↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/85

男の生き様

「では行ってまいります」

「ほ、本当に2人で行くのかい?」

「もちろんです。本気の仁さんを舐めないでいただきたいです」

「……」


俺は何も言わないで歩いた。

俺をここまで煽ったアヤカを恨んではいない。むしろ自分で決断した。


そんな自殺行為を何故するのか。


別に功名心が0とは言わないが、そんな理由でやるわけでもない。ましてや、さらわれた女たちを助けるためでもない。


限界が、


自分の限界が知りたかった。


自分はどこまでやれるのか。


本当に俺には力があるのか。


俺の今までの感触でも、剣術レベル3と身体強化レベル2の相乗効果はまだまだこんなもんじゃないと感じてる。


命がかかってるのに。


俺もアヤカに乗せられて麻痺してるのかもしれない。


でも……、どうしてもやってみたかった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




ブシュ!


俺はすぐさまオークの懐に入り込み、一撃で絶命させていく。まるで無人の野を歩くがごとく歩き進む。


徐々にオークの数も増える。


一体が二体同時に、三体を斬り捨てると六体の編隊が俺たちを襲う。

だが、俺は次々とオークを殺していく。


(動く、見える。身体が軽く感じる)







50はやっただろうか、次第にオークの数もどんどん増える。


「感電(スタティック)嵐(テンペスト)!」


ズガガガガガガァァァァァン!!


アヤカが魔法を唱えると、轟音と共に雷が降り注ぎオークが動きを止めていく。俺はそれを心臓を、首を一突きにしてオークを屠る。


「仁さん、寄って!」


俺は後ろ向きにジャンプし、アヤカの隣に立つと、アヤカの腰までスリットが入ったロングスカードが、下から風を受けてるかのように大きく花開く。


「はあああ!!私の魔力よ!!唸れ!ファイアァァァァ、ウエィブ!!!」


ゴオオオオオオオオオオオ!!


火の壁がボワっと地面から立ち上り、それが放射線状に広がりながら、オークを次々と焼いていく。


『『プギィィィィィィィィ!!』』


オークの断末魔が辺り一面に響き渡る。


すると、火の中から一回り大きなオークが飛び出してきた。

俺は右に避けつつ腕を切り落とし、後ろに回りつつ膝を砕いた。


動けなくなり膝を地についたオークはものすごい目で俺を睨んできた。その目つきは俺が首に剣を差し入れても続いていた。







流石に疲れが貯まる。アヤカも肩で息をしているが、身を奮い立たせながら魔法を唱え続ける。


「ロック、バレット!!!」


ズドドドドドドドドド!


ガトリングガンのように石の玉が発射され、オークの身体を次々と蜂の巣にしていく。俺はアヤカの頭を飛び越えて、剣を袈裟斬りに振り下ろす。


ズバン!


アヤカを背中から狙っていた、一回り大きなオークは真っ二つになった。


「はあ、はあ、はあ、はあ、あと、あいつか、はあ、はあ」

「はい、…………あれが、、、ボスですね」


身長は3mはあるだろうか、ものすごい筋肉隆々で、ギロチンのような円盤のようなとんでもない刃渡りの剣?を担いで、オークは俺たちを見ながらニヤニヤとしている。


「豚頭め……」


アヤカは背中に背負っている亜空間バッグのリュックから、ポーションを二本取り出した。一本は俺に手渡し、一本は自分で一気飲みをする。俺も続いてポーションを煽る。


「仁さん、サポートします」

「いくぞっ!」


俺はオークボスに向かって走り出した。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




ブォン!


「ざっけんな!」


硬い、皮膚が異常に硬いのだ。

剣が当たってもかすり傷一つつけられない。対して敵の巨大オークの剣?は、一発当たったら確実に輪切りされる。


「ワールウィンド!」


アヤカの見えない風の刃を、オークは剣を楯のように寝かせることで魔法を防御した。

見えないのに何故狙いがわかるのか。


「はあああああああ!」


その隙に俺はオークの右側に回り込み、脇腹に向かって渾身の力で剣を突き入れる。


ザシュ!


刺さった。刺さったが、5cmほどしか刺さってない。全く致命傷にはなってないだろう。


ブォン!


オークの返す刀が来た。俺はそれをギリギリかわした


はずだった。


ほんの少し、ほんの少し頭をかすめただけなのだが、まるでハンマーに殴られたような衝撃が俺を襲う。


「ぐっ!!」

「仁さん!!」


視界が揺れる。

地面が空を塞いでいる。


俺は意識が闇に沈みそうになってるが、それを気合いで跳ね返す。


「うおおおおおああああああ!!」


だが、意識を失わなかっただけで、地面は揺れ、足が言うことを聞かない。

間違いなく脳が揺らされた証拠だ。


「スタティックトロン!スタティックトロン!!」


アヤカがオークに向かって懸命に魔法を唱えるも、もう魔力がないのだろう、ランクの低い魔法しか出せなくなっているようだ。


「いやあああ!仁さん!!」


オークはひざまずく俺の前に立ち、天に向かって剣を振り上げる。


するとアヤカが俺の上に覆いかぶさってきた。


「っ!バカヤロウ!!」


俺は最後の力をふりしぼり、アヤカを横に投げ飛ばす。


「やめてえええええええ!」


アヤカは俺に手を伸ばす。


覚悟を決めた。

俺の冒険はここまでのようだ。

俺はアヤカの方を向き、最後に笑顔をプレゼントした。


ドーーーーーン!


突然オークの頭が爆ぜた。


「「「「「うおおおおおおおお!!」」」」」


けたたましい雄叫びとともに冒険者達がオークボスに群がっていく。


「やれえ!!!キングを倒せえ!!」


ランスロットの叫び声が響き渡る。

生き残りの冒険者たちだ、撤退してなかったのか。冒険者たちは皆決意を固めたような顔をし、3m強の化け物のようなオークに突撃していく。


「だ、めだ、やめろ……」


ブォン!


「ぎゃあ!」

「がはっ!」


オークが剣を薙ぐたびに、胴体が泣き別れする奴らが地面に転がっていく。


「やめろおお!」


無理だ、お前らには敵いっこない。無駄死だ。

だが、冒険者達は引かない。まるで何かに取り憑かれたようだ。


「ああああああああ!!」


一際甲高い叫び声だ。

ティアモは短剣を両手に持ち、オークに突撃していく。だがティアモに向かってオークは剣を横薙ぎにする。


「よせ、ティアモオオオオオ!!」


キン!!

ザシュ!


「がはっ!」


「……」


トラオだ。

トラオはすんででティアモとオークの剣の間に入り、自身の剣を地面に突き立てオークの剣を堰き止めた。


だが、止まらなかった。

トラオの体は、トラオの大剣ごと真っ二つに割れ、ティアモはトラオの上半身と激突し吹っ飛ばされた。


「トラオオオオオ!!」


ティアモはすぐさま起き上がり、トラオの上半身を抱き上げる。


「ジス、ジィィィィス!!?」


だが、トラオは別れを惜しむ間も無く、物言わぬ肉塊と化していた。


「ジィス!お前、バカヤロー!!」


ティアモは大粒の涙を流す。


「仁さん!!、フライ!!」


状況は悲しんでる場合ではない。

アヤカが渾身の力を奮い、オークを2mほど浮かせた。

俺はすぐにピンと来た。皮膚が硬いなら、柔らかいところを突くしかない。

俺も渾身の力を奮い、浮いたオークの下に入る。オークは落下を始める。


「うおおおおおおおお!!」


オークの落下の勢いを利用して、最後の力をふりしぼり俺はオークの股間めがけて下から突き入れる。


グサッ!!!


俺は腕までがオークの体内に埋め込むほど、下から剣ごとボスオークを串刺しにした。


オークは目を見開き、絶命した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。