↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/18

Eps.013 二日目

いつもより短めですが、お隣さんになって2日目のお話。

たまにはお砂糖多めで、という作者の願望が詰まってます。


ちなみに、9月中も基本は毎日更新の予定です!

(時間帯は今日みたいに18:00だったりするかもです、また告知します!)

宜しくお願いします〜

「やっぱり、同棲みたい」


 小夜が夜ご飯を食べながら呟く。


 今日はだいぶ引っ越しの片づけが進んだらしい。


 ただ、自炊をするには微妙に片付いていないそうで、夜ご飯は僕の家に来て、二人で食べることになった。


 ……いや、別にいいのだが、こうやって毎日来るつもりじゃないよな……。


 そんな一抹の不安を抱えつつ、小夜の頭を撫でる。


 相変わらず、気持ちよさそうに撫でられていた。


「まあ、毎日くれば同棲みたいになるよね」


 昨日みたいにずっと黙っていると怒られそうだな、と思い、今日は狼狽えずに返事をする。


 が、自分で「同棲」と言っておいて、なんだか後から恥ずかしくなった。

 幼馴染に使う単語ではない気がするし、妙に心臓が跳ねる。


「ふーん。毎日か……」


 何故か「毎日」という言葉に反応した小夜は、一瞬しゃきっとして、何か考えているそぶりを見せる。


「ありかも」


 ちょっと茶化しただけだったのに、と言おうとしたところで、小夜に先に「冗談だよ」と笑われた。


「まあでも、できるだけ、側にいたい」


 優しい声で小夜は言う。


「大学では、やっぱり、そんな近くには、いれないからさ」


 ふむ、やっぱりそれは変わらないらしい。


 まあ仕方のないことだろう。


 なにせ、大学は人の目が多すぎる。

 この前みたいに、ちょっとアピールするぐらいが精いっぱいなのかもしれない。


 僕にとっては、それでも十分ではあるのだが。


「おうちくらいね、側にいても、いいよね」


 ちょうど食べ終わった小夜が立ち上がり、僕の頭を撫でる。


 ん、と変な声が出た。

 しかも、高さの問題だろうか、服の柔軟剤の香りがして、頭が余計に鈍くなるのを感じる。


 食べ終わった小夜は食器を台所に持っていき、片付けを始めた。


 少しの間ボーっとしてしまった僕だったが、急いで食べ終えて台所に向かう。


 ……結局、ずっと料理させてしまってるな、と今更ながら思った。


 今日のお昼ご飯は自分で湯がいたうどんを食べたが、依然として本格的な自炊はできていない。

 小夜と食べるときは、昨日のピザみたいな例外を除き、基本小夜が作ってくれている。


 これじゃ、なんだかお嫁さんみたいだよなぁ……。


 そんなことを頭で思ったのと同時に、小夜が「大輝くん」と名前を呼んだので、手元の皿を落としそうになった。


「うん?どうしたの」


「お皿、ちょうだい」


 細くて、僕よりずっと白い手が伸ばされる。


 小夜がお嫁さんだったらいいのにな。

 好きとかとは別の理由だけど、きっと楽しいと思う。


 こうやってずっと暮らすのも悪くない。むしろ、きっと幸せだ。


 お皿を渡し、僕はまたリビングに戻る。


 ほんとは自分で洗い物をしたかったのだけど、「この前は、してくれたし、今日は借りてる身、なので」と拒まれてしまった。



 ソファに座ってしばらく気を抜いていたところ、背後から近寄ってきた小夜に突然頭を撫でられる。


「大輝くん、こっちおいで」


 それを言うなら、小夜が正面に来たらいいのでは?とは思ったが、とりあえず従おう。


 何があったのだろうと思って小夜のもとに行く。


「はい」


 小夜まであと2歩くらいまで近づいたところで、彼女は大きく手を開いてそう言った。


「ん、どうしたの」


「ん-」


 ちょっとだけ拗ねたように唸って、小夜の方から近づいてきた。


 そう思った瞬間、ぎゅっと強く抱きしめられる。


「ん、ほんとにどうしたの」


「明日から、大学だから。また離れちゃうし」


 なるほど、そういうことか。


 ……それはそうと、この幼馴染は急に抱きついてくる気がする。

 さすがに心臓に悪いし、やっぱり甘いにおいがして、余計なことが頭によぎってしまう。


「ね、大輝くんも」


 小夜は一度腕を緩め、僕の手を自分の腰に回した。


 背中に触れているだけなのに、やっぱり女の子の肌というか、柔らかくて少し温かい。


 僕が自分から小夜に触れることは、頭以外はあまりないので、肌に触れるのは新鮮というか、なんかちょっと、やりすぎな気がする。


 体感10秒ぐらい抱きしめられたところで、小夜は僕の身体から離れた。


「元気、ちゃーじした」


「うん」


 よかったねと頭を撫でる。


「ほんとに、同棲出来たら、いいんだけど」


 僕から離れた彼女は翻って、たぶん聞き間違いじゃない言葉をまた呟き、帰る支度を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。