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光の戦士 ~殺人犯と同じチート能力を持ってますが悪用しません~  作者: 池田大陸


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第46話 実戦!

69話まで完成!しばらく毎日投稿します。

 

「いや、勝手に頭の中見られたらそりゃエノキも怒るだろ」

 しかしマウロという男は想像以上にレベルの高い変態だった。

 恍惚とした表情を浮かべながらマウロは語り始める。


「ふっ、分かってないねぇ。いけない事をいているという背徳感が僕の情熱をさらに加速させるのさ!……今でも思い出す。あの日、あの子が朝用を足しに行って初めて『女』を自覚したときのあのなんとも言えない初々しい感覚……」

「オイコラ、やめろ!飯が食い辛くなるだろーが」

 ジャンタンがマウロの話を止める。ナイス!


 周りを見渡すと香織とクロエがマウロを見てドン引きしている。まあそりゃそうだ。


 香織が真面目な顔で忠告した。

「ねえマウロ。本気でエノキに嫌われるからあんまり変な事しない方がいいと思うよ」

「お、俺もそう思うぞ。なんか初めてエノキに同情したわ」

 香織と俺にそう言われ、一応マウロは反省はしている様だった。


「……そうだよねえ。僕も頭では分かっているんだ。控えよう。……頂きます」

 そして哀愁を漂わせながらラーメンをすするマウロ。マイペースというかなんというか……。


「そうだ!俺達も食おう」

 空腹なのを思い出すように俺は器にご飯をよそいオムレツをむさぼった。うっまーい!

 ジャンタンや香織も各々食いたいものを食べ始めた。



 ――それから30分程して、俺達5人は全員腹を満たすことが出来た。


「ご馳走さん!めっちゃ美味かった」

「ごちそうさま!」


 俺と香織はクロエに感謝した。いや、ほんとに美味かった。地球の料理を作るなんて初めてのことだろうに……さすが食いもん大好きなだけある。

 クロエは笑顔で礼をしながら嬉しいことを言ってくれた。


「良かったです。今後はこの食堂で色々ご飯を作っていこうと思いますのでよろしくお願いします」

「え、食堂の女将さんになるの!?すごい。助かるー」


 香織は驚きながらクロエに感謝していた。俺もここでは自動販売機の冷凍食品以外は食えないと思っていたのでマジで感謝した。


 それから俺、香織、ジャンタンは食堂から出ていき、さっきの広場に向かって歩き出した。と同時に入れ替わるようにウェイバーが食堂に入っていった。


 そういえばエノキは飯食いに来なかったが今何してんだろ?まだ魔法研究してんのかな?

「エノキはまだ部屋にこもって魔法の研究してるみたいよ。なんか凄いよねー、集中力とか」

 俺の心を読んだかの様に香織はそう言った。


「まああんだけ魔法使いこなせたら楽しくてしょうがないだろうな。エノキと比べるのは違うと思うけど俺は正直魔法苦手だ……」

「まだ覚えてすぐなんだからこっからでしょ!昼からも頑張ろうよ」

 やたら前向きな香織だが俺は正直魔法より魔物との実戦がしたい。


 そこへまた良いタイミングでジャンタンが声をかけてくる。


「よっしゃ、後半は俺と外行くぞ太一!香織は引き続きウェイバーさんにシンクロ教えてもらえ」


 この言葉を聞いて俺はニヤリとした。


「外か!いいな。何すんだジャンタン?」

「おう、それだけどよ、やることは簡単でモンスター退治だ!強くなりてーなら実戦が一番だろ?そのついでにギルドから回されてる討伐依頼もこなせば貯金も増えるし良い事だらけだ」


「えー、私も外行きたいなー」

 香織は不満そうだったがジャンタンに反対される。

「香織よ、お前らはお互い離れたくないのかもしれねーが、二人の内どっちかでも科学魔法使えるようになっとかねーと何かと不便だからよ……」

「……うん、分かった。太一気をつけてね」

 ちょっと残念そうにしている香織を見て俺は思わず抱きしめたくなったがジャンタンの手前そんなことは出来るわけもなかった。

 代わりに香織の背中に手を回して軽く数回叩いてこう言った。


「頑張れよー香織」

「……うん、太一もね」


 俺はジャンタンの方を振り向き「行くか!」と大きな声で言った。


 ジャンタンはニッと笑って親指でこれから行く方向を指差した。


「よし、こっちだ。ダッシュで行くぞ!」


 俺は鉄パイプ『真鉄しんてつ』を持ってジャンタンの後を追った。


 デヴォンシャーの端まで案内されたのだがジャンタンの走るスピードは正直めちゃくちゃ速い!やっべ……引き離される。

 俺の走力もオルターに来てから大分上がってきていたハズだが、それでも必死でジャンタンについていくのがやっとだった。


 ――気付くと俺達はデヴォンシャーで見覚えのある所までやってきた。この扉、懐かしいな。

 そこは数日前、シャロと任務のため世界樹であるヘルムの木まで行った時のあの扉だった。


「よし、太一。開けてみろ」


 ジャンタンにそう言われ俺はすぐに扉に手をかけた。と同時に思い出した。


「なんか前、シャロってヤツにいきなり開けるなって怒られた記憶があるんだけど、いいの?」

「問題ねえ。開けろ」

 ジャンタンはぶっきらぼうにそう言い放つが一応警戒はしているらしくジッと扉の奥を見ていた。

「オーケー」

 以前の記憶から相当な重さのあった扉だったので一気に扉を押した。

 すると前と比べて恐ろしく簡単に鉄の扉は開いた。扉は勝手に閉まっていくのでジャンタンも俺もさっさと外に出た。


 ……すると俺の正面の5メートルほど先にペンギンみたいな妙な鳥?がいた。何だあれ!?そいつは鳥にしては巨大で、大型犬ぐらいのデカさだった。


 ファックルルルル……ファックルルルル……。


 不思議な鳴き声を上げる鳥。

 ジャンタンは驚きの声を上げた。


「うおっ、コイツは……ファックペンギンじゃねーか!珍しい。一応無害だからほっといていいぞ」

「えっ、こいつペンギンのくせに飛べんの?」


 さすがオルターだなと思った。


「おう、まあペンギンはほっといていい。とりあえず世界樹の方角に進むぞ。途中で細い道へ入るから頑張ってついて来いよ太一」

「うん、てかジャンタン走るのすっげー速いな」

「基礎体力の向上にはダッシュが一番だぜ。地球じゃこんな全力疾走は続けられねーがな」

「こっちでレベルアップして地球に戻ったらどうなるかな?」

「地球に戻っても一応体力はついてるぞ。オルターほど極端じゃねーが。ちなみに俺は100メートルは10秒前半、ウェイバーさんは10秒後半で走れる。まあ俺もあの人も前線から遠ざかって人を育てる立場だから自分の事はほどほどでいいんだ」

「……へー、もしかして今の俺って結構気楽で楽しい時期なんかな?」

 ジャンタンは笑って大きめの声で言った。


「はっはー、間違いねえ!いくぞ」


 そしてまた走り出し、10分ほど立つとジャンタンは足を止めた。


「ここからあっちの細道に入る。普通に魔物が襲ってくるから――そうだな最初は一人で撃退してみろ」

「え!?マジか」


 そう言いつつも俺はちょっとワクワクしてきた。怖さよりも自分の能力を発揮できる楽しみが勝ったからだ。


 そのまま細道を進むと早速デカい狼のような魔物が道の真ん中にいた。俺と同じぐらいの背丈で口から涎を垂らしている。俺を睨むその顔はみるからに凶暴そうだ……。


 グルルルル……。


「お、アレはハイウルフ。今の太一なら余裕で倒せるぞ」


 呑気に構えるジャンタン。

 俺は真鉄を構えとりあえず突撃した。なんとかなりそうだと思っていたのだ。

 ハイウルフも同時にこちらに向かってくる――かと思われたがヤツは俺から逃げ出した。


「あっ待て!」


 俺が後を追いかけるとハイウルフは足を止めた。


 グルルルル……。ゴルルル……。グルルルルル……。


 俺は唸り声が複数聞こえることに気づき辺りを見回す。

 しまった、囲まれたか!――そう思うと同時に山道の横から別のハイウルフが俺の首めがけて突っ込んできた!


 とりあえず真鉄を振り抜きハイウルフにヒットさせると面白いようにハイウルフは吹っ飛んでいった。

 俺はその吹っ飛んでいくハイウルフを目で追っていたが、その時足に痛みを感じて下を見ると別のハイウルフが俺の太ももに噛み付いていた!


「ぐあっ……!」


 夢中になって真鉄をふるいそのハイウルフをまた吹っ飛ばす!それと同時に最初に俺の前に立っていた奴が眼の前に迫ってきていた!


 うおおおおおお!


 俺は後ろへ倒れ込むような姿勢になりながらもそのハイウルフをフルスイングで仕留めた。


「はあっ……はあっ……」


 目まぐるしい展開に息が切れる。まだ他にいるかも知れん……俺は周囲を見回した。するとまだいた!2匹だ。

 俺は真鉄を構え迎え撃とうとしたがハイウルフ達は恐れをなしたのか逃走していった。


 ふぅーー……。あー焦った。


 俺は一息つくと噛まれた右の太ももから結構な血が出ている。くそっ……しまった。


 そこにジャンタンがやってきて今の戦いを評価した。


「複数の敵と対峙する時は敵に一撃与えたらすぐ後ろを見ろ。今みたいに殴ったやつの行方を目で追ってる暇はねえぞ」

「な、なるほど……」

「そんでこういう風に敵に囲まれた時だけどよ。そん中で一番弱そうなやつ――まあ体格が小せえとかだな、とにかくどこか突破できそうなヤツってのを出来るだけ最初に見つけとくんだ。そんでこっちから攻めるならまずそこだ。色んな相手を見ている内に集団の弱点も分かってくる」

「オーケー」


 ジャンタンのアドバイスは的確でためになる。よし、どんどん行こう!

 俺は噛まれた太ももの痛みなど、もう忘れてしまっていた。


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