第55話 光輪vsアサルトライフル
しばらく毎日投稿します!
「まあ安心しろエノキ。それに関しては何とかしてやる。お前は戦闘に専念してくれ」
ウェイバーは何か考えがあるようだった。
「ジャンタン、アレあるか?」
ウェイバーは手で銃を打つような格好をしてジャンタンに聞いた。アレってもしかして……。
「あー、AKっすか?ちょっと取ってきますわ」
そう言うとジャンタンはダッシュでどこかへ消えてしまった。
「なあウェイバー、今回のメンバーは俺、香織、エノキの3人で行くのか?」
俺は後一人ウェイバーかジャンタンも来て欲しいと思っていた。
「いや、さすがにそれだけじゃ怖すぎる。ジャンタンとマウロにも同行してもらう」
やったぜ!とにかく俺は戦闘員として活躍したかった。そして自分の強さを磨きたい!……と、まるでゲームのように楽観的に考えていた。
一方、その時ウェイバーは耳を指で塞ぎどこかへ通信を始めた。
「もしもし本部?こちらウェイバー。今動けるヤツいるか?……おう、……おう、分かった。場所はサムス砂漠の大岩、集合時刻は12時だ。頼むぞ。……理由は後でソイツらから聞け。じゃあな」
そこでウェイバーは通信を切ったようだ。
「お!もしかして境界警備隊から助っ人が来るのか!?」
「久しぶりにシャロとも会えるかも知れんぞ?」
シャロの名前を聞いてちょっとテンションが上がった!
「おおーいいねー」
――ザッ!
振り返るとジャンタンが戻ってきていた。うおおっ!背中にかけているのはAK-48じゃないか?めちゃくちゃ有名なアサルトライフルだ!
「警備隊から2名応援を呼んだ。ジャンタン、後でマウロも入れてミーティングの後、出発してくれ」
ジャンタンはニッと笑って「了~解!」と一言。
何か普通に兵隊の仕事っぽくなってきたな。でも嫌いじゃないぜ。
てかあのAKは何のために今持ってきたんだ?
「よーし、太一。さっきみたいに光輪をシールド状にして出してくれ」
「え、ああ」
ジャンタンに言われた通り光輪を出してさっきの形に変形させてみる。
「ストップ!」
ジャンタンに止められた。
「ん、何?」
「太一、それ最初からシールドの形で出せねーか?」
ああ、そうか。光輪の説明をちょっとしとかないとダメだな。そう思い、俺は一旦光輪を消した。
「光輪は基本形ってのがあって大きめのタイヤぐらいのサイズがそれなんだ。まあ俺が勝手に呼んでるだけだけど。で、それより細かったり柔らかかったり……要するに基本形より小さくて密度の低い光輪なら最初から加工した状態で複数同時に出す事も可能なんだ。でも、さっきシールド状にしたような基本形よりデカくて硬い光輪を加工した状態でいきなり出すのは無理」
ジャンタンはうなずきながら納得している様子だ。
「なるほどな。じゃあ5人を囲えるシールド光輪に加工するのに何秒かかる?」
俺はちょっと考えてこう言った。
「……実際やってみた方が早いかな」
「……協力しよう」
うおっ!?
あーびっくりしたー!だからなんでいっつもハイドで近づいてくんだよマウロ?
「兄貴、何だよ今の雑なハイドは!?部隊やめて腑抜けになってんじゃないの!?」
エノキがマウロの魔法クオリティーに文句をつけているようだが問題はそこじゃない。……まあ今はいいや。
――というわけで以下ような十字の陣形を組んだ。
ジ
香 俺 エ
マ
ちなみに陣形の全長は1メートルぐらいだからかなり密集している。っていうか密集しないとパッと光輪が出せない。
色々試して分かった事だが、空気以外の障害物があると光輪は出せないのだ。っていうか逆に出せたら人体を貫通してしまうことになるからマズイ、というか怖いな……。
陣形を組んだ後、俺はまず基本形より少し大きめの光輪を出してみた。
ホワン……。よし、問題なく全員を囲えているな。
「うげげっ!やっぱこれヤダなーっ……」
エノキが引きつった顔で素直な感想をもらす。未だに恐怖が刻み込まれているようだ。フフフ、こいつ生意気だからちょっと怖がってるくらいで丁度いいぜ。
次に光輪を縦に伸ばし円筒状にする。よし、これでシールドの完成だ!
「よっしゃ、太一。次はできるだけ早く作ってみてくれ」
ジャンタンにそう指示され、一旦今のシールド光輪を消して息を整える。
「――よし。行くぞ。よーい……ドン!」
俺は先程の手順を踏襲し、最速でシールド状の光輪を完成させた!
俺の前のジャンタンは後ろを振り返らずに手を上げグッドサインを見せる。
「おう。合図してからここまでで約0.7秒ぐらいだな。上出来上出来!」
それに俺も軽く笑顔を返す。
ゴンゴン!
なんだ?と思って右隣を見ると、エノキがシールド光輪を殴っていた。何やってんだお前?
「痛ったー!ヤバイ、これめっちゃ硬いぞ!?」
「そらそうだろ。盾として使うんだから」
俺は失笑しながら答えた。
「ははは、その通り!問題はコイツにも耐えられるかどうかだ!」
ここでジャンタンは持ってきたAKを構えた。
あ、なるほど。相手はアサルトライフルとか持ってるかも知れないし、ちゃんと盾として機能するか?って事だな。
俺はちょっと息を呑んだ。光輪の強度は俺のイメージ力で大きく変えられるが、超高強度を2、3分でも維持しているとサウナに入ったように頭がクラクラしてくるのだ。まあ今回は一瞬なので問題ない。
キイィィィーーーン……。俺は光輪の密度を上げ、最高硬度に調節した。
「いいぜ!」
そしてジャンタンは外のウェイバーに言った。
「ウェイバーさん。光輪の周り、土壁で囲っといてもらえます?」
「おう、まかせろ!」
ドドドドッ!!
シールドの外に壁が出来上がったようだ。まあ貫通したら普通に危ないからな。
「……跳弾が怖えなー。マウロちょっと壁頼むわ」
ドッドッ!
マウロがシールド内に出した2つの土壁の間にジャンタンがAKの砲身を入れる。
「皆耳塞いどけ。いくぞ!」
一同身構える。引き金を引くジャンタン。
ダァァァン!!
強烈な音と衝撃音が響いた!さあ、結果は――!?
「……オッケー。光輪は無事だ。全くの無傷!すげーぞぉ太一!」
ジャンタンにそう褒められ俺も思わず笑った。
「うええーー!?何だよこの武器!?怖すぎー……」
エノキはおっかなびっくりしながらもAKを舐め回すように間近で見ていた。
マウロもちょっと口を開けジャンタンに近寄りジッと眺めている。やっぱ兄弟だな。
一方香織は不安そうな顔でシールドの隅っこで固まっている。大丈夫か?
俺はここで一つ提案した。
「なあジャンタン。光輪の硬度をちょっとずつ低くして同じ実験してみようぜ!」
「お!よっしゃ。お前らさっきと同じ様にやるから構えとけ」
ジャンタンは他の三人にも警告し、またライフルを構える。
俺は光輪の硬度を少し落とした。
ダァン!!
さっきと同じ音だ。
「うん、まだいけるぞ太一」
「分かった、もうちょい緩くしよう」
さらに硬度を落とす。
すると次の射撃でそれは起こった――!
ダァン!!
シュッ!!
――え!?その場にいた全員が驚いた。
さっきまであった光輪シールドは一瞬で消え去ったのだ。
「うおっ!き、消えた!?」
「ホントだ、消えた!……シールドが耐えられなかったんだ」
「えー……もっとこう……バリーンってなるのかと思った」
各々の感想が飛び交う。
なるほど、この辺まで硬度を下げると耐えられないんだな!貴重なデータが取れたぜ。
俺はジャンタンの撃った先を見に行くと、ウェイバーの出した土壁の手前にぐちゃぐちゃに潰れた銃弾が落ちていた。金属の弾がこんなになるのか……やっぱ銃は怖ええな。
「一応こいつにも撃ってみるか」
ジャンタンはマウロが出した土壁に向かってAKを構える。その瞬間、香織とエノキとマウロはウェイバーの出した土壁にへばりつくように後退りした。逃げ足早いなお前ら。
一方、俺は耳を塞ぎ土壁を眺めた。壁がどういうふうになるか興味があったからだ。
ダァン!!
ジャンタンが発砲すると厚さ10センチほどの土壁に銃弾がめり込む!
しかし貫通はしておらず、7センチぐらいの深さの穴が掘られているだけだった。
「土魔法でもこの兵器は防げるようだね」
マウロが壁に近寄り、不敵に笑う。ジャンタンも笑いながら皆に話しかける。
「おう、レベル3だから俺は使えねえがエノキ、マウロ、香織はいざとなったらそれで銃弾から身を守ってくれ。香織は発動まで時間かかるだろうから常に太一と行動するようにな」
「了解」
「分かった」
「……う、うん……」
各々返事をする。
「なあ、ウェイバーの出した壁壊していいか?ジャンタン、ちょっと光輪で試したい事があるんだ。もう一回集まってくれ」
「お、おお……」
「なんだなんだ?」
俺は皆をまたさっきの配置に集めて普通の光輪を出し、それを高速で広げた!!
ガガガガッ!!
一瞬でウェイバーの出した土壁が崩壊した!
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