死闘!! 虎神VS終わった少年
俺の周りは既に黒一色の謎空間。目の前には淡く輝く艶やかな和装の異形。
ノイズを散らす、美しき獣人。
虎神──といった見た目だ。白銀の長い髪が闇になびいている。
肌に走る謎の紋様。激しい猫耳。ライフが好きそうなキャラだ。牙がヤバイ。露出がヤバイ。
祀り上げられたモノの成れの果て──そんな感じか。
……どうでもいい。
目の前ですらりと立つ虎神は、変わらない妖しい瞳で俺を見ている。……食われそうだなオイ。
俺は彼女の読心、同化をほとんど否定しなかった。……ほとんど、な。
別におもしろいモノなんざナンもないよ。さっきだってウソなんかついてない。
なんならパンツでも見せましょうか?
俺がメンドくさそうにカチャリとズボンのベルトに手をかけると、虎神の青白い炎を纏う長い尻尾がムチの様に唸り、俺のほっぺをペシペシと往復ビンタしてきた。
かえす尻尾でベルトにかけた手をペシペシとやってくるから、まあ、「ふざけんな」といったところでしょう。器用に動く尻尾をお持ちで。さたにゃんといい勝負だな。
……まだ見てるし。金取るぞ。周り黒いし。
俺はなんかヒマになってきた。
よって、腰をクネクネさせる事にした。
たまにヤっちゃうんだ。──プロローグを思い出してみてくれ。いや思い出したくもねーだろ。
俺は腰に手を当ててフウと一息はくと、にゃんにゃんにゃんにゃん! と心の中でテンションを上げて腰を左右に振り出した。
──いい感じだ。俺を構成する最終粒子もシックリきてやがる。
いい感じだ。と思った辺りから虎神がくちびるを噛んで少しうつむき始めた。
……読まれちゃったのか。ツボったのか。
俺は無表情でジーッと虎神を見つめてやった。
顔を背けていた彼女がチラッとこちらを見てくるが、俺の気持ち悪い真顔にまた、くちびるを噛んでうつむいちゃう。
──ふん。この程度か虎クィーン。
……興醒めだよ。少し、過大評価だったみたいだね。
超越者たる私の動き、君には見切れまい。
俺は左手をそのまま腰に、右手をスッと口元に添え、ピタリと動かない。ヤツを捉える気持ち悪い視線は固定だ。
俺は待った。またヤツが気になってコチラをチラ見してくる、その時を。その時こそ勝負が決まるだろう。
────そして、虎神のチラ見がきた。
デッド・エンド。
──わんわんわんわん! と近年まれに見るハイテンション。
表情も手も固定で、腰を左右に、さっきより激しく振ってやった。
「ぷみゃっはっはっは!!」
虎神が笑いながら手をぱしぱし叩いてしゃがみこんだ。




