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Life 夢の軌跡  作者: 伊藤ヲカシ
第1章
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29話 パキラ緊急会議

 カイのスキル話がされたその日の帰り、オフィスに戻るべく駐車場からバイクを出したハジメは、不思議と違和感を感じ辺りを見渡す。


「…気のせいか?」

「どうした?」

「いや、なんか嫌な視線を向けられた気がして」

「あ?、お前そういうの気づけるやつじゃないだろ」


 カイに暗に鈍感といわれ、ハジメは怒りの拳を作りつつも歳下の病み上がりに殴りかかるのはダメだと、理性を働かせ顔を引くつかせながらも説明する。


「し、失礼なやつだな。こう見えて不良時代は喧嘩しまくってから、人のそういう悪意の籠った視線に敏感なんだ」

「あっ、何となくわかった。凛が貸してくれた漫画に描いてあったあれだろ?背後からいきなり攻撃仕掛けられるやつ」

「ま、まぁそんな感じだ」

(くそ、今回は漫画が当たってやがる)


 カイは先程命名したスキル『カムイ』を発動させ辺りを数十秒間辺りを見渡すが、周りには自分達以外の駐車場利用者が数名いるだけで、ハジメのいう悪意の視線を向ける存在を見つける事は出来なかった。


「ダメだ見つけられねぇ」

「まぁ、気のせいかもしんねぇし気にすんなよ。早く帰ろうぜ」

「あぁ」

(帰ったら一様凛に報告しとくか)


 そう軽い気持ちでカイ達がオフィスに戻り、採ってきたモンスタードロップの提出と報告のついでに帰り際の話をすると凛から驚くべき答えが返ってくる。

「以外と遅かったな。多分それ雇われの刺客だぞ」


 何食わぬ顔で突如繰り出されたビックリ情報に3人の社員は三者三様に取り乱す。胡桃はカイが入れたお茶を吹き出し、カイは凛の前で石像になり手に持っていたお茶菓子が入った木皿を落とし、ハジメにいたっては何もないところで転んでいた。


「えっ、刺客ってどういう事ですか社長?!変なとこに喧嘩売っちゃったんですか?!」

「俺はいつかやると思ってた。いつかやると思ってたんだ」

「社長ちょっと家族に電話してもいいでしょうか?!」

「お前等ちょっとそこになおれ」


 急遽開催される事となった刺客対策会議、勿論進行役は凛であり、ホワイトボードに緊急会議と書き出す。


「はい。早速どうして刺客がやってきたのか説明していきたいと思います。はい拍手ー」

「「「わー」」」

「先ず今回の件は、ハジメとカイがヤクザ2人組をぶっ飛ばした事から始まります」

「「「!!」」」

 凛は脳筋2人組も分かりやすい様に図解にして説明していく。ハジメは契約が違うと立ちあがりかけるが、胡桃に「きっと説明してくれると思うから先ずは話を聞こ?」と言われて、大人しく席に着く。


「とある信頼できる情報筋から、お前等が倒した奴等が、鎌威組というのがわかった。そして奴等は面子を潰したお前達とその関係者諸共報復しようと手勢を送ってきたが、私の実家から送られた護衛が、24時間体制でそれをガードしてくれている。地上での報復は難しいと判断した奴等は次の手としてアビス内でお前達を殺す為刺客を差し向けたというわけだ」

「はい!!」

「はい、カイ」

「何でアビスでなんだ?」

「それはな、」「アビスが事故死に偽装しやすい一種の治外法権の場所だからですよね」


 凛はブルーライトカットの眼鏡をクイッと上げ、得意げな表情を浮かべ説明し始めよう口を開きかけた瞬間に胡桃が、割って入るかの様に話を遮りカイにそのまま説明し始める。

「くっ、胡桃おまえ」

「えっなんでだ?じゃなかった。何でですか?講習時に犯罪がバレた際の罰則を沢山聞かされましたけど」


 動揺する凛を差し置き、胡桃はハジメとカイに説明を続ける。いい顔で説明する胡桃の顔を見てハジメは何となくだが、(凛さんのドヤ顔と眼鏡クイがうざかったんだろうな)と察した。


「それは、有罪判決が出た時だけだよ。実証するのが凄く難しいの、アビス内は証拠隠滅は容易だし、凄く明確な証拠がない限りモンスターのせいに出来ちゃう。つまりアビスは冒険者を殺すには格好の名スポットなの」

「へぇー」

「でもヤクザってアビスに入る為の資格発行出来ませんよね?」

「そうだね。どうやって刺客を送り込むんだろう?」


 アビスに入れもしないのにどうやって刺客を送り込むのかというハジメの疑問に、胡桃もそのやり口が分からず悩む仕草をする。


「ハハッ!!それはグレーな会社に依頼を出したんだ」

 胡桃に解説役を取られ落ち込み気味だった凛は息を吹き返し皆の視線が集める。


「探索業界には、グレーな奴らが多くいる。そいつ等は闇の住人と繋がっていて中には、冒険者をモンスターに襲わせたり、事故死に見せ掛け殺す奴がいるんだ」

(((自信満々に話すけど、思った以上にブラックだ探索業界)))

「というわけだから、これから刺客がお前等を狙って来るだろうが、準備が整ったら実家の力で潰してくれるらしいから、その間頑張って返り討ちにしてくれ」

「ハァ、ムカつきますが、家族に害が及ばないなら納得しました。返り討ちにしてやりますよ」

「俺もムカつくけど、わかった。喧嘩売ってくる奴等をぶっ飛ばせばいいんだな」


 あっけらかんと言う凛に殺意を覚える脳筋組だが、取り敢えず緊急会議は、暫く続くであろう刺客を返り討ちにする方針で決まったのだった。

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