魔力の無駄遣いになる
きた、と小さく呟いたロジェン。
しかもそのままどこかに向かおうと走り始める。
私はロジェンの後を追いかけて、ハルト王子も宿だけ取っておくようにお願いすることに。
そして私達はロジェンを追いかけていく。
だがいつもよりも、というか、
「ロジェン、こんなに足が速かったかしら」
「もっと遅かったな。女体化した関係で身体能力が強化されたのか? 分からないが、追いつけるか?」
そういいながら私達は更に追いかける。
魔法で身体能力を強化できるとはいえ、それを使っている風でもなかったし、というよりも、
「そうだ、身体能力を強化して追いかけたほうがいいかも」
「どこまで行くのか分からないから止めておいたほうがいい。魔力の無駄遣いになる」
そうハルト王子に言われ、確かにもう少ししたら追いつけるかもしれないと思った。
でも現在の状況だと……と考えていると、離れている場所で誰かが言い争う声がする。
まだ遠くて聞こえないけれど、そこでロジェンが駆けていった声のする方向で炎が大きく舞い上がる。
いよいよもって、何が起こっているのか。
きた、とはいったい何が来たのか?
そう思いながらもさらに進むとそこで、ロジェンと、ロジェンの身長の数倍はあるかのような大きなトカゲのような生物がいる。
目は五つほどある、その目はそれぞれが動き、そのうちの一つは私とハルト王子に視線を送っている。
気色が悪い。
そう思っているとハルト王子が私の前に出て、かばう様にし……その怪物に向かって、持っていた剣を抜いたのだった。
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