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光の戦士 ~殺人犯と同じチート能力を持ってますが悪用しません~  作者: 池田大陸


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第60話 意外な結末……

完結まで毎日投稿します!

 

 俺はドラゴンの正面に光輪の階段を作って駆け上がり、そしてこう言った。


「おいドラゴン。魔法攻撃ばっかで飽きてきただろ?今度は俺が相手してやる!」


 俺は基本形光輪を10個出し、全て外側を刃物状にする。そして一斉にドラゴンに向けて飛ばした!

 魔法を使われる前になんとしても致命傷を与えなければ勝機はない――。



 ……しかし、意外なことにドラゴンはこちらを凝視しながら硬直し何もしてこない。本当に固まったように動かない。ん?さすがに今までのダメージで素早く魔法が打てないのか?


『ギャアアアア!!』


 その一方でこちらも驚くぐらい光輪はドラゴンの身体をスパスパと切り裂いていった!あれだけエノキとマウロの魔法攻撃を耐えていたから相当頑丈だと思ったけど意外だ。これ、イケるんじゃね!?


『……グアアッ!!……ハアッ……ハアッ、……お、お前、その光は……まさか!?』


「ん、この光輪か?どうやら俺は光の能力者ってやつらしいぜ。ドラゴン、お前何か知ってんのか?」


『クッ。あの女め……こっちの世界でこんな戦士を育てていたのか!』


「女?良く分かんねーけど俺のかーちゃんは多分お前のこと知らないぞ?」

 俺はトボけた返事をしたがドラゴンの方は急に慌てふためき出した。


『あ、主よ逃げるぞ!この男は危険だ』


 ドラゴンに危険人物認定される俺。いや、ドラゴンのお前が言うな。

 ……ってかダッバーフどこにいるんだ?


「に、逃げるだと!?お前は魔界のドラゴンだろう?なぜ戦わん?」

 どこからともなくダッバーフの声が聞こえてきた。どうやらドラゴンの頭部の何処かに隠れる場所があるらしい。


『天敵だからだ。とにかくこの場は逃げる!魔界へ戻るぞ……?おい、主よサモナーはどこへ行った?』


「彼は今意識が飛んでるから当分起きないよ」


 マウロが見せつけたのは痛めつけられ白目をむいたサモナーの姿だった。この男、やはり優秀だ!


 それを見たダッバーフは憤りの声を上げる。

「サムエル!?――く、くそっ。境界はドラゴン召喚のために大量の魔力を消費したせいですでに消えているというのに!!」


『何っ!それでは魔界に戻れぬぞ!?ふざけるな!!』


 焦るドラゴンとダッバーフ。側から見てると滑稽にも見える。しかしここでダッバーフは恐ろしいことを口にした。


「いや、まだだ!!ドラゴンよ。あっちだ!あの岩山の中に石油を輸送するための境界がある。そこから一旦現代に飛ぶぞ!こうなったら順序は逆になるがソリオンより先にアメリカやロシアを滅ぼしてやる!!」


 俺はダッバーフのその言葉を聞いて恐怖を感じた。現代でドラゴンにあんな核兵器みたいな攻撃をされたらとんでもないことになる。絶対阻止せねば!


「行かせるかよ」


 俺は先程と同じく大きめの光輪を刃物状にして攻撃しようとした……。


 フシューーッ!!


 ――その瞬間、ドラゴンは凄まじい勢いで()()を吹き出し正面の俺は紙のように吹き飛ばされるのだった!!


 ぐああああー、そ、そんな攻撃ありかー!?魔法陣が出てなかったから完全に油断していた。


 俺が後へ飛ばされながらも足場代わりの光輪を出し、なんとか踏みとどまっている間にドラゴンは翼を広げ空を舞い、ダッバーフの言っていた岩山に到達してしまう……マズイ!!


「まっ、待てーーーー!!」


 俺は懸命に光輪の上をダッシュで追っていくがドラゴンの姿はパッと一瞬で消えてしまった!ああ……転移された!!やっべー、とんでもないことになっちゃったぞ……。


 俺は顔面蒼白といった感じでジャンタン達の方を見たが――不思議な事に三人は大して慌てもせず何かを話し合っていた。皆かなり落ち着いて見える……え?いや、なんで!?俺は早速三人と合流した。


「おう、太一。なんで皆そんな冷静なんだ――って顔だな?」

 ジャンタンが聞いてきた。


「い、いや、その通りだろ!?ヤバいじゃん、フツーに!あんなのが現代に現れたらとんでもない事になるだろ!?皆どうしたんだよ。早く科学魔法で俺達を境界に認証させて入れるようにしてくれ!!」


 そこで今までの魔法攻撃でやや疲れた表情のエノキがこう言った。

「タイチー。心配しなくても多分あのドラゴンすぐ戻ってくるぞ」

「は!?何で?」

「僕もそう思う」

 今度はマウロも同意してきた。ど、どういう事なんだ??


 すると先ほどドラゴンが消えた辺りから再び巨大なあのドラゴンが姿を現した。


『グアアアアアアア……!!』


 なんか苦しそうな叫び声を上げている

「ど、どうしたドラゴン!なぜ戻ってきた!?」

 ダッバーフも俺と同じ疑問を口にした。


『骨折した』


 俺もダッバーフも含めたその場の全員がポカーンとしていた。こ、骨折!?


「やっぱりな」


 ジャンタンはドラゴンを遠目に見ながら、ちょっと憐れみも含んだような目をしていた。

「??なんで……?」


「俺と太一は境界人だからそこまで実感無いけどよ、オルターの奴が地球に行くとその重力だけでめちゃくちゃな圧力を受けるみてーだ」


 俺はエノキとマウロに目を移す。

「前にも言ったけどジャンタンの言ってることはマジだぞ。あっちはウチらにとっちゃ地獄なんだって!」

「しかもあの巨体だからね、なおさら影響を受けるだろう。しかも地球じゃ魔法も使えないし、そりゃー戻ってくるよね」


 ――そ、そういえば聞いたことがある。昆虫とかが人間と同じサイズになったら全身の関節が折れて動けなくなるとか……いやでも助かった。今回に限っては。

 ドラゴンは本当に骨折しているらしく、その場にうずくまって動けないでいる。とにかくこれはチャンスだ!

 いくら俺でもこんな機会を逃すほど甘くないぜ。そう思ってドラゴンに向かってダッシュした。


『グウッ……あ、主よ何だあの地獄のような場所は!?向こうへ行っただけで身体が押しつぶされそうになったぞ!魔法も使えぬ……彼の地は地獄か!!』


「おい」


 俺はうなだれるドラゴンの首に高速で光輪をはめた。光輪の内側はカミソリのように鋭く研ぎ澄まされていて、ちょっとでも触れればその肉は簡単に切り裂かれる。


 ドラゴンは観念したようにその目を瞑った。


「ちょっとでも変な動きをしたらその首を落とす。絶対に動くな」


 俺は力強くドラゴンに命じた。本当に動いたら首を斬るつもりだった、直接的な恨みはないがコイツは危険過ぎる……。


『……分かった』


 ドラゴンは力なく答えた。


「ダッバーフを出すんだ」


 首にはめた光輪以外にもう一つの光輪をドラゴンの頭部に飛ばす。こっちはダッバーフを捕獲するためのものだ。


『主よ、もはやこれまで……』


 潔いドラゴンとは対照的にダッバーフは往生際が悪かった。


「私は神の使いだ!絶対に滅びぬ!死ぬのは貴様らだッ」


 ドラゴンの頭部の穴から素早く飛び出し、俺にライフル銃を向けようとするダッバーフ。しかし俺は全く慌てることはなかった。


 ガンッ!!


 ダッバーフの後ろに立っていたジャンタンが側頭部を後ろからブン殴り、そのままライフル銃を奪い取った!悶絶するダッバーフ。

 俺は速攻で光輪をダッバーフにはめ、適度に締め上げた。


「ギャアアッ……」


 うめき声をあげるダッバーフ。


 上空には例のドローンが飛んでいる。

 その後ろでジャンタンがジョージに通信で感謝を述べていた。

「サンキュー、ジョージ。ナイスな誘導だったぜ!手榴弾の件といいMVPは太一とお前かもな。ははっ」

 


「……そんな気にすんなって非常時だ。じゃあな」

 そう言ってジャンタンは耳に突っ込んでいた指を降ろした。


「ジョージは何か気にしてんの?」

「ああ。武器をオルターに持ち込んだことに対してな。結構コンプラに神経質だからなアイツ。でも今回はお陰で助かったぜ。――おいゴラァ!オメーは覚悟しとけよ」


 ジャンタンは顔つきを一気に変え、ダッバーフをにらみ両手を後ろで縄で縛った。

「光輪もういいぞ太一」

「オーケー」

 ――フッ。


 俺が光輪を消すのとほぼ同時にジャンタンはダッバーフをドラゴンの背中から蹴り落とした。「ぎゃあ」という悲鳴が聞こえたがオルターなら落ちて死ぬ高さでもないか。


「こいつの事は俺に任しとけ。問題はドラゴンだが……」

 ドラゴンは目をつむり完全に降伏してる。やっぱトドメささなきゃだめだろうか?

 俺はちょっと聞いてみた。

「なあお前、今まで自分から人を殺したことあるか?」


『……ないな、今回は召喚の義により命じられたゆえ貴様たちと一戦交えたが、小さき人間を殺すことに興味はない』


「嘘はついてねえな」

 その時ジャンタンは『読心』により、その言葉が本心であることを見抜いたようだった。

 それを聞いた俺は決めた。


「よし分かった。今回はお前魔界に帰れ。でも次会ったときに攻撃してきたら容赦しないぜ?」


『……お前、名は何と言う?』


「佐々木太一だ」


『ササキタイチ……感謝する』


 ジャンタンはドラゴンが俺に礼を述べたことにちょっと驚き、同時に思い出したようにこう言った。


「しかし太一よ、ダッバーフの話じゃドラゴンを魔界に帰すための境界は閉じてるんだろ?」

 完全にその事を忘れていた俺はギクリとした。しかしすぐに解決法を思いついた!


「あ!エノキの回復魔法。あれでサモナーを回復させよう!!」


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