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スキルレンタルで異世界無双 〜修行なんてもう古い、これからの時代は《借りる》!〜  作者: はがき
第三章 なんでも屋、ジンサイトエージェンシー。開業致します!
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グランダム王国へ

俺は屋敷に戻り、ベティの用意してあった飯をかっ喰らい、浴びるだけの風呂に入って、朝日が昇るまで仮眠を取った。

そして日の出とともにまたアヤカとエリーを連れて空を飛んでいる。


何処へ?

懐かしきグランダムへだ。


「何故ミレイを助けに行くのですか?」

「……助けるとは言ってない」

「同じじゃない。ジンを襲撃してきたミレイの処刑なんてほっておけばいいじゃない」

「あー……、ミレイの死に際でも見てやろうと思ってな」

「「……」」


俺はアヤカとエリーから吊るし上げられてる。

俺だって複雑だ。

でもよ、知ってる顔がスケープゴートで処刑されるとわかったら、誰でも気にならないか?

ミレイはきつい性格だし、色々とあったけど、話はわからないやつではなかった。ミレイは冒険者ギルドの職員の義務を全うしていただけだ。

ザラのことだって、仕事に忠実だっただけで俺個人をターゲットにしていたわけでは無いと思う。


それが殺される……。


悪いのはギルドと国であって、ミレイ個人に責任は無いと思う。


だがもし、処刑をぶち壊したりしたら、完全にグランダムを敵に回すことになるだろう。


「仁さん」

「……なんだよ」

「あまり増えると順番が回ってくるのが遅くなるのですが……」

「っ、なんの話だよ!」


まさかベッドの話じゃねえだろうな!


アヤカはぶつぶつとくだらないことを言いながら全速力でグランダムへと向かった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「ジン、あそこ」


エリーが指し示す方向を見ると、グランダムの街の南の門の前には、約5000人の兵士が駐留していた。


その他に街中のメインストリートに隣接する広間に、ステージのようなものが作られその周りに人だかりが出来ている。


「アヤカ、降りろ」

「はい」


アヤカは弾丸のようにステージへと急降下し、ステージギリギリでふわっと速度を下げて降りた。


「であるからして────、な、なんだ貴様らは!!」


俺とエリーはステージの上に居た兵士を瞬く間にぶっ飛ばし、ステージ上から叩き落とした。すかさずアヤカはステージの上で演説していた文官のような男を取り押さえ、ステージの床に叩き伏せ、文官の背中を踏みつけナイフを文官の首筋に当てる。


俺はステージから周りを確認する。

野次馬のように集まっている住民の反応は様々だ。呆気に取られる者、この場から逃げ出す者、何故か警戒するように武器を手に取る者。


ぶっ飛ばされた兵士たちの半分は既に立ち上がり、文官のような偉そうに演説していた奴がぎゃあぎゃあ喚いている。


「アヤカ、そいつを黙らせろ」

「はい」


アヤカは文官の首のナイフにぐいっと力を入れ、


「あなた、死にたくないなら兵士たちを止めなさい」

「っ!こ、こんなことをしてタダで済むと思ってるのか!!」

「思ってませんよ?、でもこのままだとタダで済まない所はあなたは見れませんが?」


と、ナイフを少しだけ動かした。文官の首に赤い血がにじみ出る。


「ひっ!、わ、わかった!!貴様ら動くな!!武装を解け!!」


と、兵士を止めた。


「さてと……」


俺はステージ上を見る。

そこには十字架に磔にされているギルドマスターのじじいとミレイがいる。


間に合ったか。


エリーが短剣を両手に持ち、ステージの下を警戒している。


ギルドマスターとミレイはポカンとしていたが、俺だとわかると目を見開き、


「お前さん……」

「ジ、ジン……」


俺は片側の口角をあげ、


「よお?随分しゃれたスタイルだな?この国で流行ってるのか?」


ミレイは半眼で俺を見る。


「…………何しに来たのよ」

「決まってんだろ?見学だよ。何?俺を殺そうとした奴を助けに来たと思った?おめでたいな」

「っ……」


ミレイは苦虫を噛み潰したような顔をする。するとアヤカに抑えつけられている文官が、


「なんだ貴様らは!はっ!まさか貴様らがジンサイト一味か!!、私を誰だと思っている!ジメンダル公爵家の次期当主、サルカット=ジメンダルだぞ!」


兵士は抜剣しているが、襲いかかっては来ない。

すると誰かが知らせに行ったのだろう、南門の兵士たちがこちらへと向かってくるのが見えた。

俺はサルカットと名乗った文官に、


「なるほど、貴族だったか。エリー、アヤカと代われ。アヤカ、あの5000人、何とかできるか?もちろんなるべく街に被害を出さないように」

「お任せください」


エリーはアヤカと変わると、アヤカは両手を広げた。アヤカの頭上には数千本の炎の矢が現れた。それを見た兵士たちは足を止めた。

エリーは文官に言う。


「あんた、兵士たちを止めないとこの首が身体に着いてられるのは、あと10秒よ」

「ひっ、ひぃ!止まれえええええ!来るなあああああ!」


良し、これで話が出来るかな。

俺はミレイに視線を向け、


「で、ミレイ。お前が将軍をたぶらかしてグランダム軍を動かしたのか?」


ミレイは諦めたような、拗ねたような目で、


「そんなわけないでしょ。たしかにジンに追っ手は出したし王家にも報告はしたわ。でも、冒険者ギルドに国軍を動かすような力はないわ」

「だろうな」


するとギルドマスターのじじいが、


「お前さん、何する気なのじゃ」

「そうだな、どうしようか?」

「悪いことは言わん、このまま帰るのじゃ。取り返しがつかぬことになるぞ」


じじいはこれから処刑されるというのにそんなことを言ってくる。


「じいさん、死ぬんだぜ?わかってるか?」


じじいは疲れた笑いを浮かべ、


「ワシはもう充分生きた。それにの、どんなことにも責任を取る人間が必要なのじゃ。ワシらも今まで非情な決断をしてきたのじゃ、今回はそれがワシらに回ってきただけのこと。覚悟は出来ておる」

「……」


俺はミレイを見る。


「お前も同じか?」


ミレイは表情は変えずに、涙だけを零した。


「私は悪いことはしてない。決まり通りのことをしただけよ。それでも5万人の兵士が死んだのは事実。……あんたの力を見誤ったわ。なら仕方ないわね」

「そうか……」


俺はアヤカとエリーに聞く。


「アヤカ、ここは任せていいか?」

「もちろんです」

「兵士が動き出したら迷わず殺せ」

「わかってます」


俺はエリーの頭に手を乗せる。


「エリー、まりょ────」

「わかってるわ」


エリーは俺の方を向き、


「昨日と状況が違うもの。今日はアレをされても対処は簡単よ」

「頼むぞ」


そう、もし昨日のように魔力を止められても、今日は逃げればいいのだ。エリーの身体能力ならばそのくらいは簡単だろう。

俺はステージを取り囲む兵士に告げる。


「聞けえ!!お前らが攻撃しなければこちらからはしない!だが、もし下手な動きを見せたら容赦なく殺す!!」


兵士たちは武装を解くことはしないが、ざわざわとざわめき立っている。


「仁さん、どこへ?」


ステージから降りた俺にアヤカが問いかけた。


「何、グランダムには世話になったけど、まだ礼を言ってなかった。ちょっくら王様ってやつに挨拶してくるわ」


アヤカは少し微笑み、


「お気をつけて」

「ああ」


俺は街の中心にある城へと向かった。




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