20話 転生でないのなら...その意味は? 後編
「デリカシー」「えっ?!」「デリカシーないんかぁ〜!!!」「ぐぉ!」『やったれ沙織ぃ〜♪』『うぁ...』
見た事あるような?そう思っていると
(あぁ、前回は身体を借りてたけど、今回は観る側かぁ...)
そう思いながらも
(三歳君には悪い事したなぁ)
僕はただ、あの日を語りたかっただけなんだけどな...
『ダメージも全て君(の身体)が受け持ってるね(苦笑)』
邪魔者が来たから...仕方ないよね。
そう思っていたら突然気が遠くなり...五感が消失した。
「ちょっと沙織?!やり過ぎよ!」
三歳の五感が感じられない。その事に...恐怖を覚えた。
「止めなさいって!ねぇ?!」
と言っても聞こえる筈がない。仕方なく三歳と入れ代わって止めさせよう...そう思ったが、入れ代われなかった。何故なら
「三歳?ちょっと?...何処?」
身体に三歳が居なかったからだ。
「どういう事よ?ねぇ?!リア?」
と呼びかけてみたが、彼女は既に寝たのだと思い出す。
(生体保全維持筒で寝られると、起こさない限り自分で起きれないのよね)
中に入った彼女が眠らなければ、中から起動させる事も可能だが...先程彼女は「寝るのじゃ」と言っていた。なら起きてはいないだろう。現に仮眠状態なら、今頃返事をしているだろう。
仕方なくコチラから呼びかける事で、何とか三歳の意識を取り戻せないかと考えた所で
「...ん、...っん!三歳てば!!」「ぐへっ!!」
沙織が物理的な衝撃で三歳を起こした。
その起こし方は無いだろう。そう思って見ていたら
「はぁ...はぁ...」「よ、良かったぁ〜」「ちょっ...!」
沙織が三歳に抱きつきながら泣く。
「はぁ〜...アンタがやったんでしょうに」
そう思いながら二人を視ていると、何故か耕助を探し始めた。別に探さなくても居場所は一つしか無いんだし...
そう思って探ってみると
『耕助?』『......』『耕にぃが...どうしたの?』
魂の回廊に耕助の気配が無い。
「えぇっ?!何で?」『セシル!耕助は?』「分からないわよ?!」
三歳に聞かれるも私にだって分からない。そう思っていると
『いやぁ〜ビックリしたね』「『耕助?!』」『死ぬかと思ったよ』「『はぁ?!』」
胸の奥底で耕助の声がする。そして
『ふぅ...今は魂の回廊の方が落ち着くけど、沙織には一言言っておかないとね』
(私の魂から出て)魂の回廊に戻った。
「ねぇ?何が起こったの?」『俺も気になる』『あ〜』
そう言って耕助は最初に、三歳と入れ代わる事を提案した。
「耕にぃ?!良かった〜♪」「待ちなさい」「あぅ!?」
説明より先に、沙織へ厳重注意した。それから僕は何があったか皆に話し始める。
「沙織に首を締められて三歳君が意識を失った時、魂の回廊から三歳君側への繋がりが消えたんだよ。そして...まるで切れたゴムのように、セシルの内側(魂の傷)へ引っ張られたんだ」
その所為で一時的に意識を失っていたらしい。気付いた時には皆が僕を探していた。
「まぁ尤も...そんなに時間は経っていないから、気を失った訳じゃないさ」
『あぁ〜...そもそも魂だけの存在って、感覚あるの?』「それは...どういう事だい?」
僕の答えを聞いて三歳君が質問してきたけど、意味が分からない。五感は身体が無いと感じれないだろうに
そう思っていると
『その通りよ。身体が無いのに魂の繋がる場所で衝撃を受けたんでしょ?その感覚はまだ、私も...多分三歳も感じた事が無いわ』『あぁ、セシルの言う通り無い』「その事かい。確かにソレは感覚で言った言葉で...成る程、言われてみれば僕にもソノ感覚は無かったね」
衝撃...言葉でそう言ったけど、僕だって物理的な衝撃を受けた訳じゃなく、あくまでソノ雰囲気を〝衝撃〟と表現しただけに過ぎない。なので改めてその事を伝えた。その上で
「僕がちゃんと繋がっているのは、やはりセシルの方なんだと感じたよ」
『まぁ、順序的にはそうだろうな』『釈然としないわ』「ソコは気持ちの問題だよね?」
そう話していると、沙織が突然何かを閃いたらしく
「スマホ!めっちゃ使えるやん♪」「突然どうしたんだい?」
勢い良く立ち上がり「耕にぃ!みっくんと代わって!」「え?あ、あぁ...」僕は沙織の言うがまま三歳君と入れ代わろうとした。彼はさっきの出来事を思い出したのだろうか...一瞬躊躇したが、入れ代わりを受け入れてくれた。
さお姉の提案で耕助に言われるまま、俺は自分の身体に戻る。
「みっくん!今直ぐあのスマホ!使えへん?」
「えぇ?!アレか?いや、外したくないんだが」
さお姉に「違う!そうじゃない!」と言われよくよく聞くと
「そういう事か!?」「ねぇ!凄くない♪」「あぁ!凄ぇ!」
何で気付かなかったんだろう。その発想が出なかったのに疑問を抱いていたら
『ソレは多分...僕たちが念話に慣れすぎてしまったからだろうね』
耕助が噛みしめるように言った。確かに
『そうね、私じゃその発想は出てこなかったわ』
セシルも同意する。だがソレは二人がクランディアで過ごしていたからで、俺は気付いても良かった筈だと思っていたら
『まぁ遅かれ早かれ気付くわよ』「どうして?」『だって配信する時に「あっ!?」でしょ?』
セシルにフォローされた。彼女の言うように配信を始めれば、何時かは外部と接触しなければならない。
そうこうしている内に何とかリアに起きてもらい、状況を伝えると...
『なんでそんな危険な事になっとるんじゃ!?』
俺の頭の中を覗いたリアは開口一番で...取り乱した。だが直ぐ我に返り
『気を付けるのじゃぞ?二度と無いようにの!』
その後の展開も理解して、もうやらかさない...少なくとも、全員で注意するのが分かったのだろう。
それよりも...
『耕助はやはり転生ではないのう』『じゃぁなんだい?』『...オマケじゃ』「『『、はっ?』』」『オマケじゃよ』
何でや!とさお姉なら突っ込みそうだと思いつつ、ソレは多分言い方の問題だろう。そして更にリアは面白い事を口にした。
『お主ら、先程読んでいた小説で魂が混じり合い...と言っていたな』
『えぇ』『そうだね』『あれな...三歳も混じっとるぞ』「『『は?』』」
セシルも耕助も呆気に取られている。俺だって...一瞬リアが何を言っているのか分からなかった。
『俺...と言っとるではないかぇ』
そう、俺と言っていた。あの時見ていた夢の中で...俺が!
『ちょっと!本当にそうなの?!』『僕には...分からなかったよ』
「言われてみれば...そうかも知れない。夢なのに興奮して...」
俺はあの時...あの場所に居た感覚が...確かにあった気がする。
『ソレだけ強く共鳴したんじゃろうて』「それで...繋がったのか?」
クランディアと日本が...そう思ったら
『その前からじゃろう?でなければ夢でセシルの事を視る事など出来ておらん』
『それもそうね』『なんだか凄いね』「あぁ、そうだな」
リアがまたもや違うと言うが
(繰り返す事で...その時空の穴が大くなったのでは?)
俺のその秘めた想いに...リアは敢えて、応えないようだ。
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