逆襲の妖怪反省会
とある、夜の荒れ寺。暗がりに数人の者が集まっている。
「ふがいない!」
長と思われる者が、激怒して声を荒げている。
「九州の妖怪たちは、何をしていたんだ!?」
制覇は、九州地方から中国・四国地方に入ってきたが、九州の妖怪は、ろくなものがおらず、ほとんど妖怪の存在感はなかった。
「本来は、侍と妖怪が戦う歴史・戦国物語だったんだぞ!? それが、どうだ!? 九州の妖怪が使えないから、急遽、歴史に名を残す者なる者たちが登場し、完全に我々妖怪の出番が無くなってしまったではないか!?」
その通り。妖怪の存在感は、ほぼゼロである。
「しかも、四国も妖怪を調べたら、妖怪空白地帯というのが判明した! このままでは、本当に日本の妖怪の価値がゼロになってしまう!」
集まっている妖怪たちも、何も言い返すことができない。
「既存の妖怪たちに任せていたのがいけなかった。中国地方では、私が出る!」
「な!?」
妖怪たちは、長の発言に驚いた。長が自ら出陣するというのだ。他の妖怪たちがザワツクのも無理はない。
「私は、某妖怪アニメの影響があるので、ぬらりひょんとは名乗れない。仮に、女とした場合は、ぬら子、どれも厳しいな。妖怪爺・・・ぬらり子でいくか!?」
妖怪は、思考対象でなくなっていたので、全く考えていなかった。ここに妖怪の長は、ぬらり子に決まった。
「私が無き、父の跡を継ぎ、妖怪たちを陽のあたる世界に導いて見せるわ!」
ぬらり子の父を、ぬらりひょんにしよう。九州地方に強い妖怪がいなかったのは、ぬらりひょんの葬式をしていて、妖怪みんなは、お通夜に参列していて九州を放棄していたということにしよう。
「人間どもに! 妖怪の恐ろしさを、教えてやるわ!」
こうして、制覇で初めての妖怪側を描くことになった。編集をして、字数が足らないというのは、本当にありがたい。
父、ぬらりひょんの跡を継ぎ、妖怪の長になった、ぬらり子の元、妖怪の反省会は続くのであった。
「とりあえず、備後で私が出るわ!」
他の妖怪たちは、長とはいえ、先代の長のお嬢さんが戦場に行くというので、ザワザワしている。
「みんなの心配は分かるわ。だから、強力なスペシャルゲストも配備したわ!」
ぬらり子には、秘密兵器があるというのだ。
「伯耆に、ヤマタノオロチ先生! 安芸と因幡に、鵺先生! すべて、私の妖怪学校の時の恩師よ!」
ぬらり子は、使えるコネは使うのだった。さすがぬらりひょんの娘。
「次に四国をどうしようかしら? ほんとうに妖怪空白地帯だわ!? もうお通夜だなんて、言い訳もできない!」
長になった、ぬらり子を試練が襲う。
「お父さん! 私はどうすればいいの! 教えて! お父さん!」
ぬらり子は、天国? 地獄にいる父親に救いを求めました。
「私のカワイイ、ぬらり子よ。おまえの好きにやっていいんだよ。」
「わかったわ! ありがとう! お父さん!」
あの世の父、ぬらりひょんから、ぬらり子は、何かアイデアを与えられたようだ。
「私は、これからオリジナルの妖怪を作成するわ!」
既存が弱っちいなら、自分で新しく強い妖怪を作ればいいと、亡き父から教わったのだ。ぬらり子はオリジナルの妖怪を創造することになったのだ。
「どうすればいいの?」
「ズコー!?」
ぬらり子は、オリジナルの妖怪の作り方を知らない。妖怪たちは、ズッコケる。
「ぬらりひょん家、代々に伝わる錬成の壺!」
いきなり登場! 錬成の壺は、家宝である。
「そして、こういう展開にお目付け役の爺やは、付き物!」
ひょろっとした爺やが現れる。
「そして、この時代に鋼があるのかわからないので、鉄を準備しました。」
錬成の材料、命ある爺やと、鉄が揃った。
「爺やと鉄を錬成の壺に入れます。」
ぬらり子は、ポイっと爺やと鉄を壺に入れて、ゴゴゴゴゴ! っと、錬成した。
「いでよ! 鉄の錬金、爺や!」
壺から、鉄で覆われたデラックスな爺やが現れた。
「お嬢様、爺やでございます。」
爺やは、幾分か若返ったかのように、自分への自信からか若く見える。
「試作1号ながら、我ながら上出来ね!」
爺やは、実験台だった。
「この調子で、オリジナルの強い妖怪を増やしていくわよ!」
ぬらり子は、調子に乗ってきた。
「次は何にしようかしら? カエルと金、カラスと銀・・・。」
この調子で、優秀な妖怪を増やしていくのだった。
ぬらり子は、錬成をする楽しさを覚えてしまった。次々と新しいオリジナル妖怪を生産していったのだ。
「ジャジャジャジャーン!」
爺やも含め、10人のオリジナル妖怪が勢ぞろいしている。とりあえず、鉱石10個と妖怪を混ぜ合わせて錬成してみた。
「滑石。」
「石膏。」
「方解石。」
「蛍石。」
「燐灰石。」
「正長石。」
「石英。」
「黄玉。」
「鋼玉。」
「金剛石。」
ぬらり子は、鉱物と妖怪を錬成した。何と錬成したかは、爺や以外は、未定である。しかし、これでオリジナル妖怪を10匹も手に入れたことにより、妖怪の存在感は増した。
「これで、人間たちや、歴史に名を残す者たち、さらには、ティアお姉さんの愉快な仲間たちにも対抗できるわよ!」
今、思えば、なぜ番外編ばかりで、こんなにもキャラクター総数が増えているんだろう。わからない。そんなに人数がいない物語だっただろうか?
「人間、竜、歴史に名を残す者、そして、我々、妖怪が参戦するのだ! ワッハハハハハ!」
これも、ぬらり子の錬金技術とカリスマ性のある家柄の賜物である。
「硬度6の正長石の爺やは、四国で待機。」
「はい。」
「あとは、自由散策。」
「はい。」
こうして、妖怪は息を吹き返したのだった。
「それでは、私は備後に行って、きびだんごでも食べて、出番が来るのを待っているかな。やった!」
ぬらり子は、笑顔で自画自賛だった。しかし、まだ彼女は知らない。神の勢力や、黄泉の国の勢力がいることを・・・。
つづく。




