手がかり
どうしてロジェンは女体化してしまったのか。
頭痛のするような展開をようやく私が問いただすとロジェンは、
「えっとね、崖から突き落としてどうにか魔法で防御したけれど……それまでの死闘で、消耗していたボクはその勢いを殺し切れなかったんだ。それでまあ、瀕死の重傷を負ってさ~」
「……」
「リリー、それにハルトもそんな深刻そうな顔はしなくていいよ。僕はこうやって生きているわけだし」
ロジェンが笑い飛ばすけれど、危機的状況であることは確かだ。
だから私は、
「それはそうだけれど女体化しているじゃない」
「それはまあ、なんていうんだろう、治療の代償みたいなものらしいんだ」
「代償?」
「うん。なんでもその人が言うには、そういった大けがの治療をすると、代償として“能力”やら何やらが目覚めてしまう場合があるらしい」
そうロジェンから聞いた私は、そんな魔法、聞いたことはないと思う。
そもそもそこまでの大怪我を治せるのは、普通ではない。
私が悩んでいるとそこでロジェンが、
「でもあの人、ボクが女体化したら『俺は悪くない!』と言って逃げて行ったよ?」
「どんな人物だったか覚えている?」
「そうだね。黒髪黒目で、目深にまでローブの帽子みたいのを被った人だった。あとよく、“スマホ”という四角い何かを調べていたような」
それを聞いた私は、思い当たる。だってそれは、
「私の能力を見抜いた人物と同じみたい」
「? そうなんだ」
ロジェンが、不思議なことがあるねと言い出したがそこでハルト王子が、
「……怪しいからまずその人物を探すか。そうすれば、ロジェンを元に戻す手がかりが手に入るかもしれない」
そう言い出したのだった。
評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。




