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一夫多妻制の許されたこの社会で俺は銀髪少女に唯一無二の愛を貫く 最終章《一夫多妻エンドVer.》  作者: 東音


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一夫多妻制婚姻のススメ《前編》

 それから1週間後、俺とさくらは再び、香織の病院をお見舞いに訪れた。


 前回の時よりは、彼女の顔色は良くなっていて、痛みも収まって来て、少しずつリハビリもしているとの事だった。


「石藤くん。さくらちゃん。また来てくれたのは嬉しいけど、私、もう大丈夫……だよ? 来週には退院するし……」


「もうすぐ、退院なんですね。それはよかったです。ねぇ、良二さん」

「あ、ああ……」


 戸惑っている様子の香織に、俺とさくらは顔を見合わせた。


 うん。切り出しにくいな……。


 よく考えたら、いくら俺達の合意が取れたからって、こんな提案、香織からしてみれば侮辱以外の何物でもないんではないだろうか。


「いい加減にしろ!」


 と香織(もしくは香織父)にぶん殴られてもしょうがない案件だろう。


「良二さん……」


 躊躇っていると、さくらが、促すように俺の腕にポンポン手で触れてきた。


「あ、ああ……。分かってる」


 どんな事になるかは分からないが、決めた以上はこうしていても仕方がない。


「??」


 俺はゴクッと生唾を飲み、不思議そうに首を傾げている香織に向き直った。


「瀬川さん! 俺を殴ってくれ!!」


「ええっ!?? 良二くん、いきなり何をっ?!!」

「りょ、良二さん! 多分、話をする順番間違えちゃってますぅっ」


 度肝を抜かれて、驚きの声を上げる香織と、急いで俺の誤りを教えてくるさくらに、慌てて謝った。


「えっ。あ、ああ! ごめん!! 緊張してしまって……。ええと……」


 俺はゴホンと咳払いをして、仕切り直した。


「今から、瀬川さんにとても失礼な提案をするかもしれないけど、気に入らなかったら、一発俺をぶん殴って、忘れてくれ」


「ええっ?それってどういう事……?」


 やはり、不可解でしかないという表情の香織に、単刀直入に告げた。


「提案というのは、俺とさくらと瀬川さんと一夫多妻制の婚姻関係を結ばないか?という事なんだ」


「へ……」


 目の光が消え、呆けている香織に更に続けた。


「もちろん、形式的なもので構わない。

 瀬川さんは、上司とああいう事があったばかりで、男の俺と関わるのが嫌だったら、なるべく顔を合わせないように配慮するし、何か要望があれば可能な限り答えるようにする」


「??」


「さくらは君の今後をとても心配してる。婚姻関係があれば、財前寺の力が君を守ってくれる。白鳥の妻だった事で受ける不利益はなくなり、就職も……」

「ちょ、ちょっと待ってよ!」


 香織は俺の発言を遮るように声を上げた。


「そんなのおかしいでしょう? だ、だって、石藤くんとさくらちゃんは相思相愛の夫婦で、子供もいて、そんな中私が割って入るなんて! しかも、さくらちゃんの実家の力を利用して守られるなんて! 許されるわけが……!」


「いいえ。私はぜひそうして欲しいと思っていますよ。もちろん、お父様も賛成してくれています」


「さくらちゃん?嘘……でしょ??」


 隣のさくらが穏やかに微笑みながらそう言うのに、香織は愕然と目を見開いた。


「いいえ。小さい頃、良二さんと共に私を守って下さった香織さんを、今度は私が守りたいと思って何らおかしい事はありません。

 そして、良二さんも、もちろん香織さんを守りたいと思っています」


「え……」


 香織に目を向けられ、俺は頭を掻きながら肯定した。


「ま、まぁ、俺も出来る事があるなら、やってあげられたらという気持ちだけど……。もちろん、瀬川さんの気持ち次第だからな。


 他の男性と結婚できるチャンスを逃してしまうし、二度も一夫多妻制婚姻をする事で、表向きは手出しできなくても陰口ぐらいは言われるかもしれない。


 意にそまないのであれば、もちろん断ってくれて構わない」


 俺がそう言うと、香織は狼狽えて、視線を左右に泳がせた。


「えっと……、でも……、だ、だって……」


 何か言い辛そうだな……。


 さくらは香織がそれを望んでる筈だと言うけれど、とてもそうは思えない。


『あなたと添い遂げなくて本当によかったわ!!』


 過去に彼女に言われた言葉を思い出し、俺は苦笑いしてブンブンと手を振った。


「いや、いいよ。瀬川さん。今更俺に傷付かないように配慮してくれなくて。必要ないなら、正直にそう言ってくれればいいから。まぁ、一夫多妻制の婚姻なんて、ほぼ断られるとこっちも思っていたしさ……」


「えっ……。そ、そうじゃなくて……!」 

「ちょっ、良二さんっ!」


 泣きそうになった彼女に助け舟を出そうとして、さくらには何故か窘めるように呼びかけられた時……。


 ガタンッ。


 物音がして、そちらを向くと、さくらが贈った花を花瓶に生ける為、席を外していた香織父が、厳しい表情でそこに立っていた。

*あとがき*


 いつも読んで頂き、ブックマークや、リアクション、ご評価下さって本当にありがとうございますm(_ _)m


 今後ともどうかよろしくお願いします。

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ひぇっ……昼ドラ展開こわいっぴ……
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