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氷河期の雪が溶ける頃   作者: Osharena


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9/13

増渕実と、擦り切れた革靴②

実(みのる)の休日。

日課はいつも決まっていた。

誰に会うこともない。

話すこともない。


息子の雄太(ゆうた)は大学生で

アルバイトに出かけることが多い。


高校生の娘早希(さき)は友達と

毎週のように遊びに行く。


妻の久美子(くみこ)は

パートに出かける。


朝、10時には家に誰もいなくなる。

実(みのる)は近所の大きめな公園で

散歩することにした。



「パパー、パパー」


 小さな3歳くらいの男の子が

 父親を捜しながら

 正面から歩いてきて

 実(みのる)の顔を見上げた。


「あれ?!パパとはぐれちゃったの?」


実(みのる)はかがんで

その子の顔を覗き込んだ。


「うん。パパいない、どこ?」


「うーん、困ったね」


キョロキョロしていると


「すみませーん!!」


と言いながら

若い父親が駆け寄ってきた。


「ごめんなさい!うちの子が」


「パパ~!!」


男の子は若い父親に抱き着いた。


「よかったー!パパいたねー!」


実(みのる)は親子に微笑みかけると

そっと手を振った。


親子を見送った後

実(みのる)は自分の子供達の

幼い頃を思い出した。


ふと懐かしさがよみがえり

実(みのる)は目に

ひとすじの涙を流すのだった。






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