2
似ている非常によく似ている。
他にも天の風を検索していくと沢山出てくる黒い噂。すぐに車を走らせ電気屋により小型のICレコーダーを買い実家へと向かった。
久しぶりに帰ったその家は、青い外壁に塗り替えられており、この周辺の住宅街の中で明らかに浮いていた。
ガチャリとドアノブに手を掛け中に入る。
私がいた頃とは全く違う部屋の印象に衝撃を受けた。
私が家を出てから一度だけ実家に帰った時には、私の部屋以外はそこまで変わった印象がなかったのだが、リビングは机と椅子だけでガランとしており、台所には宅配してくれる飲料水のサーバーと紙コップが大量に用意してあった。
「あら、どうしたの珍しいじゃない」母はそう言って目を大きくさせて驚いていた。
すぐにポケットに入れたICレコーダーのスイッチをONにした。
「その大量の紙コップと水どうしたの?」
「その人が肌にいいし、自分がお金出すからっていうので頼んでいるのよ、飲んでみる?」
そういって、母は紙コップを手に取って水を入れようとした。
「いや、いらない。でも紙コップありすぎじゃない。みんなで使うにしても段ボール5箱分もいらないでしょう」
「それがね、結構すぐになくなるのよ。減りが早いから箱買いしているのよ」
「でも尋常じゃない数だよ、誰かお客さんでもくるわけ」
「そうね、くるわよ。お客様がいらした時にコップよりも紙コップの方が楽だしお客様もうれしかったりするのよね」…お客様、やはり怪しい。
「久しぶり」と言う声に振り向くと、その人が作り笑顔で経っていた。
「…まだ家にいたんですね」その人の目を睨みながら私は言った。
本当はずっとこの家に帰りたかった、でも、もうこの家は私の知っている家ではなくなってしまった。
「そんな言い方をしては駄目よ」と母が慌てて中に入る。
「いえいいんですよ。この家が居心地良くてね」そう言ってその人は大きな声で笑った。
「今日、帰ったのはカニ鍋セットを北海道から送ってもらったから、一人で食べるともったいないと思ってみんなで食べようと思ったの」そう言って母に事前に取り寄せておいたカニ鍋セットを手渡した。
「まぁ~そうなの、ありがたいわねぇ」そう言って母は嬉しそうにカニ鍋セットを持って小躍りする。




