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光の戦士 ~殺人犯と同じチート能力を持ってますが悪用しません~  作者: 池田大陸


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第38話 再戦!vsエノキ①

今日は2話投稿します(^^)

 

「ええ!?ほとんど使えないって……」

 俺はジャンタンの言葉にがっかりした。せめて通信だけでも出来ないとスマホも使えないこのオルターじゃ色々と大変だ。

「ま、出来ないと決まったわけじゃねえ。おーいエウラリア、香織、ちょっと来い!お前ら三人同時に科学魔法教えっから」

 ジャンタンは二人を呼んだ。


「そう言えばクロエとウェイバーは?」

 さっきから姿が見えない二人の行方をジャンタンに聞いてみた。


 ジャンタンは斜め上を見上げてこう答えた。

「なんかあのクロエって娘が腹減ったっつうから、ウェイバーさんが今食堂に案内してる」

 クロエはやっぱり食いモンに目がないなーアイツ……。


 早速寄ってきたエノキと香織にジャンタンが話しかける。


「おう、エノキは多分余裕だろうが香織と太一は『魔法構築のシンクロ』って出来るか?」


 俺は初めて聞く言葉にとりあえず聞き返した。

「は?シンクロ!?……出来るも何も、そもそも何?」

「私も初めて聞いたよージャンタン」

 香織も同じく初耳だった。


「実際やってもらった方が早えーかもな。おいエノキ。太一にシンクロ見せてやってくれ」

 エノキは余裕の表情で俺の方を見てこう言った。

「おっけー、じゃタイチ、レベル2の魔法なんでも良いから使ってみてよ」


 それを聞いた俺はとりあえずレベル2の雷魔法「弱雷じゃくらい」の呪文を唱える。

 唱えてから2~3秒ぐらいで、足元には紫の魔法陣が出現していた。

 そして両手を前にかざし、右手と左手の間に『弱雷』を放電する姿勢をとる。

 一方、エノキは何もせず俺の正面に突っ立っている。見たところ魔法陣も出していない。てっきりなんかすると思ってたが……まあいいか。


 俺は詠唱と魔法陣の生成が終わり、弱雷を放った!


 パリッパリッ!


 右手と左手の間にしっかり放電が見られた。よし!――と、そこで真ん前にいるエノキを見てみるとエノキも俺と全く同じ弱雷を放っていた。あれ!?

 その時、エノキの足元に俺と同じ紫の魔法陣が描かれていた……。

 コイツ、もしかして――。


「なあ、もしかして今俺の魔法真似したのかエノキ?」

「そのとーり!あはは。タイチの雷魔法シンクロすんのめっちゃ簡単だったんだけどー?」

「ど、どう言う意味だよ?俺は他人にシンクロされやすい体質ってことか?」

 ジャンタンが質問に答えた。

「シンクロは高レベルの魔道士が自分より低レベルの魔道士の魔法構築状態を瞬時に真似する技術だ。同期ともいうな。自分で一から魔法構築しなくていいから詠唱時間が短縮できる。まあ、魔道士として能力差があればあるほど楽にシンクロ出来るってのはー、まあ……事実だ」

「の、能力差か……」

 俺は少しへこんだ。


「ウチもっとえげつない事も出来るよ。へい香織!香織っ!」

 そう言って香織を手招きするエノキ。

「何々?」

 素直にエノキの側に行く香織。

 俺の時と同じように香織の前に立つエノキ。

「レベル3の魔法使ってみてよ香織。ただし雷と水以外ね」

「え、あ、うん分かった」

 そう言うと香織は4~5秒呪文を唱え、やはり足元には魔法陣が出できた。色は赤だった。

 エノキは何やら香織を観察することに集中している様に見えるが……。


「――盗った!」

 エノキがそう叫んだ瞬間、香織の足元から赤い魔法陣が消え去り、代わりにエノキの足元に赤い魔法陣が出来ていた。

炎柱エン

 エノキはそう言葉を発した、すると――。


 ボッ……ゴオオオオォォォ!!


 香織の後ろに高さ4メートルはある火柱が上がった!うおおー。

 香織も後ろを振り向き驚いている。

 火柱が上がった所の地面は元々草が生えていたが、完全に焼け焦げ直径2メートルほどの黒い円が出来上がっていた。

「今のがシンクロからの魔法強奪!相手は魔法を奪われて打てなくなる上こっちは詠唱時間と魔力の両方を節約して魔法が打てる。コスパ最高っしょ?」


「おい!ふざけんなチートすぎるだろお前」

 俺は思わず突っ込んだ。するとエノキは反発した。

「はぁー!?アンタの光輪の方がよっぽど反則だろタイチ!」

「いや、まあ俺も大概だけど……でも魔法使い同士だったら絶対お前に勝てなくねーかコレ?」

「シンクロされないように魔法防御しながら詠唱すれば良いじゃん?私いつもそうしてるし!」

 俺は困り顔でジャンタンの方を見た。こんな技を使う奴とどう戦うのか?という意味でだ。

 ジャンタンは苦笑いして頭を描きながら助言してきた。

「まあー、そもそもシンクロも強奪も簡単にやってるように見えるけどよ、それはエノキが特殊なだけで普通は無理だぞ。俺やウェイバーさんも何とかシンクロまでは出来たけど強奪なんて全っ然出来なかったしな」

「そ、そうなのか?」

「だから生半可な魔道士が上位の魔道士に挑むと必ずボコられる。だから弱い魔道士は魔法使いの弱点を突いた戦い方をしないと勝てねえんだ」

「弱点……というと?」

 ここでジャンタンはシャドーボクシングっぽい動きをした。いや、肘打ちの様な動きもあったのでムエタイか?とにかくウェイバー並みにクソ早い動きだった。

「フッ……そりゃもうコレよ。物理攻撃!」


 なるほど!俺はエノキと出会ったときのことを思い出していた。エノキを拘束したのは間違いなく純粋なパワーだ。それと光輪。

「そうだな。やっぱ地球人の身体能力を生かして直接攻撃するのが良いのかもな。エノキにもそれで勝ったし」

 その言葉にエノキは案の定反論してきた。

「おいこらタイチ。あれは不意打ちだったからノーカンだろ!あの光の輪っかだってあんなん出せるって知ってたら私絶対なんか対策してたし――」

 ……ほう。なんかコイツ調子乗ってんな、俺に勝てる気でいるらしい。ちょっと大人として()()()()てやるかー。


「じゃあ第二ラウンドここでやるか?勝てるんだろ俺に?」

 俺は挑発的な笑顔をエノキに向けた。

「はっ望むところだー!あとで泣くなよタイチ!!」

 エノキは絶対の自信を持っているような顔で俺の挑発にのってきた。ふふ、単純なやつめ。


 ジャンタンもなんか白い歯を見せて笑い出した。

「はっはっは。何だぁーお前らおもしれーじゃねーか!俺が審判してやるよ」

「ええー……いいのこれ?」

 香織は仲間内で戦おうとしている俺とエノキを交互に見て、どうしていいか分からないといった表情だ。ジャンタンは心配する香織をフォローした。

「心配すんな香織。ただのスパーリングみてーなもんだ。お前ら分かってると思うけどお互いあんまデカいダメージ与えんなよ!」

「もちろんだ。手加減してやるから安心しろよ?エノキ」

「くあーっ……むかつく!絶対後悔させてやるからな!」


 ――というわけでいつぞやの再戦となった俺とエノキ。ジャンタンは試合前に一つ注意した。

「試合開始前からの『ホールド』は禁止な」

「何だよそれ?」……また特殊な用語が出てきたぞ。

「詠唱と魔法陣生成が完了していつでも魔法を打てる状態の事だ。それ有りだと高レベルの魔道士が絶対有利だからな」

 まあ確かに試合開始と同時にいきなり強い雷落とされたら負け確定だもんな……てか死ぬな。


 そして、魔法を自分で使えるようになって気づいた事だが、レベルの高い魔法ほど詠唱と魔法陣生成に時間がかかる。つまり、エノキに強い魔法を使わせないために出来るだけ短時間で距離を詰めて詠唱を妨害する必要がある。

 あと魔法陣の色も重要だ。それによって相手がどの属性の魔法を打ってくるか判別ができる。


 戦闘内容をシミュレーションした俺は地面に鉄パイプを置き、使わないようにした。ウェイバーと違い一応女の子だし……鉄の棒で殴るのは抵抗がある。


 用意が整った俺とエノキを見て、ジャンタンは俺達に10メートル程距離を空けさせた。この辺が公平な距離だという判断だろう。


「始め!」


 試合が始まると俺は一直線にエノキに向かって突進して行った。というか俺はコレしかない!


 一方エノキはというと当然ながら魔法を打とうとする。地面に描かれた魔法陣の色は白!やっぱ風か!レベル1の『微風』は戦闘においてほぼ意味を成さないから打ってくるのはレベル2の『強風』!

 その強風を俺に打って足止めするのか?自分に使って高速移動で距離を取るのか?どっちだ――!?


 俺の手がエノキに向かって伸びてあと50センチぐらいまで伸びた時、はっきりと声が聞こえた。


「竜巻」


 ――レベル3じゃねーか!


 俺の体は高速で回転しながら15メートルほど舞い上げられた。

「うわあああああああ!」

 俺はぐるぐる回る視界の中、なんとか光輪を出して左手でそれに掴まり竜巻から逃れた。

 俺の捕まっている光輪は動かそうとすると以前やったようにすぐ消えてしまうので、今は空中に停止させている。


 上空からエノキの姿を見るとニヤリと笑ってオレンジの円陣を描いている。

 あいつ、0.5秒もあればレベル3相当の魔法打てるのか……!やっべー。


 俺は次にエノキが打つのは恐らく土の壁だろうと思った。


 よーし、だったらコレだ――!


 フワワワワワワワン……。


 俺は光輪にぶら下がりながら別の光輪を7個同時に眼下に出現させた。


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