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第二十四話「二回目のイベントクリア」

 闘技場の真中で秀樹と中津が睨み合う、魔法の力とアイテムに魔法の杖を持つ中級魔法使いの中津とアイテムに魔法の杖を持っているだけの低級魔法使いの秀樹だ。


 秀樹の腰に魔法の銃がぶら下がっている。

 恒夫が渡したのだ。

 不死身といっても低級魔法しか使えない秀樹が不利である。

 だが魔法の銃があれば二つの魔法を同時に使う事が出来る。

 中級魔法とはいえ中津は一度に一つの魔法しか使えない、攻撃と防御の魔法を同時に使うことなど出来ない、そこに付け入る隙があると恒夫が密かに魔法の銃を渡したのだ。

 弾は栄二に貰って二つ渡してある。


 向かい合う中津が見下すようにニヤッと笑った。


「降参するなら今してくれよ秀樹、俺は佐伯と違って手加減なんかしないぜ」

「冗談言うなよ、お前に降参するくらいなら死んだほうがマシだぜ」


 秀樹もニヤりと不敵に笑い返す。

 二人がバッと後ろに飛び退く、一礼も無しに戦いが始まった。


「サンダーボール」

「ハラペーニョファイヤー 」


 秀樹と中津が魔法の杖を振る。

 秀樹の魔法の杖からは青い雷光を走らせた電気の塊であるサンダーボールが飛び、中津の魔法の杖からは炎が噴出す。


 炎魔法のハラペーニョファイヤーだ。

 炎魔法の名前は唐辛子から名付けられている。

 ハラペーニョファイヤーは低級魔法で威力は低く、秀樹の雷魔法のサンダーボールと同じくらいである。


 サンダーボールとハラペーニョファイヤーが宙でぶつかり互いに消滅した。


「本物の魔法使いみたいだな、恒夫や栄二のように嘘ついてるのかと思ったぜ」

「嘘なもんか、お互い同じ力なら喧嘩だと俺のほうが強いぜ、降参するのはお前の方だな、今なら怪我しなくてすむぜ中津」

「バカにするなキモオタが! お前らに降参なんかするかよ」


 顔を真っ赤にした中津が大声で叫んだ。

 中津は頭が良く冷静だがプライドが高いためか格下だと思っている相手にバカにされると切れやすい、切れると当然冷静さを欠く、秀樹はそれを狙ってわざと怒らせていた。


「タバスコファイヤー 」


 中津が魔法の杖を振る。今度は中級魔法だ。


「水の結界、ウォータードロップアーマー 」


 秀樹が結界魔法を張る。秀樹は低級魔法しか使えない。

 先ほどの炎魔法ハラペーニョファイヤーが水鉄砲だとすればタバスコファイヤーはホースから直接水を出したくらいに威力が違う、結界魔法ウォータードロップアーマーは5センチくらいの厚さの水で秀樹の体を覆っている。

 ただの水ではなく魔法の水だ。

 普通の剣や銃弾などは簡単に防げる強力な鎧である。


 中津の炎が秀樹の水の鎧にぶつかり剥ぎ取っていく、低級魔法の結界では中級魔法の攻撃は防げない、だが無意味ではない、防げないが半分以下に威力を削げるのだ。


「ぐはぁーっ 」


 秀樹が後ろに吹っ飛んでいく、水の結界のおかげで火達磨にはならなくて済んだが衝撃で肋骨が何本か折れていた。

 倒れた秀樹を見て冷静に戻ったのか中津が疑うような顔で訊く、


「どういう事だ? なんで中級の結界を使わない? 」

「低級魔法が咄嗟に出たんだよ、お前程度なら低級魔法で充分って思ってるからな」


 ニヤりと口元を歪めて秀樹が嘯く、中津の眉がピクリと動いた。


「貴様ぁバカにするなよ……ゲームから排除してやるぜ」


 冷静を装っているが口調からかなり怒っているのが分かる。


「タバスコファイヤー 」

「水の結界、ウォータードロップアーマー 」


 中津が炎を出し、秀樹が水の結界を張る。

 先ほどと同じように秀樹が吹っ飛んでいく、倒れた秀樹に向かって中津が魔法の杖を振った。


「ハラペーニョファイヤー 」


 低級魔法の炎が倒れた秀樹を包み込む、

 魔法の力と魔法の杖を持つ中津は中級魔法は連続使用できないが低級魔法なら可能だ。


「うわぁーっ、熱い、熱いぃ~ ぐわぁ~~っ 」


 炎に包まれた秀樹が地面を転げまわると動かなくなった。


「終りだな秀樹、キモオタのくせに俺をバカにするからこうなるんだよ、いい気味だぜ」


 中津の見ている前で動かなくなった秀樹が焼けていく、しばらくして火が消えると黒焦げになった人の形をした炭の塊があるだけだ。


「俺の勝ちだ。誰も文句無いだろう、判定を頼むぜ審判」


 中津が振り返り相手側の審判であるリザードマンを見つめた。


『早く俺の勝ちを宣言しろ』というような顔で見つめる中津の目に驚くリザードマンの顔が映った。

 驚くというよりも恐怖している表情にも見える。


「文句あるぜ、誰でもなく当の本人が文句言ってんだよ、まだ終わってないってな」


 後ろから聞こえた秀樹の声に中津が慌てて振り返る。

 黒い炭のような塊を破って脱皮するようにして秀樹が上半身を起こしていた。


「なっ………… 」

「俺も不死身だ。焼かれても切られても死なないぜ、痛みは感じるがすぐに再生する」


 言葉を失う中津を見て秀樹がニヤッと愉しそうに笑った。

 秀樹が立ち上がって続ける。火傷一つ無いがパンツも無く裸だ。


「当たり前だが服の再生は無理だな、恒夫、着替え投げてくれ」


 恒夫から服を受け取って着替える秀樹を見て中津が笑い出した。


「ふっはははははっ、お前ら三人揃って不死身かよ、3バカトリオって言いたいところだが違うな……不死身の能力がこれほど凄いなんて思ってもみなかったぜ、弱いお前らの事だから勝つ事よりも負けない事を考えた末に思いついたんだろう? 」


 話しを終えた中津の顔に笑みは無い、始めに笑ったのも秀樹をバカにして笑ったのではない、自嘲したのだ。

 格下と侮ってバカにしていた秀樹に裏をかかれた事に気がついて中津は冷静になっていた。


 秀樹が『バレたか』と照れるように頭を掻きながら口を開く、


「厭なヤツだけどやっぱり頭良いなお前は、その通りだよ中津、不死身の力は凄いだろ、俺たちもこれほどの力だとは思ってもみなかったけどな」

「不死身の能力を貰ったって事は中級魔法は使えないって事だ。魔法の杖だけじゃ低級魔法しか使えないからな、つまり俺の中級魔法を完全に避ける事は出来ないって事だ」


 冷静な判断をする中津に秀樹の顔もマジに変わる。


「ああ確かに俺は低級魔法しか使えない、お前の攻撃を避けられない、けどその攻撃は俺には効かないんだぜ、不死身だからな、黒焦げにされると死にそうなくらいに痛くて熱いけどそれも二十秒ほどで治まる。恒夫や栄二を見ていると切られたり潰されても同じようなものだと分かった。連続で受けたり不意打ちだと気絶するかもしれないが攻撃されると分かって心構えをすれば二十秒ほど我慢すればいいだけだから耐えられるぜ」


 お互い真剣な表情をして戦いが再開された。

 中津が炎魔法で攻撃して秀樹が結界魔法を使う、中級魔法を防ぎきれずに秀樹が炎に包まれ転げ回る。

 炭になった秀樹が三十秒ほどでまた蘇る。

 中津は中級魔法を連続で使えない、魔力の蓄積に最低でも一分ほど時間が掛かる。

 低級魔法なら連続使用可能だがそれでも続けて使うには十秒ほど時間が必要だ。

 低級魔法では秀樹の結界で弾かれる。かといって中級魔法を続けて使っても秀樹の再生力の方が早いので無駄である。

 何度か同じような攻撃を繰り返した後で中津の作戦が決まった。


「タバスコファイヤー 」


 中級魔法を使って低級魔法の結界を張る秀樹を結界もろとも吹き飛ばす。


「ハラペーニョファイヤー 」


 倒れた秀樹を低級魔法の炎で火達磨にして動けなくした。


「ハラペーニョファイヤー 」


 しばらくして黒焦げの炭から再生した秀樹が起き上がると間髪いれずにまた低級魔法の炎で焼いた。

 秀樹が反撃できないうちに再度攻撃するというのが中津の作戦だ。

 低級魔法なら秀樹の再生よりも早く次の攻撃が出来る事を利用したのだ。

 だが誤算が一つあった。魔力は消耗する。

 銃の弾が減るように魔力も使うと減っていく中級魔法などは魔力の消耗が激しく一日に15も使えば疲れて倒れてしまう、低級魔法でも30ほど使えば倒れるだろう、中津はすでに中級魔法を8回、低級魔法を15回は使っている。


「くそっ何度焼いても復活してくる。不死身とはいえ体力とか気力は消耗しないのか? 」


 疲れて肩で息をつきながら中津が愚痴る。

 何度も繰り返し魔法を使って今の中津には中級魔法なら3回、低級魔法も10回くらいの魔力しか残っていない、疲れたのか次の魔法が少し遅れた。

 秀樹はそれを見逃さない、焼かれる熱さと苦しさを耐えてきたのはこの時を待っていたからだ。


 中津が低級魔法で攻撃しようとするよりも早く秀樹が魔法の銃をぶっ放した。


「炎の結界、セラノブロック」


 咄嗟に結界を張った。

 中津の足元から炎の柱が立ち昇り壁を作る。

 攻撃魔法を結界に瞬時に変更したのだ。判断力は流石である。


 魔法の弾が炎の壁に当って青白い雷光を上げて炎と共に消えていく、秀樹が使った魔法の弾は雷の弾、デン弾だ。


「チッ、止められたか」


 悔しげに口を鳴らすと秀樹が立ち上がる。

 炎で服を焼かれて裸だが着替えを頼む事も無い、どうせすぐに炎で焼かれると考えて裸のまま戦う事にした。


「魔法の銃か……恒夫か栄二に借りたんだな」

「恒夫に借りた。俺は低級魔法だけだからな、でもこれがあればそれなりに戦えるぜ」


 魔法の銃があるのを知った中津が今までの連続攻撃を止めた。

 慎重になったからだけではない、今までの攻撃で魔力を使い過ぎていた。

 先ほどは反射的に結界を張ることが出来たが次も出来るとは限らない、秀樹と違って中津は不死身ではないのだ。

 低級魔法でも直撃を食らえば下手をすれば死ぬ事になるのは自身が一番よく分かっている。


「魔法の使いすぎで疲れてきただろ、そろそろ反撃といくぜ」


 秀樹がニヤりと意地の悪い笑みだ。


「サンダーボール」

「炎の結界、セラノブロック」


 秀樹の雷魔法を中津が炎の結界で防ぐ、続けて秀樹が魔法の杖を振る。


「ライトニングニードル」


 青く光る雷の針が中津に迫る。

 中津はまた炎の結界でこれを防いだ。

 立場が逆になっていた。

 低級魔法しか使えない秀樹に中級魔法の使える中津が押されている。


 秀樹が攻撃して中津がそれを結界で防ぐ、これが何度か続いた。

 劣勢になった中津を見て秀樹に驕りという名の油断が生じる。

 攻撃の手が緩んだ時を狙って中津が魔法の杖を振った。


「炎の檻、タピチェケージ」

「水の結界、ウォータードロップアーマー 」


 秀樹が慌てて結界を張り、そのあと直ぐに魔法の銃を中津に向けて撃った。

 油断していた秀樹だが中津が魔法を使った直後に自分の魔法でそれを防いで魔法の銃で攻撃するという当初の計画は覚えていたのだ。

 低級魔法だけだが魔法の銃を使うことで二つの魔法を同時に使えることだけが秀樹が中津より有利なところである。


 秀樹の低級魔法の水結界を中津の中級魔法の炎が消し去っていく、秀樹の周りを炎の柱が檻のように囲んでいた。

 魔法の銃の弾が中津に向かって飛んでいく、炎の魔法が詰まっているヒ弾である。


「くそっ間に合わん」


 悔しげに叫ぶ中津の体が炎に包まれそのまま倒れた。

 炎の檻の中で秀樹も倒れている。

 酸欠で気を失った様子だ。

 中津は劣勢になりながらも勝つ方法を必死で考えていたのだ。

 不死身の秀樹を倒すには気絶させるしかないと結論を出して炎で囲んで酸欠にさせたのである。


 佐伯と東條が慌てて中津に走り寄る。


「緑の治癒、マグワートグリーン」


 炎を消したあと東條が治癒魔法をかけた。

 焼け爛れた中津の体が元に戻っていく、中級魔法使いで魔力が大きく少々の魔法には耐性のある中津はどうにか無事の様子だ。


 栄二と恒夫とネピアも秀樹に駆け寄っていた。


「大丈夫か? 俺がマウスチューマウスをして起こしてやろうか? 」


 倒れている秀樹に恒夫が口をチューっと伸ばして近づける。

 秀樹が慌てて飛び起きた。


「うわっ、止めろヘンタイ、俺は大丈夫だからな」

「そう遠慮すんなってマウスチューしてやるからさ」

「やめんかヘンタイ! お前は見境ないのか? それとマウスチューじゃないマウストゥマウスだ。恒夫とチューするくらいなら死んだほうがマシだ」


 口を伸ばして近づける恒夫の顔を右手で引き離す秀樹は本心から厭そうな顔だ。


「にゅははははっ、ツネオはヒデキが好きなのか? チューしたいんだな、あたしもエイジが好きだからチューしたいにゅ」


 秀樹が無事なのを見てネピアがはしゃぐ、


「無事なのはいいけど勝負つかなかったね…… 」


 栄二が『どうするの? 』という顔で秀樹を見つめた。

 恒夫の持ってきた服を着ながら秀樹が口を開く、


「代表者一人出して再試合だな、それでいいな中津」

「ああそれでいい……次は油断しないぜ」


 佐伯が持ってきた服を着ながら中津がこたえた。

 中津も佐伯も負傷していてこれ以上戦えそうに無い、東条が戸惑うように口を開く、


「戦えるの私だけじゃない……戦ってもいいけど城道の相手だけは嫌だからね」


 ニターッと不気味に笑いながら恒夫が前に出てくる。


「そう言うなよ、また戦おうぜ東條、今度はその可愛い手で俺を直に殴ってくれよ」

「ひいぃっ、気持ち悪い、ヤダ絶対ヤダ! 城道の相手するならゴキブリの方がマシ」


 身体をブルッと震わせて東條が佐伯にしがみついた。

 生理的に嫌という表情で恒夫を見ている。

 東條の嫌悪する態度にヘンタイの恒夫は感じて頬を赤く染めている。


「厭って言っても俺しかいないって、戦わないなら不戦勝で俺たちの勝ちだぜ」


 不戦勝で勝ちという言葉に東條がピクッと反応した。


「不戦勝なんて冗談じゃないわよ、キモイけど厭だけど戦うわよ、私は勝たなきゃいけないのよ、お金が必要なのよ、勝ってお金を貰うんだからね」

「金? それが願いか? 金持ちになるのが東條の願いか……なんだバカ女と同じかよ」


 バカにするような恒夫の態度に東條がムッと怒って口を尖らせる。


「悪い? 私にはお金が必要なのよ、あんたに何が分かるのよ」

「べつに悪くないが……東條はもっといい女だと思ってたからさ、腐女子のくせに俺たちオタをバカにすること以外はそこらの女より信頼できるいい女って思ってたからさ」


 東條は一瞬嬉しそうな顔をしたが直ぐにいつものツンツン顔に戻った。


「 ……城道……勝手に私を作らないでほしいわね、私もそこらの女と同じよ」

「違うぜ、東條は金が必要なんだよ、父親が騙されて連帯保証人になって借金で会社が潰れそうなんだよ、このままじゃ一家離散になるかもって……だから金が必要なんだよ」


 横から佐伯が割り込んできた。

 話しを聞いて恒夫の顔が曇る。


「連帯保証人……それで金がいるのか…… 」

「そうよ、お人好しの父が親友だと思ってた男に騙されたのよ、おかしければ笑ってもいいわよ……私は今の暮らしが好き、友達とも離れたくない、だからお金がいるのよ」


 強気の東條が目に涙を溜めて睨みながら心の内を吐き出すようにして言った。


『どうする? 』という顔で恒夫が秀樹と栄二を見つめる。

 イケメンになりたいなどという自分たちの願いがちっぽけなものに思えた。

 秀樹と中津が戦うか決めかねている所へリザードマンのブリガンとダークエルフの代表であるリーチェがやってきた。


「秀樹殿の戦いお見事でした。敵である中津殿もお見事です。双方の戦いに文句のある者はリザードマンにもダークエルフにもいません、次は我々が戦う番です」


 ブリガンが秀樹だけではなく中津にも敬意を表するように頭を下げた。


「最後の勝負は我々で着けることにした。お前たちの戦いを見て私も戦いたくなったんだよ、いや中津や秀樹たちに我らの戦いも見てもらいたくなったというのが本心か」


 ダークエルフの代表であるリーチェが楽しそうに微笑んだ。

 リーチェは短い銀髪に褐色というより黒い肌をして如何にも強そうな筋肉ムキムキの大柄で精悍な美女である。


 リーチェを見て恒夫の口元が緩む、好みのタイプらしい。


「リーチェさん俺と戦ってくれ、いやその足で踏んづけて…… 」

「何でもありません、話しを続けてください」


 秀樹と栄二が慌てて恒夫の口を塞いだ。

 これ以上ヘンタイ恒夫に邪魔をされては堪らないという迷惑顔である。


 その時みるみる空が曇って大粒の雨が降ってきた。


「おお雨だ! 雨が降ってきたぞ、雲が厚い、しばらく降るぞ」

「雨だわ、この雲は雨季の雲よ、三週間早いけど雨季が来たんだわ」


 リザードマンとダークエルフが騒ぎ出す。

 真っ黒な空から雨が滝のように降ってきた。豪雨である。

 ブリガンとリーチェが顔を見合わせる。


「雨季が来たようですね、これで水の心配はもう無い」

「そうだな、乾季が早く来た分、雨季も早いのだろう」

「戦いはどうします? 」

「また来年だな……いや今年のように乾季が続いて水不足になるまでお預けだな」

「そうですね、戦いより農作業の方が大事ですからね」

「そういう事だ。それと次の戦いからは中津殿や秀樹殿がやったように決闘にしよう」

「了解です。その方が犠牲者も少ないですから異存はありません」

「承諾した。では我らは引き上げる」


 話し合いが終りリーチェが中津に振り向いた。


「心配するな中津、宝玉はあげるよ、いい勝負を見せてもらった礼だ」

「秀樹殿も心配いりません、我々も宝玉を差し上げますよ、勝負に感動したのはもちろん戦争ではなく決闘という勝敗の付け方を我々に教えてくれた礼ですよ」


 ブリガンが強面の顔を歪めて笑った。

 こうして戦いは引き分けとなり終わった。

 秀樹も中津も宝玉を得てイベントクリアだ。

 四日あるイベント期間の残りの一日はリザードマンの村で楽しく過ごした。


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