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放っておいて

 どうやらロジェンは女の子のままでそれほど不都合はないらしい。

 だが、いつものように、あまり深く考えていないだけかもしれない。

 だから私は、


「ロジェン、これまで男として生きていたんだから、不都合はあるでしょう?」

「不都合? 何かあったっけ」


 ロジェンは不思議そうに私の顔を見て言い切った。

 私は無言でロジェンの顔を見てから、


「……そんなに、おっぱいが大好きなの?」

「うん! しかもボクの胸、リリーよりも大きいんだよ!」

「……そう。それで他にはこう、女の子になって、ロジェンはどんな風にこう……“いい事”があったの?」


 とりあえず私はそう、聞いてみた。

 するとロジェンが、


「ボク、こうなると美少女なんだ。だから、いろいろ男の人にお願いすると、いうことを聞いてくれるんだ~♪」

「……」

「しかもスタイルもいいしね、理想的な女性の肉体っていいよね~♪ 胸とか持ち上げると、おお~って感じだよ♪」

「……」

「それにそれに、女の子だからって油断した敵を、全力ぶっ潰せたり、王子だってわからないから好き勝手出来て楽しいよ~」

「……そう」


 私はそう答えるのに精いっぱいだった。

 そしてその後も、ロジェンは楽しそうにこれまでの、女体化生活を語る。

 ただそれを聞いて私は思うのだ。


 私とハルト王子は、ロジェンという幼馴染が本当に大丈夫なのか、生きているのかをとても心配していた。

 偽物達の前に対峙したのも、ひとえには幼馴染のロジェンが心配だったからだ。

 勇気を振り絞ったあの出来事などすべて、ロジェンという幼馴染を探すため。


 どんな酷い目にあっているか分からないのだから。

 だが、現実は、これである。


「ハルト王子、もうロジェンの事は放っておいて私達だけで別荘に行きましょうか」

「……そうだな」

「酷いよおおおお」


 そこで全てがどうでもよくなった私達に、ロジェンがそう叫んだのだった。

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