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48番のシヤ。~俺、器用貧乏なんですよ。外伝~  作者: さんまぐ
少年少女の言葉、願いと仕返し。(全10話)
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第38話 伝えられた言葉達。

外に出たがトウテに居るミチトとどうやって会うかと言う話になるとフラとライが「マスターをどうやって呼ぶ?」「シックさんのところに行くか?」と2人で決める。


フラとライはシヤ達を連れてリミール邸に行くが執事からシックは城にいると言われる。

執事達もフラ達の事は知っているので「お呼びしましょうか?」と言うが「後でもう一回来た時はお願いします」と言ってフラとライは顔を見合わせて「アプラクサスだな」「行ってみよう」と言う。

シックはさん付けでアプラクサスは呼び捨てなのが気になったシヤは理由を聞いてみると「シックさんはご飯を食べさせてくれたから」「だからシックさん」「アプラクサスにはご飯貰ってない」「後は治癒院に薬が足りないのはアプラクサスが邪魔してるからって看護師が教えてくれた」と言う。


ここでグローキがヤレヤレと言う気持ちで「いやいや、シヤ君達が行く騎士団や俺の鎧とか今回のシヤ君達の移送のお金はアプラクサス様が用意してくれたんだよ?だから薬代にはならなかったけどこの剣や鎧にはなってるんだ」と言って剣を見せてから「だからアプラクサス様の事を呼び捨ててはダメだよ」と教える。


「難しいな」

「どっちもやって欲しい」

そう言いながらアンチ邸に着いてアプラクサスを呼ぶと運良くアプラクサスは家にいた。


「おや、シヤ君。どうしました?」

「アプラクサスさん!マスターに今すぐ会いたいんだ!俺、思い出したんです!でも忘れる前にマスターに伝えたい事が沢山あって!」


ここでグローキが王都の手前でトロイに捕まった事を思い出して他の事も思い出したと言う。


アプラクサスは優しい笑顔で「なるほど。そして運がいいですよシヤ君」と言った。


「アプラクサスさん?」

「ミチト君は今日王都に来ます。私も見学させて欲しいと頼んでいたので私と居ると会えますよ」


「本当ですか!」

「ええ、では皆さんで行きましょう」

アプラクサスは馬車を用意すると王都の西側に移動をする。

「少しの距離でも馬車を使わないといけないのが貴族の煩わしい所です」と照れるアプラクサス。


「あのトウテを見てしまうと王都の息苦しい事…」

そうぼやくアプラクサスの顔を見てグローキは驚いていた。


馬車は旧カスケード・キャスパーが王都に構えていた邸宅に着く。


「君達には嫌な名前ですがここはキャスパー派のボス、カスケード・キャスパーの邸宅でした。大きな声では言えませんがカスケードはミチト君の手で行方不明。

この邸宅をロキ・ディヴァントが買い上げて建て直すのですよ。

その為に古い家屋が邪魔なのでミチト君が破壊しに来てくれます。約束の時間よりは少し早いですが待っていればミチト君は来ますよ」



アプラクサスが言い終わって5分もしないうちに「アプラクサスさん!」と言ってミチトが目の前に現れるとアプラクサスは笑顔で「ミチト君、お早いお着きですね」と言う。


「朝アクィがアプラクサスさんを待たせちゃ悪いからこまめに見なさいよと言っていたんですよ。それでリナさんが、もしかしたらアプラクサスさんはもうキャスパー邸に居るかもって言うから何回か見ていたんです。それで今見たら本当にキャスパー邸跡地に居るし横にはフラとライにシヤ達も居るし、異常事態だと思って慌てて飛んできましたよ」

「それはありがたい。今は私よりシヤ君と話してください。どうしてもミチト君に会いたいと言っていたんですよ」


アプラクサスの言葉にミチトが「え?シヤ?どうしたの?」と聞くとシヤは「マスター!!」と言ってミチトに抱きつくと泣きながら話す。


「俺、思い出したんだ!殺されたシローの事も!ヨンゴ達と約束した事も!シーナの子供の事も!ファーストロットとお爺さんの事も!シーシー達の名前も思い出した!でも忘れる前にマスターに伝えたくて!フラとライに頼んだらアプラクサスさんに会わせてもらってマスターに会えたよ!」

必死のシヤの言葉。

ミチトが支配権の強奪を行ったシヤの記憶は戻る事があっても消える事は無い。

それを知らないシヤは必死になって忘れる前にミチトに想いを伝える。


「…良かったよ。どこまで思い出したの?術人間にされる前は?」

「それは思い出してない。途中で家族には会ったけど実感はない」

驚きの表情で「家族?会えたの?」と聞くミチトに「はい」っと答えるシヤ。


「でも今はそれよりヨンゴ達の話を聞いて!…マスターなら俺の頭の中みれるかな?ヨンゴ達の声をそのまま聞いてくれないかな?」


ミチトは「…いいよ。動かないで」と言って抱き着いたシヤの頭に手を置く。数秒後に「シヤ、頑張ったね。全部聞いてきたよ」と言ってミチトはシヤを強く抱きしめると「よく来てくれた。お礼も復讐も全部しよう」と言った。


「ヨンゴ、とても溌剌とした男の子だね。シヤの言った通り自分の手で代理マスターを殺せるなんて1番だ。

シロー、あんな優しい子を突撃させて超熱術で殺した連中を許せないよね。

シーナ…ジーナの事も見たよ。許せないよね。あんな悲しい思いはさせちゃダメだ。ハーモのお墓も作ろう。どこにしようか?シヤの帰る場所はトウテだからトウテにお墓を作ろう。ヨンゴにシロー、シーナのお墓もだ」


伝えたい事が全てミチトに伝わっていた事にシヤは嬉しくなって「マスター!!」と言いながら顔を見る。

ミチトは「うん」と頷いてから「フラとライも連れて行ってお礼を言わなきゃね。俺は君達のマスターだからキチンとお礼を言うよ」と言った。

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