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一家  作者: 大和香織子
第一章 被害
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母親


大変お金持ちですよ。


着ている服とかすごく良い物ですしね。私の作る料理を毎回とても美味しそうに食べてくれます。


 初めて家に来た時は、今でもすごく覚えていますよ。


 あの日の事は絶対に忘れる事は出来ません、私の愛してやまないタレントのサインを持ってきてくれたんですよ。


 あの時はすごく感激しました。


 今でも大切に飾ってあります。


 主人がその日は泊まって行くように言ったんですよ、それで私も気分が舞い上がっていたので「どうぞどうぞ」って泊まっていってもらう事にしたんです。


それからずっと一緒に住んでいますよ。


 他人なんですけど、不思議な事に全然気を遣わなくて済むし、話をしていると凄く楽しい気分になるんですよね。


その人が家に来てから、娘は家を出たので、空いた部屋をその人の部屋にしました。娘が家を出たことは寂しいけど、結婚するわけでもないですしね。


 ただ、娘が家を出てから、この家に帰ったのは一度だけでした。そんなに難しい子ではないのですけどね。


 会う時はいつも外です。


 その人は連れてこないでというので、その人は勿論連れて行きませんでしたし、その人の話も極力しませんでした。


その人にマンションまで買って貰ったんですけど、と言っても娘の為にと言うわけで買ったわけではないみたいなんですけど。まぁ色々ありまして…。



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