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あいどるwakaba 全ての紳士たちへと贈るR15の輝き  作者: 鈴木 厳流彩


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1章四節



 社長の動きが、それまでより少しずつ慌ただしくなっていった。


 ベッドが小さく軋み、シーツの擦れる音も、いつの間にか一定ではなくなっている。若葉は社長の背へ腕を回したまま、耳のすぐ近くで繰り返される息遣いを聞きながら、自分の声をどの程度そこへ混ぜればいいのか、考えるともなく測っていた。


「っ……あ……んっ……。」


 唇から零れた息へ、ほんの少しだけ高い音を重ねる。


 これは仕事なのだと、頭のどこかではまだわかっている。


 どれくらい声を聞かせれば喜ぶのか。どんな表情を見せれば、自分との時間を特別だと思ってもらえるのか。以前なら一つずつ考えていたことも、今ではある程度、身体のほうが先に覚えてしまっていた。


 ライブで笑う場所を覚えるのと、少し似ている。


 カメラへ目線を送るタイミングを覚えるのとも、たぶん。


 そう考えて、この時間まで仕事の延長へ押し込もうとした、そのときだった。


 不意に、これまで意識したことのない場所へ感覚が触れた。


 ほんの一瞬のことだったのに、若葉の身体は考えるより先に強張った。

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