新しい“いたずら”
ハルト王子が、その、私に能力を教えてくれて、ロジェンを治療してくれたその人物が怪しいので探そうと言い出した。
もしかしたならロジェンを治療したその魔法を知れば、ロジェンを元通りにできるきっかけがつかめるかもしれないのだ。
そう私が思っているとそこでロジェンがハルト王子の目の前にまでやってきて、
「どうしてボクを元に戻そうとするの?」
「いや、ロジェン、お前、もともと男だろう」
「え~、でもこの女の子ライフ楽しいよ?」
「……いいから元に戻れ」
ため息をつくようにハルト王子がロジェンに言う。
それにロジェンは真顔でじ~とハルト王子を見てから、
「相変わらず真面目だね」
「ロジェンのような……“自由”すぎる人間と一緒にいるとこうなるんだ」
「うーん、このままの方がハルトには“都合がいい”って思わない?」
そこでちらりとハルト王子とロジェンは私の方を見る。
なぜだろうと私が思っているとハルト王子が嘆息するように、
「……残念だが女体化したロジェンは好みじゃないんだ」
「そういう意味で言ったわけじゃないって、わかっているよね? ハルトはそんな風に遠慮していていいの? 欲しいものは欲しいって言わないと」
「……ロジェンも幼馴染だから」
「君はいいやつだけれど、そんなに我慢ばかりしていると……そのうち耐え切れなくなるよ?」
「……わかった。俺も我慢しないようにする。ロジェンはここに置いていこう。これで全部解決だ」
そこで珍らしくハルト王子が完全にさじを投げたようだった。
それにロジェンが酷いな~、と笑いながら言ってから、
「でもボクこの姿だと城に戻っても信じてもらえないから、これから別荘に行くんだっけ、二人とも」
「ええ、ハルト王子の別荘に行ってから、私の別荘に行く予定よ」
そう私が答えると、ロジェンが何か新しい“いたずら”を思いついたかのように笑い、
「じゃあボク、リリーの別荘にしばらく、リリーと一緒に泊まるね」
などと言い出したのだった。
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