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41話 決闘


リサのレーザー銃から、最後の光線が放たれた。

カチッ。


「……え?」


エネルギー切れだった。

リサは銃を見つめる。

その隙に、敵兵の中から一人の大男が前へ出てきた。

身長は190センチ近くある。

明らかに他の兵士とは違う。


指揮官らしき男だった。


「終わりだ。」


大男がリサにつかみかかる。


「!」


その瞬間――。

リサは反射的に相手の腕を取り、身体をひねった。


「えいっ!」


ドンッ!

巨体が宙を舞う。

190センチ近い大男を、リサは見事な一本背負いで床へ叩きつけた。


「……え?」


遼たちは唖然とする。

しかし――。

リサ本人は、


「肩が外れたかも 動かない 足も動かない」


「私が助けなきゃいけないのに」


限界だった


「リサ!?」


大男がゆっくりと立ち上がる。

そして、再びリサにつかみかかろうとした。


「リサー!」


遼が叫ぶ。

その瞬間――。


「よく頑張った 後は任せろ!」


医務室から脱出してきたアレックスが、二人の間に割って入った。

リサはその場でへたりこむ

大男がアレックスを睨む。


「……お前か。」


アレックスは拳を構えた。


「そうだ。」


次の瞬間――。

ドンッ!

二人の拳が激突した。

アレックスと大男の殴り合いが始まった。

一発。

二発。

三発。

凄まじい音が廊下に響き渡る。

しかし――。

アレックスの表情が徐々に険しくなる。


「……こいつ、強い。」


大男の一撃がアレックスの頬をかすめる。

アレックスも反撃する。

それでも、大男はびくともしない。

その頃、ARゾンビ・アレックスとARゾンビ・イザベルと交戦していた敵兵たちにも異変が起きていた。


「待て!」


一人の兵士が叫ぶ。


「こいつら……おかしいぞ!」


別の兵士がARゾンビ・アレックスを調べる。


「ホログラムだ!」


「実体じゃない!」


兵士たちはようやくその正体に気づいた。

次々と兵士が集まってくる。

その中で、大男の指揮官が叫んだ。


「手を出すな!」


兵士たちが止まる。


「これは俺の戦いだ。」


大男はアレックスを見つめた。

一方――。

敵母艦の奥深く。

誠、ジョン、そしてARノアは、ついにAI制御室へ到達していた。

巨大なコンピューターが壁一面に並んでいる。


『ここです。』


ARノアが言った。


「どうすればいい?」


ジョンが尋ねる。


『仮想現実へログインします手伝ってください。』


ARノアがログインコードを目の前に出す


『私の指示どうり キーボードに打ち込んでください』


誠とジョンは端末へ接続する。

次の瞬間――。

二人の意識が仮想空間へ移動した。

そこは巨大なデジタル空間だった。

無数の光が流れている。

ARノアが二人の前に浮かぶ。


『ここから先は、私が行きます。』


「ノア?」


『皆さんを守るために必要な処理です。』


ARノアの身体が、ゆっくりと溶け始める。

光の粒になっていく。


『さようなら……ではありません。』


『また会いましょう。』


そう言うと、ARノアは完全に光へ変わり、仮想空間の奥へ消えていった。

そして――。

ハッキングが始まった。

現実世界では、アレックスと大男の戦いが続いている。

しかし、明らかに大男の方が強かった。

アレックスが殴られる。


「ぐっ!」


それでも倒れない。

大男はアレックスを見ながら、少し笑った。


「お前も、そこの小柄な女も……よくやった。」


アレックスは息を切らしながら答える。


「……褒められても嬉しくないな。」


その瞬間――。

大男の後ろにいた兵士が、突然倒れた。

ドサッ。


「?」


別の兵士も倒れる。


ドサッ。


また一人。

また一人。


「何だ!?」


敵兵たちが次々とその場に倒れていく。

大男も異変に気づいた。


「……意識がたもてない?」


敵兵は誰一人答えない。

全員、意識を失っていた。

その光景を見ていた遼が呟く。


「やったのか……。」


悠斗がモニターを確認する。


そして――。


「成功だ。」


「ノアのハッキングが成功した!」


敵兵士を制御していたシステムが停止した。

敵母艦の各所でも、兵士たちが次々と倒れていく。

そして、巨大な戦艦そのものも動きを止め始めた。


「やった……。」


隼人が呟く。

玲奈は安堵の表情を浮かべる。

遼は床に倒れているリサを見る。

そして、アレックスを見る。


「みんな……生きてる。」


その言葉に、アレックスが笑った。


「当たり前だ。」


こうして――。

HORIUCHI SPACEによって拘束されていたアーク・ノヴァのクルーたちは、反撃に成功した。

しかし、彼らはまだ知らなかった。

この戦いの本当の目的が――。


堀内正樹の「永遠の命」の秘密へとつながっていることを。


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