第7話 嫌われ者の扱い方
その後、しばらくしてやつらが戻ってきた。
俺は散々なじられ、その隙に朱美は逃げた。まったくもって災難な昼休みだ。どうしてこんなことになってしまったのやら。
まあ迷惑料は払ってもらえたので良しとしよう。あいつがあんなに料理上手とは知らなかったな。
「────おい、ボサッとするんじゃない。手を動かすんだ」
放課後、俺はクラス内で数少ない帰宅部であり、なおかつ急に雑用を頼んでも心が痛まない人材であるとして、吉山に無理やり倉庫の整理をさせられていた。
「なんで俺がこんなこと……」
「例年サッカー部がやっている雑務なんだけど、今年は君がサッカー部と揉めたせいで頼めなくなって、僕のところへ回ってきたんだ。君も傍若無人な学校生活を続けたいなら自分のケツくらい拭いてくれ」
「……わかってるよ。だからちゃんとやってんだろ? それなりにさあ」
「それなりじゃ駄目なんだよ。全力でやれ」
「こんなつまらん雑用に全力が出せるわけあるかい」
「つまらんとはなんだ。全校生徒のための重要な仕事だぞ」
「こんなただの倉庫整理が?」
体育倉庫の隣にある小さな倉庫の中には、大量の椅子や机が押し込められている。それらの数を確認しつつ、破損しているものがあれば分けておくのが俺たちの仕事だそうだ。
「これは夏祭りで使うんだよ」
「夏祭り?」
「ああ、知らないのか? 夏休みが始まってすぐくらいの時期に、来栖高校の校庭を使ってちょっとした祭りをするんだ。うちの生徒なら大体は参加すると思うから、ほとんど学校行事みたいなものだな」
そんな祭りあったかな。俺はイベントを基本サボるので、地元の祭りも全然記憶にない。
「だからちゃんとチェックしておかないと困るんだ。当日になって備品が足りないとかいう話になったら白けるだろう?」
「それはそうかもしれんが」
「君はどうするんだ? 祭り、行くのか?」
「行くわけないだろ、そんなの」
「なんだ、せっかくだから来ればいいじゃないか」
「いいのか? 俺が来たら祭りごとブッ壊すかもしれないぞ?」
「君というやつは……もう少し協調性をもってだな……」
「ああ~はいはい、冗談だっての。ほら、サッサと終わらせようぜ。俺は自分に関係のないイベントの準備なんかいつまでもしたくないからな」
「おいこら、少しは真面目に話を聞け!」
そろそろ夏も本番とあって、倉庫の中は蒸し暑い。この馬鹿真面目に付き合っていたら蒸し焼きになってしまう。適当に切り上げて、帰らせてもらうとしよう。




