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光の戦士 ~殺人犯と同じチート能力を持ってますが悪用しません~  作者: 池田大陸


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第58話 大暴れ

完結まで毎日投稿します。

 

 俺は岩山風の敵の基地内に入るとすぐ光輪をまとった。常に用心はしておく。


 とりあえず建物内の配置は分からないので敵を殲滅しまくりながらダッバーフを探すのが当面の目的だ。だが――ここで俺の精神は変調をきたした……。


 アジト内に入った俺は急に怖くなってきたのだ。

 ハイドも使えないのに敵地の真っ只中にいる……いくら光輪があると言っても遠くから銃やらで頭を狙撃でもされたら普通に死ぬ――こ、怖すぎる!!


「ハァーーッ……ハァーーッッ……」


 息はどんどん荒くなっていく。ここで無理矢理にでもハイテンションになっておかないと敵に対する不安で押し潰される気がして気付いたら何かしら叫んでいた!


「おおおおおおお!!」


 走りながら叫び声を上げる俺!木のドアが目に入る!


 バキッ……!!


 目の前のドアを手で開けるという冷静な動作すら出来ず、破壊するようにして蹴り開ける!!――というか真っ二つに破壊した!


 頭に血が昇り、心臓は常にドクンドクンと脈打つ。

 ――ダメだ。もっと冷静にならないと!!

 頭では分かっていても今の俺には出来ない。制御不能!


 蹴破ったドアの先は狭い部屋で中に敵の兵士らしき人物三人を確認した!

 ……そして俺は恐ろしいものをその後ろに見てしまった……。


 下半身が吹っ飛んで内臓が飛び出ている人間。

 両目をくり抜かれて柱にくくりつけられ息絶えた男の子。

 頭部のない人間、等々……。

 そして一番俺が怒りを覚えたのは、柱に体を縛り付けられた幼い少女が一人の男に辱めを受けている所だった。

 穴という穴に器物を突っ込まれ、少女は涙も枯れ果てたかのような虚ろな目をしていた。男は手に何かを持っていた。


 おい……おい!何する気だ???その金切りバサミで何を――!!??うあああああああーーー!!


 頭が沸騰するような猛烈な怒りと殺意が身体中に湧き上がる!!


 俺はその怒りに任せて衝動的に男にダッシュし真鉄(鉄パイプ)を振り下ろす!

 真鉄は身体のありえないところまでめり込んでいった。


「ゴフッ……!!」


 大量の血を吐く兵士。そのまま死んでろ!


 ここで後の二人がなんとも最悪なセリフを吐いた。


「おい。何をするんだ?奴隷遊びの邪魔するをするな!」


 その言葉でさらに頭に血が上る!怒りで頭がどうにかなりそうだ。

 俺は自分の首周りに光輪を出し、可能な限り勢いよく拡大させた。


 ドガガッッッ!!


 岩壁に押し付けられた彼らの首からペキペキという骨の折れる音が聞こえ、光輪を消すと二人とも床に倒れ込んで動かなくなった。


 今の気分は正直言って最悪だ。敵に勝ったという感覚より奴らへの憎悪の方が何倍も勝っていた。


「あいつらは俺達が全員ぶっ倒してやる。後から必ず皆助け出すからちょっと待ってろよ!」


 俺はその少女を片手で包むように抱きながら、もう一方の手で少女に挿入されたあらゆる器具を眉をひそめながら抜き取った。

 少女を見ると完全に心が壊れたような顔をしていた。


「……………………」


 ――こんなことが……実際起こってるんだ……。


 今まで日本で平和に暮らしていたから知らなかっただけだ。漫画やアニメでしか見たこと無いような惨劇を直に見て、怒りを通り越して悲しくなってきた。


 心が冷めたままでいるのは良くない。特に今は死に直結する……俺は本能的にそう感じて嫌な気持ちを無理矢理抑え込むためにとりあえず大声を上げた。


「おっ、おっ……」

「うおおおおおおおおーーーーっっ!!!」


 しかしそのせいで敵をおびき寄せてしまう事になった……。この辺は未熟というか経験の少なさゆえだろうか?


 俺はまた光輪をまとい部屋から飛び出る。


 そしてその先の細長い通路に出た時、やっとちょっと冷静になれた。

 大丈夫、光輪があれば多分すぐにはやられない!そう思えたからだ。


 このアジトは上部の穴から光が入る構造らしく結構見通しが良かった。

 俺は遠距離攻撃用に適当な石を一つ拾った。


 最初に見張りを倒すときに使った光輪投げより投石の方が速度が速い。これも実験済みだ!

 そうしているうちに早速通路の部屋からまた兵士が出できた!


 ――シュッ。

 ゴカッ!


 俺の投石が頭部を直撃しグロいことになった。


 ……と、そのとき俺の真横の扉が開きまた兵士が二人――。


 ダッ!!


 俺はそいつらに向かってフルパワーで突進する。

 両手を手刀の形にし、フォークのようにそいつらの腹部にめり込ませ、そのまま前進し壁に叩きつける!

 俺の手刀は奴らの腹部を貫通し岩壁に到達した。


「ガハッ!!」

「ゴフッ!!」


 口から大量の血を吐き出す兵士達。よし、コイツらも仕留めたな。

 両手にまとわりついた血や臓物を振り払い周囲を確認する俺。

 よく耳を澄ますと遠くの方から、悲鳴や岩に何かが当たったりする音がこだましている。


「アイツらもやってんな」


 不思議なことに俺はこのあたりから恐怖心が薄まり逆に戦闘に対する闘争心が掻き立てられ、先程とは逆の方向で興奮状態になっていた。口角が自然に上がっていく。

 もう不必要に叫び声を上げることもなく、しっかり光輪で警戒はしつつ淡々と敵を発見しては殺す。そうしてアジト内をくまなく調べて回っていく。



 ところでダッバーフはどこだ?


 俺は適当な兵士を見つけ、かなり手加減して背負い投げを食らわせた!もんどり打って倒れ込む兵士。


「ひいいーーった、助けてくれ!!」


 俺はその兵士の頭に光輪をはめ、ダッバーフの写真を見せて脅す。

「このダッバーフってやつはどこにいる?早めに答えれば命は助けてやる」


 兵士の頭にはめた光輪の大きさを調節してより強く圧力をかける。


「あっ、あががっ……言うっ!言うから殺さないでくれっ!!」

 なんだコイツら、なんか思ってたよりヘボいな……自分達のリーダーのこと簡単にしゃべるんだ……。もっとこう「くっ、殺せ!」的なのを想像していたが。まあいい、好都合だ。


「あ、あちらの広場の方にっ、い、いるはずですっ……」

「よし、嘘じゃないな?」

「ほ、ほ、ほんとですぅ!!」


 ドゴッ!


 大分手加減してそいつの顔をぶん殴った。

「あ……あががっっ……」

 悶絶してのたうち回る兵士。まあ運が良けりゃ多分生きてるだろ。



 ――と、その場にいきなりマウロとエノキが現れた!


「うわっ。お前らいたのか!」


 マウロはまるで散歩の途中かの様にゆったりとたたずんでいる。

「うん、結構前からいたよ。落ち着いたようだね、タイチ」


 エノキはドン引きしたような笑いを浮かべていた。

「……さっきのタイチかなりヤバかったぞ!何されるか分かんないから迂闊にハイド解除できなかったし」


 俺も自分が狂ってる自覚はあったが側から見ててもやはりそうだったらしい。

「お、おう。心配かけてすまん。もう大丈夫だ」


 この二人が現れた事で俺は安心感に包まれ、緊張が一気にほぐれた。ふー。ありがとう。俺は心の中で二人に感謝を述べた。


 ――そのとき、マウロにジャンタンから通信が入った。


「ジャンタン。奴は?……え!?サモナーが境界を……了解、すぐ向かう」


 マウロは俺とエノキの方を向いて説明した。

「今、ダッバーフと一緒にいるサモナーによって新しく境界が開かれようとしているみたいだ」

「え?境界!?地球にはもうはぐれ境界が開いてるハズだよな?……次は何処に?」

 俺が疑問を口にした瞬間、遠くから誰かの走ってくる音が聞こえ身構えた。


 ……ジャンタンだ。ジャンタンがこちらに走ってきた!ど、どうしたんだ!?


「おいお前ら、今すぐこのアジトから逃げろ!奴ら魔界からドラゴンを召喚するつもりだ!!」


 ド、ドラゴン!?


 ――「ゴアアアアアアアアァァ!!」


 アジトの奥から唸り声がした。と同時に岩山風のアジトは音を立てて揺れ出した!


 やべっ!俺はその時あのおぞましい拷問部屋を思い出し、その方角を指をさした。


「あそこに奴らに捕まった子供が残ってるんだ!」

「え!?マジ?どこ?助けに行こう!」

 俺はこの言葉を聞いてエノキをちょっと見直した。コイツ、ひょっとして子供好きか?


「よっしゃ。マウロはジョージに通信でドラゴンの事を伝えてくれ!俺らは子供を連れ出す!」

「了解」

 ジャンタンは素早くマウロに指示を飛ばし、俺達は例の部屋へと急いだ。


 そしてあの部屋に入るとその光景にさすがのエノキやジャンタンも顔をしかめた。


「時間がねえ。生存者だけとりあえず運び出すぞ!」


 ジャンタンにそう言われまだ息のある人間を探すがあの少女以外全員死んでいた……。しかもほとんどが子供だった。


「……最っ悪だ……」


 ジャンタンは吐き捨てるように言った。

 エノキは目を見開いて今まで見たこともない複雑な表情をしていた。


「よし、逃げるぞ」

 俺は少女をおんぶし出口へ急いだ。

 アジトの岩山が崩れそうになるがエノキが土魔法で出口までの岩壁を強化し、なんとか外に出ることが出来た!

 そしてその瞬間、ガラガラとムルファー団のアジトは崩壊した。


 そこに現れたのは……。確かにドラゴンだった。ついでに頭の上に二人の人間が乗っていた。


「ま、まさかアレは……カイザードラゴン!?」


 ジャンタンの言ったそのドラゴンの名前に俺は聞き覚えがあった。


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