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#小さなリアリティ# 人は脆いのか強いのか

 ボクの実体験ではないこと、いろいろ書きます。


 ボクの、この連載の動機は、子どもの頃に視た『徹子の部屋』かも知れないなぁ、と思ったので。



 まず、ボクが実家を出る際に、ボクは実の兄に暴力を振るいました。

 そしてボクが関西をさすらう中で、旅館の住み込みの時に、同じく“殺す意図”を持って他人に暴力を振るったことのある青年と知り合いました。

 彼の相手は、実の父でした。

 2人で思い出話を披露し合って出た結論。


『人間って、なかなか丈夫だよね』(笑)



 いや、笑い話として語るのは不謹慎ですね。

 申し訳ありません。

 が、思い詰めて思い詰めて、堪えきれずに暴力を振るった2人としては、それが実感です。



 じゃあ、『人間って頑丈なんだ?』と安心していいかと言うと……これが、そうでもないんですね。


 ボクが損害保険代理店のセールスマン時代の、実際にあった事故の話。

 商品を運ぶトラックと自転車の少年の接触事故。

 相手の少年は死亡しました。


 損傷を負わせるような、接触らしい接触でもなかったんです。

 ただ、勢いで少年は真横にパタンと倒れたんです。

 その先に縁石と言うんでしょうか?

 スゴく低いコンクリートのブロックの出っぱりがあった。

 少年は、そこに側頭部を打ちつけたんです。


 こんな話もありましたね。

 スキー保険という商品を販売する際に、保険会社の社員さんが話してくれた、スキー場で実際に起きた死亡事故の話。


 スノーボードの人が、大きく弧を描くように雪の中にパタンと後ろに倒れる。

 雪山を舞台にしたCMでは、よく視るシーンじゃないでしょうか?

 これで、実際に亡くなった人がいるらしい。

 なんか、衝撃で脳が揺さぶられて頭蓋骨内の血管がどーたらこーたらとかいう話でした。



 で、『徹子の部屋』の話。


 ゲストの安部譲二さんの回。

 元・暴力団員。

 服役の体験を基にした小説がヒットして、タレントとしても活躍した方です。


 刑務所の中の話をされてる時に、あの皺枯しわがれた声の、ヤクザさんにしては可愛い話し方で言ったんですね。


「あれ、なんとかしないといけないよね」


 “あれ”というのは、映画などに登場する『拳銃のグリップの底の部分で相手の後頭部を殴って、気絶させる』場面のこと。

 昔、特に日本の映画が『無国籍映画』と称される作品が多かった頃、とてもよく出てきた場面です。


「気絶させるだけのつもりだったのに、相手が死んじゃって、それで刑務所に入ってるヤツがたくさん居んの。

 考えたら、あたりまえなんだよね。

 鉄の塊で後頭部を殴ったら、そりゃ、死んじゃうって。

 だけど、わかんないから、とりあえず映画のマネしたんだろうね。

 「殺す気じゃなかったんだぁ」って泣いてるヤツが、いっぱい居んの。

 あれ、かわいそうだよね」



 もしかしたら、ボクの連載の執筆動機はコレかな?と思い出したんです。


 まあ、リアリティーにこだわると、なんと言うか、作品って、小さくなるって言うか窮屈になる。

 それも、正論です。


 でも、痛快さを求めて無思考に書き殴っちゃうことの重さもね、書く人は心にとどめないといけないかなぁ、と。

 ちょっとね。

 ちょっとね。

 ちょっとだけね、思ったんです。

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