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第23話 神のなせる業。

ミチトが攻勢に出て少しすると術人間の子達を連れて帰ってくる。

それをヒノやヤオ、先にミチトの術人間になった子達があれこれ話しかけたりしている。


もうすぐシヤ達がやってくる。

シーシーはそれを手を合わせて待ち望んでいた。


もし自分の事を覚えてくれていたら助かった事に2人で感謝をしよう。

2人でミチトにアレコレ話そうと思っていたところにミチトがシヤ達を連れて戻ってきたが様子がおかしい。



「毒で中毒状態です!術人間達!ヒールを使い続けろ!セルース!水を飲ませて吐かせるんだ!」

ミチトの言葉にシーシーはシヤ達が毒を飲まされた事を理解した。

これがエグゼとトロイの処理だった事に気づいたシーシーは我先に前に出てシヤにヒールを使う。


ミチトの処置でも良くならないシヤ達は毒呪術を使われたという事だった。

そこに昼間見た金色の竜に乗った人達がミチトの指示でシヤ達の体をさする。


そして緑色の髪色をしたライブが「チビども!本気だしな!行くよ!」と声をかけてくれて他の術人間達もヒールを使う。


今はセルースと呼ばれた男と薬師の女性がシヤの隣にいた子の毒入りのパンを吐き出させてくれている。


シヤの番になった時、セルースが「おう、ちびっ子。良くやった、おめえらじゃミチトみてえに長時間は無理だろ?次の奴と代われ、向こうで休んでまた大丈夫になったらやりに来てやれ」と言い、別の術人間の子が「交代、休んで」と言ってくれた。


シーシーは少し離れたところで見ているとヒールを終えて交代で離れて来た女の子がシーシーとシヤ達を見て「同じ服…仲間?」と聞いて来た。


シーシーは困った顔で「うん、でも名前も知らないの」と言う。



「私も、さっきマスターに助けてもらって皆ではじめましてをして照れ臭くて笑ったんだ。ヤオさんから名前貰った?」

「まだ」


「私はシャイニングって名前にして貰ったよ。私の笑顔が眩しい笑顔なんだって」

「いい名前だね」


「うん。ありがとう。心配いらないよ。私達のマスターなら皆助けてくれるよ」

「そうだよね」


そこで横にいた男の子が「マスターを応援しようよ」と言う。

確かにそうだと思ったシーシーとシャイニングと男の子は「マスター!頑張って!皆を助けて!」と声を張る。

それを聞いた他の子供達も口々にミチトやイブ達を応援する。


この時のミチトは3人目まで助けていた。

助かった子達は体温が低いからと火のそばに連れて行かれている。


次はシヤの番。

シーシーは名前と顔を知るシヤをつい応援してしまう。


「3人目!セルースさん!次!4人目はまだですか!?」

ミチトが先程のセルースに声を張るとセルースも熱くなっていて「バカヤロウ!うまく吐かせないといけないだろ?案外ゲロってのは難しいんだよ!俺と薬師の姉ちゃん以外にやらせたらガキどもが余計に苦しむ。待てねえならお前が殴って吐かすとか水の術で胃の中洗うとかやれねぇのかよバカヤロウが!」と怒鳴るとハッとした顔のミチトが「…あ、それいいですね!」と言って「手の空いてる人は子供達の身体を押さえつけて口を開いて!」と声をあげた。


「マスター…何するんだろう?」

「胃の中洗うって…」

「やれるんだ!凄いやマスター!」

聞いているシーシー達は神がこの世にやってきて奇跡を起こすように力を見せるミチトに心を奪われていく。


ミチトは一瞬集中すると「水流操作!湖の水を呼び込んで子供達の胃に入れる!」と声を張った。

それに合わせて湖の水が宙を駆けてシヤ達に入っていく。


「そのまま胃の中で水を回す。水流を維持したままで…セルース!1人目立たせて!」

「殴るのか!?殺すなよ!?」


セルースがシヤを背後から抱き起こすとミチトが前に立って「平気ですよ、だって俺は器用貧乏ですからね!…ヒールインパクト!」と言いながらシヤを殴る。


シヤの身体がくの字になって支えているセルースが吹き飛ぶと赤い髪のアクィが代わりにシヤを抱き抱えた。

シヤはすぐにゲェゲェと胃の中身を吐き出すとミチトは「アクィ!その子を火のところに!患部の破壊は後でやります!次行きます!早く立ってセルース!」と言った。



シーシーはその場にいてもたっても居られずに火のそばに連れて行かれたシヤの手を握ってヒールを使う。


「君はその子のお友達かな?同じ服だからその子の事を知っているのかい?」

優しい面持ちの老人がそう話しかけてくる。


シーシーは何も言わずに困った顔をすると「うん。訳ありなら言わなくてもいいよ。でも僕は少し離れるから名前とか知っていたら呼びかけてあげてご覧?誰かではなく彼を知っている人が名前を呼ぶ声は沢山の力になるんだよ」と言って老人は次の子の世話をする。


シーシーは小さく「シヤ、死んじゃダメ。ヨンゴとシーナの分まで生きて」と声をかけると手を握り返してくる。


シーシーはそれだけで泣いてしまう。

そこに最初に薬師の薬とミチトの施術で助かった51番がきてシヤの逆の手を待つ。


「51番…」

「ずっと怖い中この人は私を励ましてくれたの」


「そう、一緒にヒールを使おう?」

「うん」


少ししてシヤから始めて15人目まで吐かせたミチトが「皆さん!ありがとうございます!患部を潰します!スレイブ達!可能な限りヒールを送り続けて!」と言ってきた。

マスターの命令だけど何か今までと違う。

自分の意思でヒールを使おうという気になる。

順番でシヤからなのでミチトはシヤのところに来る。

シヤと自分とミチトの組み合わせにシーシーはそれだけで泣いてしまう。


「大丈夫、俺は助けるから。泣くことはないよ」

そう言ったミチトは前に出るとシヤを見て…「その後で支配権の強奪…2周するの面倒だよな…」と言う。

聞いているシーシーは何をするのだろうと思ったらシーシー達とは違ってずっとヒールを使い続けているミチトの術人間のイブが「マスター…今度は何をやる気ですか?」と聞く。


ミチトは「え?患部を潰しながら支配権の強奪」と言うとイブは「無理しないでくださいね」と言った。

シーシーは自身がミチトの為にやれる日が来るのか考えて見守ってしまう。


「右手は針からヒールを送り込んで患部の破壊!左手は支配権の強奪!」

そう言ってミチトが2種類の術を同時に使った。

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