バースト・ゴー
「カタリ。仮に今日、何かあった際は私と一緒に行動してもらう。以前の学校でのやり方もあるのだろうが、まずは私の後ろでこの空院女学院のスタイルを知って、徐々に慣れていって欲しい。覚えておいてくれ」
サリオが真面目な顔つきで俺を見る。その声も真剣みのあるモノだった。
当然か。遊びじゃないんだからな。俺も真面目な顔で返して小さく頷く。
だからワルディー。変な顔して俺を笑わそうとするのやめなさい。今はダメ。
──あらやだ。あんなひよこみたいなピヨピヨ口して。はしたない! その手首でパタパタするのもやめなさい。
ナツミがヒヨコワルディーにエサをあげるみたいに甘納豆を口へと運んであげながら、思い出した様に俺に言った。
「あ、今日みたいに霧砂が不在の際は、生徒会長か沙理緒が後方司令代理になるから」
──マジか会長。あなたの指揮下とか、最高に不安です。
そういやあの人コロッケだめだったな。五人の親衛隊は全員勝ってたのがウケた。
あ、向こうにいた。
会長すごいグッタリしてる。弱ってる。眼鏡曇ってる。
それに引き換え同席の親衛隊達はすごい満足気だ!
ツヤツヤしてる!
まるで会長に見せびらかす様にコロッケを口にしている!
会長に、はい、アーンってしといて、結局自分の口に運ぶ感じでもてあそぶツワモノまで!
エグイぜ親衛隊。日頃の会長の無茶ブリに対するお返しとばかりに輝いてやがる。
ていうか何の親衛隊なんだろ。会長の? まったく興味無いが。
「それぞれの役割もあるから不規則になる場合もあるが、基本的に三日交代くらいで代理を務める。だから四日目以降六日目までにゼロミ先輩不在の際は、会長がカタリの面倒をみる事になるから。──恐ろしい方だぞ。ちょっと覚悟しておけよ」
サリオが片眉を上げてニヤリ。
なによ。何が言いたいのこの子は。
──ま、まさか、何かエッチな事されるんじゃないでしょうね?
いや。いやよそんなの。
「くっ! カタリん! 脱げ!」的な事、そんなの、いけませぬ。ってアホか。どんな展開だよ。
つーか相当変人だけど、朝の集会の時に会長が見せた人情味も、俺はちゃんと覚えている。
ただの変人ってだけではない。会長に就いた理由もそれなりに有るんだろう。相当変人だけど。
特に心配もせず、俺はぽけーっとまた会長達のほうに顔を向ける。
あれ? なんか会長、涙目になって、申し訳なさそうな感じでモグモグしてる。味わってる。
あ、親衛隊の乙女達がそれぞれコロッケを三分の一くらいに割って、会長にアーンってやってる。
見事だ親衛隊。
五人がコロッケ一個の三分の一を変人に分け与える事で、ほぼ平等な展開になってやがる。
──そう。五人の力が一つになる時、その時こそ、変な女帝の闇に堕ちた心へ光明の歌が響き渡るのだ。
次回、『世界賊』──
『最終決戦!! 響け!! 私達のクリームバースト!!』
俺達の戦いはこれからだ! バぁあストお! GO!!




