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だからレイヤーって何だよ!

「仁さん、起きてください。仁さん」


俺はゆさゆさとされ、起こされた。

目を開けるとエプロンをつけたアヤカが居た。


「勝手にあがらせてもらいました。ご飯も出来ましたよ」

「…………今何時ですか?」

「もう19時です」

「マジか……」


俺は頭をポリポリとかき、目を擦っているとアヤカはテーブルの向かいに座った。

俺も起き上がりテーブルの前にあぐらをかいて座る。

テーブルには料理が並んでいた。

からあげ、煮魚、煮しめ、サラダ、味噌汁だ。

缶ビールも置いてある。


俺はおもむろに缶ビールを手に取りながら、


「すいません、作ってもらって。冷蔵庫に何もないからお金かかったでしょ。払いますよ」

「気にしないでください。これからお世話になるんです。そのお礼の一部です。あと敬語です」

「あー、……ありがとう」


ここは日本だ、ありがとうはプロポーズじゃない。

俺は缶ビールをプシュ!っと開ける。


「アヤカは飲まないの?」

「私は今日はいいです」

「そっか」


俺はぐびっと缶ビールを煽る。


「ぷはぁ」

「仁さん、料理はそこそこ自信はあるんです。寝起きで重いかも知れませんが、よろしかったらどうぞ」

「あー、俺寝起きでも大丈夫だから。ありがとう」


アヤカが箸を手渡してくれた。

アヤカのエプロン姿はなかなか似合っている。だがその下は半袖?まあ、寒くはないけど今は10月だ。この辺の地域は寒くなるのが早い、寒くないのかな。


俺は料理をつつく。


「…………うめえ」


アヤカは安心したように笑い、


「お口に合って良かったです」


この間の肉じゃがも美味かった。今日もどれを食ってもうまい。煮魚と煮しめも甘すぎずにちょうどいい。


「仁さんさえよければ、これからはご飯は私に任せて欲しいんです」

「でも、申し訳ないな」

「このくらいさせてください」


目線をあげると、アヤカは出会った頃のように上品に優しく微笑んだ。


「わかった……、じゃあ頼むよ」

「はい」


俺が唐揚げをつつき、ビールを煽る。

なんか、こんな感じをしてると新婚みたいだ。


「ご飯はどうしますか?それとおビールもまだありますよ」

「……両方もらおうかな」

「はい」


アヤカがテーブルに手を軽くつき立ち上がる。

俺は缶ビールの最後の一口を大きく煽る。

アヤカは台所へ行くために俺に背を向ける。


「ブフゥゥゥゥ!!!」


視界にありえないものが入った。

尻だ。柔らかそうな、色白のプリップリの尻だ。

俺がビールを噴き出したのを見て、アヤカがタオルを持ってきた。


「あらあら」

「アヤ、、、てめえ!何やってんだよ!」

「何って……コスプレです」

「コス、って尻丸出しじゃねーか!」

「丸出しではないですよ?ちゃんとTバックを履いてます。それにほら、裸エプロンでもないです」


たしかに履いていた。

エプロンをピラッとめくった姿は極短のセーラー服で、前から見たらギリギリパンツが見えない丈だった。だが股下0センチではなかろうか。


「何も言わないのでやっぱり私に魅力が無いのかと思ってました」

「エプロンで見えなかったんだよ!」

「これ、島風って言うんです」

「島風でも雪風でもなんでもいいわ!」

「あっ、雪風知ってるんですか?!、ありますよ?見たいですか?」


島風って昔の日本の軍艦の名前だろ?そのくらい知ってるわ!


「着替えろおおおおお!!」

「……雪か────」

「ちがあああう!普通の服だあ!!」




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




これから風呂に入る。

だがこのまま入るわけにはいかない。


「いいか、アヤカ。絶対に風呂に入ってくるな。背中は流さなくていい、絶対だ、絶対だぞ?」

「仁さん、それもう来いって言われてるのとおなじです」

「違うから!俺は芸人じゃねーから!」

「あっ、それも知ってるんですね」

「知ってるわ!バカにすんな!」


こいつは絶対入ってくる。普通の服に着替えさせたら何を着てきたと思う?ビキニだ。アヤカ曰く『普通のビキニだから普通の服』だとのたまいやがった。

ビールを拭いたタオルをぶつけて追い出したが、ブラウスとロングスカートに着替えるまで、三回コスプレを披露しやがった。


「私ではダメなのですか?」

「違う!そう言うんじゃない!……、アヤカは魅力的だ、でも今はないだろ!」

「私はもう24ですけど?」

「つうか、俺の知ってるアヤカさんはどこに行った?!」


アヤカは少しだけ俯いて、


「元々こうなんです。それに、おじいちゃんも言ってました。仁さんは待ってても無駄だから、仁さんには必要以上に迫れ、なんなら夜這いしろって」

「あのくそじじいが!!!」


とんでもねえじじいだ。つうか、最近のアヤカを見てると、じいさんの孫だなって感じる時がある。これが血筋か。


「私これでも必死なんです。私のおっぱいが垂れる前に仁さんに抱いて欲しいのですが」

「垂れっ、、、、と、と、とにかくっ!今じゃねーだろ!心の準備ってものがあるだろ!」

「私は出来てます」

「俺は出来てねえの!」


この一連の流れをアヤカはずっと真顔だ。何を言ってるのかみたいな顔してやがる。


俺は不安を払拭出来なかったので、柱にアヤカをロープでぐるぐる巻きにして風呂に入った。

ロープで縛る時、少しアヤカは息遣いが荒かったが、一切無視をした。


ある意味ベティより面倒だ。



風呂から上がる。

当然アヤカは一緒に寝ると言い出したが、これ以上やるなら、もうここに地下牢を作り監禁して異世界にも連れて行かないと言うと、やっと大人しくなった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




朝起きる。

俺の予想は外れて、朝になったら俺の布団にアヤカが潜り込んでると言うことはなかった。

流石に夢の異世界を天秤にかければ、言うことを効くことに安心を覚えた。


味噌汁の匂いがしているので、俺は支度をしてリビングにいく。

朝飯がもう並んでいた。


「おはようございます」

「おはよう、昨日は大人しく寝たか?」

「はい、私も寝不足でしたから。それに」

「……それに?」

「仁さんにはこのまま直球ではダメだとわかりましたから」

「…………カーブもダメだからな?」

「……」


アヤカが口を開く前に、


「シュートもフォークもシンカーもだめだぞ!!」


先に言ってやった。

っ!!、今舌打ちしたか?!



今日はキャンプ道具を買いに行く。

アヤカも一緒に行くと言うので、アヤカの身支度と洗い物をすませ、車に乗り込んだ。


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