花咲く君と僕 6
5月になった。
火曜、水曜、金曜日に練習をしている。
結果的に言うと、僕と哲也はアルティメットサークルに入った。
僕達以外に同期は14人。
仲は良い。
髪の毛の色で最初は完全に引かれていたけど、
哲也の明るさもあって、僕も馴染むことができた。
そして今、哲也は同じ学科の子を絶賛勧誘中である。
なんでも、授業の体育でアルティメットをやった際に抜群に上手な人がいた。
金髪の丸井烈くん。
自分を棚に上げると、断トツで目立つ髪色だったから名前は憶えていた。
どうやら高校でアルティメットをやっていたらしいが、大学ではやるつもりはなく
哲也がずっと勧誘している。
「ね~1回でいいから練習来て!」
「嫌だって」
「暇でしょ?」
「無理」
さっきから似たような会話を繰り返している。
でもアルティメットのよくわからないところ、聞くのにはちょうどいい。
先輩に聞くのなんか気が引けるし。
「じゃあ、やらなくていいから投げ方とか教えてくれない?」
「…まぁ、それぐらいなら。」
やったー。
グラウンドは空いていなかったから、お昼ご飯も兼ねて
ルールなどを教えてもらうことにした。
「ルールを説明したらいい?どこまで聞いてる?」
「7vs7ってことぐらい」
「そうか…全然知らないじゃん…」
「ごめん…」
そう、僕も今気づいた。
意外と説明されてない。
ずっと基礎っぽいことしてただけ。
「アルティメットは7vs7だけど。5vs5の大会もあるし、4でも3でもできるよ。男女混合もあるし。」
「男子、女子、男女混合?」
「いや、確か厳密には 性別不問・女子のみ・男女混合かな」
「「性別不問!?」」
女の人も出れるけど、男の人の方が体格的にも有利だから男の人ばかりなのか…
「珍しいよね」
そう言いながら烈くんはご飯を食べる。
哲也もご飯を食べながら
「先輩たち見てて思ったんだけど、1列に並んだりしてるのってそういうフォーメーション?何がいいのあれって。」
と聞く。
「スタック? そういうフォーメーション。1番無難なフォーメーションって感じ。ポジションもあるよ。」
そう言いながら烈くんはスマホを取り出し、アルティメットの動画を見せてくれた。
「この、1番最初にディスクを持っている人がQB。ディスクを味方に投げる人。
で、この前2人がハンド。真ん中2人がミドル。後ろ2人がディープ。
ハンドはディスク回しが上手い人。最初のQBの人も試合が進んでいけばハンドと同じ動きになになると思う。ミドルの人は、ハンドもディープもやるって感じ。スタックも作らないといけないから重要だよ。チームに寄るけど。ディープは主に走ったりする人…ロング狙ったり、ハンドの人にディスクをもらいに行ったり…そんな感じ。」
「意外とはっきり分かれてるんだね。サッカーみたいに曖昧だと思ってた。なんかぐ外から見るとgu
ちゃぐちゃしてるし。」
「サッカーは曖昧なの?」
「俺はそんな感じでやってた…」
それ絶対哲也の感覚じゃん…
「ま、ぐちゃぐちゃして見えるのは割とある。14人いるしね。」
「あ、そっか」
「楽しいよ。アルティメット。たくさんの駆け引きがあるし、出会いもあるし。」
笑いながら烈くんは言った。
じゃあどうして、やらないんだろう…
哲也も同じこと思ったのか、
「じゃあなんでやめちゃったの?」
と質問した。
烈くんは困ったような顔をしながら、
「アルティメットは審判がいないんだけど、だからこそ自分たちがルールを覚えて判断とかしないといけないんだけど…何かあった時に敵味方関係なく公平な判断をしないといけないんだけど…」
そこまで話すと、烈くんは急に黙り込んでしまい、
しばらく考え込み、ただ一言だけ
「嫌なことばっかだよ」
そう答えた。
昼の間に2人は、アルティメットの基本的なルール・ポジション・OF、DFなどを教えてもらっています。全部書くと説明セリフが過ぎるので割愛で。




