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友達①
翌週の中国語の授業の後、片岡は、約束通り僕たちのグループに入ってきた。
「片岡でーす」
おどけながら近づいてくると、
「いや、知ってるよ。おまえ目立つんだよ」と、仲間の一人から声が上がり、軽い笑いに包まれた。僕は、早速あれやこれやと、この勉強会で集積してきた有益な情報を片岡に教えてやった。
「ありがてえー」
片岡は、立ち上がって叫んだ。僕は、意気揚々と、その日の授業の解説を試みた。教科書と辞書と先週購入した自習教材とを机に広げ、ああでもないこうでもないと他の仲間と議論を交えた。片岡はその間、ふんふんと聞いているばかりで、自分では教科書や辞書を開こうともしなかった。もっとも僕にとって片岡は優秀な聴衆であり、そんなことは気に留めなかった。
仲間の一人が「メシ食いにいこう」と提案した。勉強会の後は、そのままみんなで学食にランチを食べに行くのが恒例となりつつあった。「片岡も行こうぜ」と、僕は声をかけた。片岡は嬉しそうにうなずき、ついてきた。ランチを食べながら、片岡は誰よりもよく喋った。
それから片岡は、毎週勉強会に顔を出すようになった。勉強会ではもっぱら仲間の解説を大人しく聞くばかりだったが、その後のランチタイムでは誰よりもよく喋った。




