↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あいどるwakaba 全ての紳士たちへと贈るR15の輝き  作者: 鈴木 厳流彩


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/13

1章三節わ


 タクシーを降りた若葉は、ホテルの入り口で一度だけ深く息を吸った。


 夜気で冷えた空気を肺に入れ、ガラス扉の向こうにある暖かな照明を見つめる。ほんの数秒立ち止まったところで何かが変わるわけでもなく、自動ドアが開くと若葉はそのまま吸い込まれるように中へと入った。


 空調の効いた空気が首筋を撫でる。


 ロビーを横切る若葉に対して、フロントの女性が軽く会釈した。フードを被ったままの若葉は、頭を下げることもなく、足早にエレベーターへと向かう。


 送られてきた部屋番号は、最上階に近いフロアだった。


 扉が閉まり箱が静かに上昇していく間に、若葉はバッグからリップを取り出した。鏡は見ない。乾いた唇へ薄く色を重ね、軽く上下を合わせる。


 化粧直しというより、もう一度「若葉」に戻るための作業だった。


 到着を知らせる音が鳴る。


 部屋の前まで歩くと、若葉はスカートの裾を整え、ストッキングへ指を滑らせて皺が残っていないことを確認した。


 今夜二度目の身支度。


 そんな言葉が浮かび、ほんの少し笑いそうになる。


 もちろん、笑えることではなかった。


 ノックをすると、ほとんど間を置かずして、聞き慣れたその声が返ってくる。


「開いてるよ。」


 若葉はドアを開けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。