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制覇! 1 九州編  作者: 渋谷カナ
12/20

歴史に名を残す者 前

とある場所。


「あれれ?」


今になって思えば、


「どうした卑弥呼?」


卑弥呼が、どうして、おもちゃ大好きっ子になったのか不明である。


「僕は、腕立て伏せ100回で、ヤマトタケルは正座1時間・・・。」


無断外出の罰である。


「どうして藤原くんは、入院1か月で許されるんだ!」


卑弥呼は、罰に不公平を感じている。


「ハハハハハッ!」


話を聞いているヤマトタケルは、馬鹿笑いした。


「仕方ないだろう、藤原くんは、人間にコテンパンにされたんだから。」


ヤマトタケルは、藤原くんをかばう。


「僕も入院して、きれいな看護婦さんに優しくしてもらいたい。」


卑弥呼の顔は、甘美な妄想でニヤけている。


「はぁ・・・。」


ヤマトタケルは、片手で頭を抱えて目を閉じる。ギロ。ヤマトタケルは、目を開けて疑念を考える。


(俺たち、歴史に名を残す者は無敵じゃなかったのか?)


現に藤原くんは入院している。


(どうして藤原くんは、重傷で入院しているんだ?)


わざわざ入院するということは、傷は治るということである。


(俺は過去の人間で、言霊だけ、この時代に呼びつけられたんじゃないのか?)


謎が謎である。


(草薙の剣は、神剣だぞ!? どうして人間なんぞに受け止められる!?)


考え事をしているヤマトタケルの顔は、怖い表情をしていた。ドカーン。卑弥呼の空飛ぶおもちゃが、ヤマトタケルの顔に当たる。


「いてててて。」


両手で顔を抑えながら痛がる。


「ごめん、ごめん! 悪気はないんだ!」


卑弥呼は、必死に謝る。


「卑弥呼! てめ! 許さないぞ!」


ヤマトタケルは、鬼のような形相で卑弥呼に襲い掛かろうとした。


「お許しください!」


卑弥呼は、土下座して頭を下げて、両手をスリスリしてお願いする。


「許さない!」


ヤマトタケルが卑弥呼に正義の鉄拳制裁をしようとした時だった。


「ハハハハハッ!」


どこからか笑い声がした。


「あん!?」


ヤマトタケルは、笑い声の方を見た。


「相変わらず、2人は仲がいいね~♪」


ニコニコ笑顔で一人、歴史に名を残す者が現れた。


「おまえは、源頼朝!」


鎌倉大好き源が現れた。


「うるさい!」


ヤマトタケルは、草薙の剣を抜いて、


「おまえも黙らしてやる!」


剣を源に振り回した。


「ほい~♪」


源は、身軽に攻撃をかわし、宙を舞った。


「危ないな~♪」


着地すると、怒る訳でもなく、源は笑顔のままである。


「チッ。」


ヤマトタケルは、攻撃が当たらなかったからか、舌打ちをする。


「僕は、藤原くんのお見舞いに一緒に行こうと誘いに来ただけなのに~♪」


お見舞いの誘いだった。


「行く! 行く!」


卑弥呼は、相方の藤原くんが心配だった。


「俺は、いかない。」


ヤマトタケルは、気分を害していた。


「あっそう、今ならお見舞いに、あの人も来てるんだって。」


源は、意味ありげに言う。


「な!?」


ヤマトタケルの表情が、すねた顔から我に戻った顔に変わる。


「聖徳太子は、お見舞いなんかには来ないだろうし・・・チャンスじゃない?」


いろいろ話を聞くなら、今しかない! と言っている。


「行くぞ! 卑弥呼!」


そう言うと、ヤマトタケルは、足早に病院を目指す。


「待ってよ!」


卑弥呼は、あとを急いで追う。


「わ~い~♪ 面白くなってきた~♪」


源は、身軽な傍観者? 愉快犯といったところだ。



「病院に着きました~♪」


3人は病院に着いた。


「は~い~♪ 藤原くんの病室に移動します~♪」


移動は、源頼朝の紙芝居スキルか、アビリティ・・・完璧。


「藤原くん、お見舞いに来たよ~♪」


卑弥呼は、明るく病室の扉を勢いよく開けた。ジロ。中にいた歴史に名を残す者の3人の視線が、卑弥呼に突き刺さる。


「え!?」


卑弥呼は、まずいことをしたと、血の気が引いた。


「ごめんない。ごめんなさい。」


卑弥呼は、簡単に頭を下げて死に物狂いで謝った。


「ここは、病室だ。」


それもそのはず、


「他の方の迷惑になる。」


病室には、


「静かにしろ。」


聖徳太子に次ぐ実力の持ち主、


「あほう。」


8人目の、


「さすが、紫式部さま~♪」


紫式部と、腰巾着の9人目の清少納言がいた。


「こんにちわ~♪」


源と、


「卑弥呼、謝ってないで、さっさと中に入れ、俺が入れないだろうが。」


ヤマトタケルが姿を現す。


「おまえたち、藤原くんは眠っている。」


藤原道長は、


「静かにしろ。」


ベットで眠っている。


「あほう。」


紫は、美しい薔薇に棘があるらしい。


「さすが紫式部さま~♪」


歴史に名を残す者は甦った時に、なぜか性別は逆転している。


「男の中の男~♪」


といことで、清少納言も男である。


「おまえもうるさい。」


紫は腰巾着にも厳しかった。


「あほう。」


冷たく言い放つ言葉は、激怒して怒鳴る言葉よりもダメージを与える。ピ! 清少は、口に手をあて、背筋を伸ばした。


「このメンツだと、ヤマトタケルがお見舞いに来ているのが、いとおかしだな。」


お見舞いに行くキャラではないのが、とてもおかしいらしい。


「あんたに聞きたいことがあって来た。」


ヤマトタケルは、本題を切り出す。


「何なりとお尋ねください。」


紫は、質問に答えてくれるらしい。


「聖徳太子でも、私の空間のことを全て把握することはできません。」


聖徳太子の全て分かるは、紫は除くらしい。


「尊氏も殿の護衛でいません。」


6人目は、足利尊氏。


「清盛は、壇ノ浦から動こうとしません。」


5人目は、平清盛。


「納言、人数分のイスを用意しなさい。」

「はい。ただいま。」


紫の指示に、清少がイスを出し、全員を座らせる。


「それで、聞きたいこととは、なんでしょう?」


紫がヤマトタケルに質問する。


「俺たち、歴史に名を残す者とは、いったいなんなんだ?」


ヤマトタケルは、素直に思っている疑問をストレートにぶつける。


「そんなことも分からないのか?」


紫は、不思議に思い聞き返す。


「分からないから、聞いてるんだ。」


気が短いヤマトタケルは、イライラしてくる。


「あほう。」


紫は、冷たい眼差しで、冷たい声で言う。


「な、なに!?」


ヤマトタケルが反射的に怒ってしまいそうになった時、


「我々、歴史に名を残す者とは・・・。」


紫が話始める。


「ん!?」


ヤマトタケルは、自分が何者なのか知りたいので、我慢して耳を傾ける。


「殿、若しくは殿に使えし者が、秘術で我々の魂を呼び出した・・・。」


歴史に名を残す者は、誰かに召喚されたらしい。


「私たちは、霊です。」


歴史に名を残す者は、霊らしい。


「!?」


他の歴史に名を残す者たちは、衝撃を受ける。


「予想はしていたが、実際に聞くと、ダメージがすごいわ。」


ヤマトタケルは、精神的にグラグラする。


「じゃあ、何のために死人である僕たちを呼び戻したんです?」


源が紫に尋ねる。


「そんなことも分からないのか?」


紫は軽蔑の視線を向け、


「あほう。」


言葉の矢を源に放つ。グサ! 源の心に命中する。ガックリ。


「本当だ・・・、心に刺さる・・・。」


いつも明るい愉快犯の源でも、紫の言葉にはダメージを受けた。


「我々は、その名を歴史に残す位だから、類まれな才能を持っている。」


紫は、なぜ呼び戻されたのか、説明を始めた。


「卑弥呼は、邪馬台国を建国した。」


おもちゃ大好きでドジっ子設定の卑弥呼は、


「そうです~♪ 僕は偉いのだ~♪」


実は、偉かったのだ。


「ヤマトタケルは、ヤマタノオロチを退治した英雄だ。」


俺キャラで戦闘好きのヤマトタケルは、


「そうだ。だから俺は草薙の剣を手に入れることができた。」


実は、強かったのだ。


「源氏は、鎌倉幕府を誕生させた。」


いつも元気な愉快犯の源頼朝は、


「は~い~♪ 紫さんは、何でも知ってるんですね~♪」


実は、すごかった。


「これだけの優秀な人材を集めるのは、現実には、不可能です。」


紫も歴史に名を残す者たちは、すごいと認めている。


「おそらく、殿という人物が考えたのだろう。」


紫は、謎の殿に触れる。


「紫さま、殿って、いったい誰ですか?」


清少は、腰巾着らしく、気軽に紫に尋ねる。


「そんなことも分からないのか?」

「え!? まさか!? 私にも!?」


紫は、腰巾着にも甘くはなかった。


「あほう。」


冷声は、


「あんまりだ!? いつもお世話している私にまで!?」


ウエ~ン! 清少は、思わず泣き出した。


「よし、よし。」


紫は、泣いている清少の頭を撫でる。


「殿は、どこかの戦国武将だ。」


紫は、殿の素性を話し始める。ドキ! 他の歴史に名を残す者の表情がハッとする。


「・・・と言いたいところだが、違う。」


紫は、フェイクを入れる。


「強力な戦国武将たちに困り果てて、誰かにたぶらかされたんだろう。」


殿は、現在、弱り中らしい。


「死んだ人間の霊魂を召喚しようと。」


殿をそそのかした人間がいるようだ。


「その行為は、悪魔に魂を売るに等しい。」


死人を呼び戻すことは、禁忌である。


「殿は、あほうだ。」


紫は、殿にも媚びる気持ちは、毛頭なかった。



「殿は、あほうだ。」


紫式部は、冷酷に言い放つ。


「カッコイイ~♪ 紫さま~♪」


腰巾着の清少納言は、紫にゾッコンである。


「あれれ? 男同士でいいんですか?」


卑弥呼が指摘するのは、召喚時に性別が入れ替わり、紫と清少は男である。


「私は、紫さま親衛隊です!」


清少は、恥ずかしさも無く、きっぱりと言う。


「ハハハッ~♪ 清少納言は、おもしろいね~♪」


源頼朝は、他人事なので、見ていて楽しかった。


「おまえたちうるさい。」


紫は、冷たい目で冷たいオーラを放つ。


「ギャア!」


他の歴史に名を残す者たちは、紫を見た瞬間に恐怖を感じる。


「黙れ。」


紫の綺麗な顔の口から放たれた、綺麗な声は、グサ! 歴史に名を残す者たちのハートに突き刺さる。


「俺は、何も言ってないだろうが!?」


ヤマトタケルは、確かに何も言っていない。


「連帯責任だ。」


紫は、自分の間違いを認めるようなタイプではなかった。


「文句があるなら、勝負してあげよう。」


文学系の紫が、武闘派のヤマトタケルに喧嘩を売った。


「おもしろい、1度戦ってみたかったんだ、文学系の3人の誰かと。」


ヤマトタケルは、戦う気持ちが満々である。


「おまえは、私には、触れることもできない。」


紫は、冷たい声で、冷たく余裕のある微笑みを浮かべる。


「なんだと!?」


ヤマトタケルは、紫の挑発に乗りムカムカしてくるが、


「そんなことも分からないのか?」


紫の息は、冷たく気高い。


「くるぞ!」


清少は、紫の決めゼリフを待って、ワクワクしている。


「あほう。」


紫の冷たい一言は、グサ。


「うう!?」


ヤマトタケルの心に刺さる。


「戦うのは、私ではない。清少納言だ。」


だから紫には、一歩も触れられない。


「な!?」


ダメージにダメージ、弱り目に祟り目である。


「ええええええええええええ!?」


清少納言は、自分が戦うと知って、絶句した。


「ハハハハハッ~♪ 紫式部さん、さんおもしろい~♪」


源頼朝は、ツボにはまった。


「寝ている藤原くんがうらやましい・・・。」


卑弥呼は、紫ワールドに疲れてきた。


「zzz。」


ここは藤原道長の病室であり、藤原くんは、まだ眠っている。


「私のためなら、戦ってくれるんだろう?」


紫式部は、清少納言に冷たく微笑んで冷たく見つめる。


「はい! 紫式部さまのためなら、喜んで戦います!」


清少納言は、紫式部の言うことなら何でも聞きそうだ。


「俺の相手は、おかまか・・・。」


ヤマトタケルは、少しがっかりする。


「精々、頑張るんだな。おかまに負けたと言われたくなければ。」


紫式部は、余裕である。


「俺がおかまなんかに、負けるわけがない。」


ヤマトタケルは、自信満々である。


「軽く遊んであげなさい。」

「はい! 紫式部さま~♪」


紫式部の言葉に、清少納言はやる気に溢れている。


「ここは病院だ、戦闘は外でやってくれ。」

「は~い~♪ 見ててくださいね~♪」


清少納言とヤマトタケルは、舞台を外に写した。


「勝ちますよ~♪」

「がんばれよ。」


紫式部は、病室の窓から病院の庭の2人を眺めている。


「いくぞ!」


ヤマトタケルと清少納言の戦いが始まった。




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