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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く 最終章《一夫多妻エンドVer.》  作者: 東音


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一夫多妻制への世間の反応 

 香織の妊娠が判明した翌日―。

 気まずそうな表情で石藤家に戻って来た香織を、さくらは笑顔で迎え、食べ物や身の回りの事など家族全員で彼女を気遣っていく事を確認した。


 財前寺家と石藤家にも香織の件については伝えていたが、一夫多妻制を利用する事に一番反対したのは、母だった。


 母にとって、さくらは公私共に俺を支えてくれ、実家ともよいお付き合いを心がけてくれる文句のつけようのない可愛い嫁であり、第二の妻を迎えるなんてとんでもないと責められた。


 高校時代に、香織に別れを告げられた直後に俺が盲腸で倒れて以来、母は彼女にいい印象を抱いていない事も、反対する理由の一つのようだった。


 そんな母に、さくらは自ら事情を説明してくれ、根気強く説得して、母も最後には渋りながらも了承してくれた。


 さくらを第一夫人、香織を第二夫人として一夫多妻制の婚姻手続きの申請をして、審査の上受理されたのはたった2週間後の事だった。


 人気の料理研究家、財前寺桜が一夫多妻制を利用するという事に関しては、世間を大きく騒がせるニュースとなった。


 俺とさくらのおしどり夫婦ぶりは有名であり、また、香織が白鳥の元妻である事からも色んな憶測を呼ぶ事になった。


「誠実と思われていた財前寺桜の夫、不倫相手を妊娠させる?!」

「離婚した白鳥夫妻と財前寺桜の夫の歪んだ関係!」


 一時期は、スポーツ新聞の見出しに捏造半分の記事が出たり、ネットでは、それらニュースに対して、


「桜さん、可哀想!!」「子供もいるのに、不倫とか旦那さん、鬼畜過ぎ!」

「白鳥もおかしかったが、その妻も相当ヤバイんだろうな」

「あんなに綺麗で料理上手の嫁いて、第二の妻なんていらんやろ!」

「最近、金ある奴は、すぐ一夫多妻制使うよな〜」

「俺、一夫多妻制使うチャラ男に彼女取られた。マジ、民法戻してくれ!」


 など、俺や香織への非難、ひいては制度自体への不満など多くのコメントが書き込まれ、一時期は外出するのにも危険を感じる程であった。


 しかし、お義父さんに、財前寺の力を借りて騒動を収めつつ、さくらと俺が夫婦で異例の記者会見を開くと風向きが変わった。


 俺とさくらは、一夫多妻制を利用する事は、夫婦で話し合って決めた事。

 また、俺とさくらは変わらず仲の良い夫婦である事。

 家族それぞれの仲も良好で幸せである中、新しい家族の形をどうか温かい目で見守って欲しいと切々と訴えた。

(香織はつわりも始まっている時期だったので、心身の安全を考えて家で見守ってもらう事にした)


 その記者会見は、今の時代を象徴するものとして話題になり、政治家やジャーナリストにも肯定的に引用されるようになると、批判一色から一変し、賛成意見多数になり、表立った批判の声は聞かれなくなった。


 騒動が起こってから、香織はいたたまれず、離婚した方がよいのではと思い詰めていたようなのでこの状況にようやく落ち着けるだろう。


 大きな話題にはなっている為、行動は慎重にしなければならなかったが、さくらや俺は騒動が一段落しそうな目処がたち、ホッとした。


 俺の財前寺家との絆をアピールする事や、世間のイメージの回復が会社の業績にも大きく関係する為、社長からは、記者会見の為に何日か休みを取るよう言われていたが、休み明けに出社すると、周りが大きくざわついていた。


「(あっ……。石藤営業次長だっ……)」

「(一夫多妻制の会見の事、誰か聞いてみなよ……)」


 好奇の目で見られ、遠巻きにヒソヒソ話をされる状況に居心地の悪さを感じながらも、気にしない振りをしていると……。


「あっ。おはよう、石藤くん!」

「小坂営業部長。 おは……ようございます」


 小坂営業部長はこちらが戸惑う程にいつもと変わらぬ笑顔を向けて来た。


「いや、まぁ、とにかく記者会見、お疲れ様だったね。あれを見て、石藤くんが奥さんを変わらずすごく大切にしているのが伝わって来たよ。

 俺も一夫多妻制については、あまり詳しく知らなかったけどどんな家族形態でも、家族皆が納得して幸せでいられるならそれでいいと思う。

 色々言ってくる人がいたとしても、気にしないで胸張ってねっ!」

「小坂営業次長っ……」


 皆が遠巻きになる中、小坂さんの真っ直ぐな励ましが胸に沁みた。


「仕事面何かあったら、俺もフォローするからさっ」

 バンバンッ!

「あ、ありがとうございま……。うっ。いてっ!」


 小坂さんに温かい言葉をかけられ、背中を叩かれ、感動半分痛み半分で俺はうるっとしてしまったのだった。


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