それと並べちゃいけない
デゥデュューンデゥーン。
「【ブリリアントファルス】の主人公ルークは、ユーリィルートでバッドエンドを迎えました」
とアナウンスがされたので、オレは落胆した。
アカデミーの入り口の門にオレはルークを迎えに行く。
「今度はなんだ?」
と言えば、
「また間違った」
と言うのだ。
「なんて?」
「イケメン」
とルークに真正面から呼ばれて、
「……褒めるなよ?」
さすがのオレも少しだけ照れてしまう。
「じゃない。イケメンって呼び間違った」
「どこがだ!ユーリィは美少女だ!間違えるな」
とオレが言えば、ルークはじっとこちらを見つめてきた。
「なぜか、分からないけど。しようとするとラウリィの顔がよぎる。それが困るんだ」
イケメンと言うのはオレの名としての言葉だったようだ。とすれば、おかしなことになる。
「いや、まてまて。しようとするってのは、つまりアレがそれの状態でだろ」
「そう、ラウリィのことが浮かぶんだ。完全に高ぶっていて、要するに完全に勃」
ルークはいともたやすくその単語を言うけれど、オレにとっては触れてはいけない分野なのだ。
「やめろー!それをオレの耳に入れるな!」
オレは耳を塞ぐ。
全年齢の誇りを護らせてほしい。
「百戦錬磨のラウリィが、なぜこんな言葉くらいでうろたえるんだ?」
「経験の問題じゃないんだよ。これは世界観の問題なんだ。お前の世界は、オレの世界とは交じり得ない」
「いや、お前も前に言ってたと思うけど。中々に卑猥な単語を」
「それは、お前の分野だからであって。オレの世界観には使えないの。全年齢のオレの名前と高ぶりとか勃……とかを並べちゃいけない」
そう告げたら、ルークはしょぼんとして悲しそうな顔になるのだ。
「お前、少し疲れてるんじゃないか?」
オレの顔が浮かぶなんて、正気の沙汰じゃない。
「多分、お前は経験がないから、手近なオレが浮かぶんじゃないか?」
「どうすればいい?」
「そのまま突っ走れ。顔が浮かぼうが関係ない。名前だけは間違えなければ、どうにかなるはずだ!」
とオレはやや強引に後押しする。そして、数十分後にバッドエンドのアナウンスが流れ、ルークが帰って来るのだ。




