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スゴロク スゴくロクでもないゲーム  作者: 沖光峰津
新章 新たなるゲーム
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第四十一話 「ルール」

 大きな切り株の上に立つ大天使キケロが説明を始める。


「皆さん、今から行うゲームの概要は各担当天使から聞いていると思いますが念のため再度説明します。今回のゲームは皆さんの種族の存続を懸けたものとなります。本来なら何も言わずに滅亡させてもいいのですが神様がチャンスを与えてくれたと考えてください…… 」


 キケロの話は続いているが秀樹たちに周りの愚痴が聞こえてくる。


「何がチャンスだ。滅亡を出汁にして俺たちで遊びたいだけだろが」


 ドラゴニュートだろうか? 

 リザードマンよりも人間成分の多いトカゲ人間が吐き捨てるように言った。

 その近くでラミアだろうか、下半身がヘビの女が愚痴っている。


「神だからと言って横暴すぎるわ、私たちの事なんて何も考えていないのね」


 文句を言うものがいる一方で楽しそうなものたちも沢山いた。


「へへへっ、勝てばいいんだよ、勝てば生き残れるし願いも叶う」

「そうだ。そうだ。力が全てなんだよ、勝ちゃいいのさ」


 クマみたいな獣人と狼男が牙を見せながら大笑いだ。

 キケロの説明は続いている。



 今回のゲームは予備選と本戦がある。

 各種族合わせて千人が参加するのだ。

 一度に行うと収拾がつかなくなると予備選は五つのブロックに別れている。

 二百人ずつA~Eの五つに別れて予備選を行い各ブロックの上位四十人を集めて二百人で本選を行うのだ。


 本戦を戦い抜き規定時間内にゴールした者たちの種族は滅亡を免れる。

 その中でポイントの高い上位30番までが神様に願いを叶えて貰える。

 つまり予選を勝ち抜き本戦で規定時間内にゴールすれば滅亡しなくて済むのだ。

 二百人全てが規定時間内にゴールすれば本戦に進んだ種族は全て滅亡しなくても済むという事もあり得るのだ。


 秀樹たちが集まっているこの場所はDブロックという事である。


「5分の1か……取り敢えず予備選を勝ち抜けば滅亡だけはどうにかなりそうだね」


 安心した様子の栄二に恒夫が振り向く、


「周り見てみろよ、予備選を勝ち抜くのも困難だぜ、本戦にはそれを勝ち抜いた奴らが来るんだ。お前らはネピアとクロエに会えればいいんだろうが、俺は神様に願いを叶えて貰えるって褒美が無きゃ参加してないぞ」

「そんなこと言ってぇ~、何だかんだ言って恒夫は協力してくれるよね」


 栄二が嬉しそうな顔をして恒夫の背中をポンポン叩いた。

 恒夫の薄い頭を秀樹が撫でる。


「だな、期待してるぜ、お前はヘンタイだけど頼りになるからな」

「任せろ、その為に勝負パンツ穿いてきたからな、この前の猫パンツと違ってパンダの絵がついてる可愛いヤツだぞ、見るか? 」


 ズボンをずらそうとする恒夫を慌てて止める。


「見るか! こんな所で脱ぐな、人間が全部ヘンタイと思われるだろうが」

「お前らバカやってないで説明ちゃんと聞いとけよ」


 中津に言われて秀樹たちも前に向き直る。

 続いてゲームそのものの説明が始まる。


 この前と同じゲームは双六だ。

 二百人が参加するだけあって規模は大きい、マップは120マスある。

 サイコロを二つ振って最大の12が連続で出たとしても最低10のイベントを行う事になる。

 近道やラッキーイベントが途中にあると考えても15以上のイベントをこなさなければならないだろう、期限内にゴールする事も大切だが止まったイベントでポイントを溜める事が最重要である。


 普通の双六との違いは1番にゴールしたものが優勝ではない、期限に内にゴールしたものの中からポイントの高い四十名が本戦へと進めるのだ。


 ゴールしたものが四十名に満たない場合はポイント関係なくゴールしたもの全員が本戦へと進む事が出来る。

 四十名に足りない分はゲーム途中のものの中からポイントが高いものが本戦へと選ばれる。

 つまりどのような事が起きても四十名は本戦へと選ばれるのだ。


 途中のイベントで大怪我をしてゲーム参加に支障が出ると判断されたものや死んだものは排除される。


 秀樹と栄二が顔を見合わせる。


「軽い気持ちで来たが長いゲームになりそうだぜ」

「そうだね、でもこれならネピアのいるチャトラン族の村にも行くチャンスがありそうだよ」

「だな、後は死なないようにするだけだな」


 二人の横で恒夫が周りを見て体をくねらせる。


「トカゲのお姉様や、クモのお姉様と仲良く出来るチャンスもありそうだぜ、ああ……クモの姉様に縛られていじめられてぇ~~ 」


 身悶えする恒夫の腕を秀樹と栄二がガシッと掴む、


「後先考えずにヘンタイ行為するなよ」

「恒夫はお姉様絡みだと周りが見えなくなるからね」


 恒夫がキリッとマジ顔を作る。


「んだよ、俺はいつも冷静だぜ」

「いつもヘンタイの間違いだろが! 」


 声を荒げる秀樹と恒夫を挟んで横に立つ栄二が壇上を指差した。


「ヘカロさんが出てきたよ」


 何事かと秀樹と恒夫も注目する。



 大天使キケロに変わってヘカロが前に出てきた。


「基本のゲームは双六だ。サイコロを回して出た数を進み止まったマスでイベントを行う、そのイベントをクリアすればポイントが貰える。基本は個人だがチームを組む事も可能だ……」


 ヘカロの説明が続く。


 ゲームは基本的には個人で参加しているとみなされる。

 チームは六人まで組む事が出来る。

 ゲーム終了まで組んでもいいし一時的に組む事も可能だ。

 一人で困難だと判断すれば止まったイベント内にいるものと一時的に組む事が出来るのだ。


 チームを組んだ際のポイントは仲間で公平に分配する事になる。

 但しイベントによっては個人個人にポイントが入るものもある。


 ポイント制なので人数が多ければ有利と言う事も無い、決められたポイントをチームで分ける事になるので簡単なイベントでは損をする事もある。

 一人なら100ポイントが五人チームで分けて一人20ポイントとなるので簡単なイベントでは個人で参加した方が得だ。


 もちろん協力し合えるのでチーム戦では勝率が上がるだろう、能力の低いものはチームを組んだほうが有利だが大きな力を持つものは個人のほうがいい、どうにかして能力の高いものをチームに引き入れる事が出来れば有利にゲームを進める事が出来る。


 チームを組む方法は担当天使にチームを組みたいと言うだけでいい、別れる時も同じだ。

 但しイベントの途中では組む事も別れる事も出来ない、チームを組むと言って相手を利用してポイントだけを掠め取るような事を防止するためである。

 そのような事が横行すればゲームが成り立たなくなる危険があるためだ。


「基本的に仲間以外は信用しないほうがいい、シビアなゲームだ。自分たち種族の存亡が掛かっているのだからな、だが、だからこそ信頼できる仲間を見つければ有利に進める事が出来るだろう、諸君らの健闘を祈る」


 最後に激励してヘカロの説明が終わった。

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