増渕実と、擦り切れた革靴③
実は帰宅すると
ジョギング用の運動靴を脱ぎ
居間のソファに腰をかけた。
誰もいない部屋でコーヒーを片手に
読書にふけて終わるのが
休日のルーティーンとなっている。
散歩から帰ると
自宅書斎で
デスク周りの整理をしていた。
溜まりに溜まった書類と書籍が
山積みとなっており
机の上にもホコリが舞う。
実が本棚を整理していると
高校の時の卒業アルバムを見つけた。
ああ、懐かしいな・・・。
アルバムは開かずに
軽くホコリをとり
本棚真ん中の見やすい位置へ
しまうのだった。
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次の日の朝、ジョギングシューズから
古い擦り切れ気味の革靴に履き替え
満員電車に乗り会社へ向かう。
現在の会社は就職氷河期に
入社した食品メーカーだった。
近場での求人は少なく
東京に通うしかなかった。
それでも履歴書さえ通らない時代だった。
片道約2時間の遠距離通勤
今日も多くの人波が行き交う浜松町駅。
東京モノレールやゆりかもめ
JR山手線、京浜東北線が乗り入れ
ごった返す駅構内。
乗り換える人々をすり抜け
徒歩10分のオフィスまでの
道のりを擦り切れた革靴で歩く。
実はオフィスの席に着くと
営業へ出る準備を始めるのだった。




