね」
私はハルト王子の言葉にそう頷くとロジェンが、
「え、えっと、ボク、今は女の子なのですが」
「そういえばそうだったわね。中身がロジェンだし、ロジェンの行動があまりにも女の子っぽくなかったから忘れていたわ。でも女の子ならハルト王子ではなく私が縛ればいいのね」
「え、あの、リリー?」
「悪さをしそうな子は、“教育”が必要ですものね」
そう言って私はロジェンに微笑んでやった。
ロジェンは青い顔をしている。
そんなこんなでおとなしくなったロジェンを連れて私達は部屋に戻り、私は、
「とりあえずロジェンを縛っておきましょう。あと魔法封じの力をしておいて」
「そうだな。とてもじゃないが一人で突撃できないようにしておかないとな」
ハルト王子とそう話して、持ってきたロープでロジェンを縛り上げて魔力を封じておいたのだった。
それからハルト王子に見張っていてもらい、宿の主人からこの周辺の地図を借りてくる。
ロジェンは縄で手を後ろ手に縛られて足もぐるぐる巻き状態なので逃げ出せないが、ハルト王子に見張っていてもらった。
そして戻って来てから地図を広げて、
「ここが私達の宿で、ここに祖pの別荘があるのかしら。方向だとこの辺りだから……この三角形のマークがそうなのでしょう」
「そして、ここに湖があるのか……」
「そうね、湖。……湖を見に行くと言って、この辺りを散策しましょうか。……魔物のいそうな場所も探しましょう、それでいいわね、ロジェン」
私の問いかけに、縛り上げられたのが気に入らないのかロジェンは返事すらしなかったのだった。
評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。




