ボク、主人公だ~!
ロジェンを放置して私達は別荘に向かおうと思ったけれど。
「そういうわけにもいかない……のかしら」
「う~う~」
ロジェンが、何かを非難するように私に唸っているが、そもそも、
「女体化したとしても城に戻ってきてもいいじゃない。せめて私達に会いに来るとか……どうしてしなかったの?」
私が疑問に思ってそう告げる。
実際に女の子になったといっても、ロジェンはロジェンなのだから、という理由だったのだが……そこでロジェンは微笑み、
「実はボクしばらく記憶喪失になっていてね~、どうやら自分に関係のあるものに出会うと思い出せるみたいなんだ」
「え?」
「所持品から自分がロジェンだと分かっていたし、あの崖を見たら、何があったのかも思い出せたのだけれどね~。おかげでしばらくは城に近づかずに元に戻る方法を探そうと思ったんだ。ちなみに名前が知られるのもあれな気もしたので、現在、“ロシェ”と名乗っているのです」
「……それ、私が知っている物語のもう一人の主人公の名前……」
「え? そうなんだ。ボク、主人公だ~!」
喜ぶロジェンを見ながら私は、これからどうしようかと悩む。
どうやらこの女体化婚約者であるロジェンが、私の知っている物語に関係はしていそうだが……。
「女体化したからって、“聖女”もどきにはなっていないようだし……いえ、それよりも、そう、聞かないといけないわ。ロジェン、貴方、一体どうして女性になってしまったの?」
一番初めに聞くべきその質問を、混乱する内容だらけだったために聞き忘れた私は、ようやく問いかけたのだった。
評価、ブックマークありがとうございます。評価、ブックマークは作者のやる気につながっております。気に入りましたら、よろしくお願いいたします。




