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48番のシヤ。~俺、器用貧乏なんですよ。外伝~  作者: さんまぐ
少年少女の言葉、願いと仕返し。(全10話)
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第39話 マスターを名乗る者として。

ここで完全に蚊帳の外のアプラクサスは「ミチト君?」と質問をする。

ミチトは「アプラクサスさん、貴い人として頼みを聞いてくれますか?」と聞くとアプラクサスは貴い者の顔で「勿論です」と言った。


「ありがとうございます。準備するのでここで待っててください」

シヤにはこのミチトの顔が頼もしくて堪らなかった。



何かを始めようとしたミチトが「シヤ、皆。少し待っててね」と言ったところでシーシーが「マスター!」と声をかけるとミチトはシーシーを見て「シーシー?何?」と聞く。


「私の名前…」

「シヤに見せてもらったからね。何?」


シーシーは困り顔のまま俯いて「私の記憶…辛く恥ずかしい地獄だけどマスター見てくれたら助けてくれる?一緒に仕返ししてくれる?」と聞く。

ミチトは心配そうに「いいの?」と聞くとシーシーは「うん。シヤが見ただけの記憶だときっと足りないから…まだ甘いから。シーナの事も知って欲しいの」と言った。


「おいで」と言ってシーシーを抱き寄せたミチトは一瞬で激怒をする。


「エグゼ・バグ!生かしてやったのが勿体無いくらいの愚行だ!」

この顔はトウテでトロイ達に怒った顔以上に怒っていた。

シーシーは申し訳ない気持ちになって「マスター…」と声をかけるがミチトは最後まで言わさない。


「言う必要なんてない。辛ければその記憶も消す。でも今はその前に奴らを地獄に突き落として殺そう。任せるんだ。後はイニットとか言う魔術師も殺そう」


怒るミチトを見てフラやライなんかは頼もしい気持ちになるが1人困惑するのはアプラクサスだ。


「ミチト君…一応何があったかだけは…」

「後で説明しますけどエグゼは少女趣味の変態で実験と称して延々と少女達に性奉仕させていたし、術人間にすれば治るからってロエスロエで壊した少女を術人間に変えたりもした。

そして将来的にはロエスロエで壊した少女を術人間にして性技術を仕込んでバグ領の主産業にするって言っていたんですよ」

それはシーシーが性奉仕をさせられている間の悪魔の話し合い。

ミチトがそこまで見てくれたことにシーシーは嬉しくなった。

そしてそれに怒ってくれている事が嬉しくてたまらなかった。


非人道的な言葉に「…な…なんという事を…」と言うアプラクサス。


「アプラクサスさん?俺、詳しくないけど娼館の借金、母親の借金を娘に押し付けて働かせるなんて認めてるんですか?」

「…公には非公認です。ただグレーゾーン。知識のない娘達は親の借金を被せられています」


「シーナはそれの被害者です。望まぬ仕事に望まぬ堕胎。そしてロエスロエで壊されて術人間…。それは治癒院で働きたい筈だとシヤが言う訳ですよ」

「…恥ずかしい事です」


「今日だけは超法規的に認めてもらいますよ」

「わかりました」


ミチトが「お手数かけますが俺たちを助けてください」と言うとシヤ達が「アプラクサスさん!」「お願いします!」「俺たちもお願いします!」と皆が口々にアプラクサスにお願いをする。


アプラクサスは「…まったく」と言ってミチトを見ると「小さな子達の目には勝てません」と言ってシヤ達を見て「このアプラクサス・アンチに任せなさい」と言った。



「シーシー、手伝って」

「マスター?私?」


「うん。シーシーが良いんだよ。良いよね?」

「はい」


そう言ったミチトはシーシーを連れて消える。

着いた先はトウテでシーシーは「トウテ?」と驚く。


「うん。先にシヤの記憶も見せてもらったよ。ディーサンの事は後で良いようにするから安心してね。その事ならもう考えてあるんだよ」

「本当?」


「ああ、今はシーシーを助けたいんだ」

「私?」


「エグゼの所で飲まされた薬、あれは赤ちゃんを授かれなくする薬。確かにエグゼの子供は要らないけど君は大人になって恋をして子供を産むよね?その時の邪魔になるからお腹に溜まった毒を取り出すよ」

そう言われて実験と言われて最後に飲まされていた薬の事を思い出していた。

そして同時に性奉仕の日々を思い返してシーシーは「毒…、私は赤ちゃんいらないよ」と言う。


ミチトは首を横に振って「欲しくなった時に後悔して欲しくないんだよ。だからね、マスターからのお願いだよ」と言うとミチトはシーシーの毒を抜いて捨ててしまう。


「さあ行こう」と言ったミチトがトウテに入ると皆付き合いが長いだけに空気感だけでキレている事を理解して「どうする?」と声をかける。


「皆さんには後でお願いします」と言ったミチトが孤児院の前でヤオとヒノに何も言わずに教えたい情報を術で伝える。

シーシーたちの身に起きていた事を知って一瞬でキレた2人は泣きながらシーシーに抱きついて「天使様ぁぁ、神様が助けてくれますからね」「後でもう一度トウテに来るって言われたから待ってるわ」と言う。

シーシーは何のことか分からずに首を傾げながら「うん」と言った。


その横で「広域伝心術!」と突然そう言ったミチトは「聞け!術人間達!マスターとして命じる!孤児院に集まれ!メロ!迎えに行くから待ってて!」と言う。

すぐに術人間の子供達が集まると「イブ!ライブも出番だ!暴れるよ!アクィ!貴い者として頼みがある!」と追加で声をかける。

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