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その夜、皆が集まったところで乾杯をして家族全員プラスその人とカニ鍋をつついた。
その日は泊まることにした。
自分の部屋がない私は、リビングで寝るつもりだったが、「お母さん達の部屋で寝ましょうと言って、寝室に私が寝る布団を敷いてくれた。
久しぶりの実家のこの雰囲気が嬉しくて涙が溢れ出て来そうになるのを必死に堪えた。
皆が寝静まった後に、母が管理している別荘の権利証を取り出し鞄の中に入れる。
翌朝、朝食を食べ「ご馳走様おいしかったよ、会社にいってくるね」と母に言い実家を後にした。
会社を休む連絡をいれてから、すぐに法務局に向かい別荘の権利は誰になっているのかを確認した。
「杉田 薫」
そこに記されてあるのは、その人の名前であった。
やっぱり…それまで半信半疑だった物がこれで確信へと変わったのだった。
この事を父や母は知っているのだろうか…。
得体の知れないものが実家を食い潰している…すぐに母に電話でカニにあたったのか体調が悪いから一人暮らしをしているアパートまで来て欲しいと頼んだ。
母が沢山の果物を抱えて家に来たので「早く入って」と言って玄関のドアをバタンと締めた。
「あなた、具合が悪かったんじゃなかったの?」母はあらまぁと言う様な顔をして聞いてくる。
「そうじゃないの、どうしても確認しないといけないことがあったからそう言ったの、で、見て欲しいの、これ」私は机の上にその書類を手渡した。
「ここの名義が、その人の名前になっているけどこ、これはどういうこと?」
母は目を細めながらその書類を手に取り確認した。




