2話 ハイカラVtuberセシルwithリア...始動?
リアの科白「『』」内は...
「」がクランディア語
『』が日本語
だと思って頂ければ幸いです。
「『なんでなのじゃ?我は大人になりたいのじゃ!ここでなら、なれるのじゃぞ?無体なのじゃあ―――……』」
……ジタバタジタバタ…(チラッ)…ジタバタジタバタ……
『えぇ〜…』「マジか...」「だ、大精霊様?」
なんか...吹っ切れた感あるなぁ...とは感じていたが
『こんなリア...初めて見たわ』「そうだろうな」
「ミトセ様?なんとおっしゃっているのか分かりません!」
俺とセシルは興奮した妹の事など眼中に無く、駄々をこねるリアを...
ただ呆然と、眺めていた。
『それは、本当なのですか?』『勿論よ』
水槽の中に戻った私たちの戦艇は無事スマホとの連結も終えた。
『なぁなぁ!スマホ、何なん?』『今じゃなくていいだろうが!』『えぇ〜!パパのケチィ〜』『パパって言うんじゃねぇよ!』『駄目なの?』『いや、ゲオルカは良いに決まってんじゃねぇか』『それならウチかて『場所を弁えろってんだよ!』...ぶぅ』「一気にやかましくなったな」『そうね』
言葉とは裏腹に、俺もセシルもリアとランシェをジッと眺めていた。
『大精霊様〜お久しぶりでございますぅ〜』『......』
『なんでリアはランシェに素っ気ないんだ?』『さぁ?』
『混ざらんようにする為じゃ』『!そうだったのね?!』
今の一言で俺もなんとなく分かった。魔力の質が似ているって事は
『似ておるだけで同じではないからの』『成る程?』
『セシルよ、本当は分かっておらぬであろう?』「同調率が下がるからか?」
ヤッパリそうだった。似て非なるもの。コレって結構曲者なんだよな...
俺がそう思っていると
『三歳と初めて接触しようとした時にも言ったであろうが...異物がおると』
『あぁ!』「俺、異物扱いだったの?」『言葉の綾じゃ!気にするでない』
リアがセシルに突っ込みを入れていた。だがその内容が気になった俺は、思わずリアの言った事に反応してしまう。直ぐ様リアがフォローしてくれたが、俺も別に本気で傷付いた訳では無い。ソコはリアも分かっているようだ。
『お主の感情はハッキリとショックを受けておったぞぇ。まぁ直ぐに消えておったから、脊椎反射のようなものだったのじゃろうな』
「そうだな」『そんな事より三歳?自己紹介して欲しいの。入れ代わって』
俺を異物扱いしてた事をそんな事呼ばわりするセシルに俺は一瞬ムッとなったが、俺自身もそんな事よりランシェたちへ事情説明するのが先決だと思ったのでその事は不問にする。
「入れ代わる前にその事を伝え...ってもう変わってるじゃないか!?」
「なんとまぁせっかちな事よ」『ごめんなさい!つい、いつもの調子で...』
ちょっと呆れ気味でセシルに了承の言葉を送ろうとしたら、アイツは妹にこれから入れ代わる事すら説明せずに交代した。当然ランシェは
「お姉様?!ソレは何処の国の言葉って...あぁニホンゴなのですね?ミトセ様と、お話されてたのですか?」
俺の顔を見て話しかけてきた。当たり前だが、俺はクランディアの言葉は話せない。
どうするべきか、考えあぐねていると
「エマよ...今、目の前に居るのはセシルではない。三歳じゃ」「はい?」
リアがクランディア語を話せない俺に代わって、コレまでの経緯を解説し始めた。
魂魄の事、階位の事、転生に至るまで全て話した。
「それではミトセ様はお姉様の生まれ変わりなのですね?」
こくり...と俺は頷いた。すると、ランシェは引き続き俺に話しかけてくる。
だがその内容は、俺には意味の分からないものだった。
「では...どこまでお姉様や私達の事を憶えていらっしゃるのですか?」
『ランシェは多分、耕助の事を言ってるのよ』「どういう事?」
セシルの言った言葉で余計に分からなくなったが、その後リアが言った言葉で俺は得心がいく。
「『エマよ、三歳にはセシルのように前世の記憶は無い。かわりに夢として、我らの世界を観ておったそうじゃ』」
「そうなのですか?!でも、その方がなんだか凄そうですね!」
得心を得たのはエマも同様で、その上彼女は眼をキラキラさせながら俺に向かって色々話しかけてくる。
「お姉様視点で(夢を)観られてたのですか?」「え?いや...どうだったかな?」「私の事はどの程度知っていらっしゃるのでしょうか?」「どの程度って言われても」「あぁ!言葉が分かりませんわ!でも、なんだかとっても紳士的な方のような気がします♪」「コレは...(参るな)」「『そうじゃろうて』」(セシルと違ってこの天真爛漫さが苦手なんじゃ?)「『それもある』」『ちょっと!三歳?今、私とランシェを比べたでしょ!?』
セシルが言うように俺は(やっぱ似てるけど若いよなぁ)とか(何故か御令嬢感はランシェの方があるなぁ)とか感じていたのは否めない。実際育ちの良さが出てるのはランシェの方だ。
「『長子としての威厳が令嬢感を逸しさせておるだけじゃ。ちゃんと着飾ればそれなりじゃぞ♪』」
『ちょっとリア?!』「あはは...いや、ちゃんと観ればセシルだって貴族令嬢だなって思ってるよ」『三歳ぇ?!』
俺が無意識で二人を比べた感想にリアが取り繕うも、セシルはまだご不満のようだ。
俺も合わせて自身の失態を補填すべくリアの後押しをしたが、火に油だったみたいで...
「まぁ...そんな事『そんな事!』より、コレを見てくれ」
俺は少しだけ三歳の身体を使ってPCを操作した。そこには俺が予め用意しておいたセシルとリアのVチューバーデビューイラストが描かれている。
「コレを見てくれ」
一通り操作が終わったのでセシルの身体に戻り、俺は窓の外に映るPC画面を指差して皆に告知する事にした。
「あの光る絵は、今後二人が日本で資金調達する為に行う仕事...ネット配信用の衣装だ!」
俺がドヤ顔すると共に皆が硬直する。そうか、そんなに驚いたか...俺がそう思っていると
「『いやじゃ...』」
リアが小声で何かを言った。ご丁寧に二重言語で翻訳しながら、しゃがみ込んだと思ったら
「『いやじゃ!いやなのじゃあ〜!!!』」
突然寝転んで駄々をこね始めた!
「『なんでなのじゃ?我は大人になりたいのじゃ!ここでなら、なれるのじゃぞ?無体なのじゃあ―――……』」
……ジタバタジタバタ…(チラッ)…ジタバタジタバタ……
『えぇ〜…』「マジか...」「だ、大精霊様?」
まだ配信については何も言ってないが、頭の中を覗けるリアには関係がない。
『こんなリア...初めて見たわ』「そうだろうな」
「ミトセ様?なんとおっしゃっているのか分かりません!」
そう言えばさっきからリアは、俺の言葉を皆に通訳してないな...
……ジタバタジタバタ…(チラッ)…ジタバタジタバタ……
オロオロする乗組員を余所に、俺とセシルは尚も続くリアの癇癪に唖然としてしまう。
「『分かっておろう!我を大人に...色っぽい美女にするのじゃ!!』」
「えぇ?(聞いてねえよ)」『そんな事考えてたの?』
リアの要望に、俺とセシルは呆れてしまった。
「『当たり前なのじゃ!ずっと我を子供扱いしおって...我が何年生きてると思うておる!!』」
俺は思った。そんな無限の時を過ごした大精霊が、駄々こねるなよと...
それはセシルも同様だったようで、心底呆れてる感が半端ない。
俺とセシルはそんな事を思いながら...
ただ呆然と、眺めていた。
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