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制覇! 1 九州編  作者: 渋谷カナ
11/20

筑前

「豊前も筑後も全滅か・・・。」


歴史に名を残す者の藤原道長の作戦は、失敗した。


「残すは、ここ筑前には、鬼マークⅡが1体と初期型の鬼1型が40体。」


筑前の準備は整っている。


「大内に憑りついている独脚鬼と洗脳ちょんまげがどうなるか楽しみだ。」


これが藤原くんの秘密兵器であった。



「ついに筑前までやって来たな。」


鍋島直茂は、筑後を制圧し、筑前までやってきた。ガーン! 島津義久は、海ちゃんがいなくなってしまったので、ショックで落ち込んでいる。


「兄上! しっかりしてください!」


島津義弘は、そんな兄を心配していると、


「プワー!!!」


いきなり化け物が2体現れた。


「出たな化け物!」


義弘は、剣を抜いて構える。


「化け物が大勢出てくる前に、少しでも倒すんだ!」


鍋島は、自称天才らしく、賢く現状を分析していた。


「クソ! 海ちゃんのカタキ!」


義久も、リベンジに燃えているが、


「別に死んでないぞ。」


鍋島は、義久に呆れながら言う。スパ! スパ! 化け物のちょんまげを斬り落とした。


「プワー!!!」


化け物は、人間に戻り、砂の様に消えていく。


「化け物ども! 成敗してくれる!」


義久は、化け物退治に燃えていた。残り38体。



「この調子で筑前を制圧するぞ!」

「おお!」


豊前を占拠した高橋の号令に、兵士たちが盛り上がる。


「筑前の大内も、俺が切り倒してやるぜ!」


立花道雪は、戦う気満々であった。


「ライ殿、大丈夫ですか?」


島津の3男の歳久がライを心配する。


「はい、もう大丈夫です。」


ライは、休んだので、体調が回復している。


「ライは、頑張り過ぎです。無理しないで下さい。」


4男の家久がライを心配する。


「気をつけます。」


ライも万全の状態ではなかった。


「いいな、ライは、みんなに愛されていて~♪ これも青春だ~♪」


火竜の使いの火の精の火ちゃんは、青春が大好きである。


「ワンワン!」


ライのペットの妖怪発犬のハチの霊が吠える。


「おっと、そろそろ化け物の登場のようだぜ!」


立花は、前方に化け物3体を発見した。


「プワー!!!」


化け物も、ライたちに気づき、突進してくる。


「ライは、待機だ。」


高橋は、病み上がりなのでライを戦わせたくなかった。


「でやあ!」


スパ。歳久が、


「どりゃ!」


スパ。家久が、


「くたばれ!」


スパ。立花が化け物のちょんまげを斬り落とした。


「プワー!!!」


化け物は、人間に戻り、砂の様に消えていった。残り35体。


「このまま、筑前の城へ向かうぞ!」

「おお!」


高橋の号令に、兵士は士気も高く、一致団結していた。



「殺す・・・。」


筑前の城では、


「コロス・・・。」


大名の大内義隆の様子がおかしくなっていた。


「うおお!!!」


大内の目は狂気に満ちていた。


「殿!? どうされましたか!?」


軍師の陶晴賢は、大内の様子に気づき、心配している。ムキ。大内が化け物に姿を変えようとしていた。


「と、殿!?」


陶は、体が膨らんで大きくなっていく姿を見て恐怖する。ムキムキ。頭がもう一つ、腕がもう2本、足がもう2本、大内は奇形化してきた。


「でやぁ!」


陶は、剣を抜き、変形中の大内に必死に剣を突き刺した。


「ギャア!」


大内は、変身を止め、地面に倒れ込んだ。


「殿は妖に憑りつかれ、御乱心なされた!」


陶は、この際に周防の領土を自分のモノにしようと考えた。


「これより、殿の領土は、この陶晴賢のモノだ!」


陶晴賢は、謀反を企てた。


「この筑前は捨てて、周防を奪いに行くぞ!」


大内の本拠地は、周防であった。


「我についてくるものは、金と土地をやるぞ!」


陶は、兵士に人参作戦にでた。


「陶様、万歳!」


大半の兵士は、陶についていくことにして、城から去って行った。


「困りますね、勝手なことをされてわ。」


その様子を見ていた藤原くんが、


「変身中に剣を刺されると返信が止まる。これは新しい発見です。」


勉強熱心な藤原くんは、倒れている大内の所にやってきて、ズパ。大内に刺さっていた剣を抜いた。ムキムキムキ。大内の変身が再び始まり、


「プワー!!!」


大内の鬼マークⅡへの変身が完成した。


「暴れてください。」


藤原くんは、少しメガネを動かし、感情を微動だにせず命令する。


「プワー!!!」


筑前の城で悲劇が始まった。



「ついに筑前の城に着いたぞ。」


鍋島たちは道中、化け物を倒しながら筑前の城に着いた。残り30体。


「にして、大内の兵士と出会わないのは、なぜだろう?」


義弘は、化け物の相手ばかりで不思議に思う。


「海ちゃんのカタキを取ってやる!」


義久は、少しだけショックから立ち直ったが、


「だから死んでないと言っている。」


鍋島は、義久に呆れるを通り越している。


「海ちゃん~!!!」


義久は、夕日に向かって大声で叫んだ。


「兄上・・・、は、ほっておいて城の中に入るぞ。」


義弘も兄の相手をしたくなかった。


「あれ? 城門が空いている? 兵士もいないぞ?」


鍋島は、大内は城を捨てたのかと思った。


「な!?」


筑前の城に入場した3人は、自分の目を疑った。


「なんだこれは!?」


狭い城の中で化け物が兵士を殺して、地獄絵図が広がっていた。


「化け物同士が戦っている!?」


知能指数の低い化け物たちは、化け物同士で殴り合っていた。


「た、助けてくれ・・・。」


生きている瀕死の兵士が助けを求めてきた。


「おい! 一体何があったんだ!?」


鍋島が兵士に聞くと、


「陶が大内様を殺害・・・陶は・・・周防に・・・。」


バタ。兵士は息絶えた。


「謀反か!?」


鍋島は、事態を理解する。


「陶といえば、大内の軍師か?」


義久は、謀反が起こったと知った。


「なんと惨いことを・・・。」


義弘も見るに堪えない惨劇に心を痛める。


「プワー!!!」


化け物が化け物を殴って倒した。残りは25体だった。


「近くにいる化け物から、確実に倒していくんだ!」


鍋島が指令を出す。


「おお!」


スパ。義弘は、化け物のちょんまげを斬り落とす。残り24体。


「海ちゃんの敵討ちだ!」


スパ。義久も、化け物のちょんまげを斬り落とす。残り23体。


「兄上!」


そこへ、豊前からやってきた歳久たちの軍勢が現れた。


「おお! 歳久! 家久! 伝!」


島津兄弟とライは、久しぶりの再会を喜んだ。


「無事で何よりじゃ。」


義久は、弟たちに会えて久々に笑顔が戻る。


「兄上こそ。」


家久も兄に会えてうれしかった。


「感動の再会だ~♪ これも青春だね~♪」


火ちゃんは、あくまでも青春好き。


「こちらは、元大友家臣の・・・。」


歳久が紹介しようとする。


「高橋紹運です。」


高橋が名乗り、


「俺が天才の立花道雪だ!」


立花が名乗った。


「な!? 天才は私だ!」


義久は、自称天才にこだわっている。


「挨拶はいいから、化け物を倒せ!」


鍋島が和気藹々としている連中に叱咤激励する。


「おお!」


援軍の4人が戦おうとするが、


「僕が一気にやります!」


ライは、剣を抜いて振りかざし、


「百雷覇!!!」


振り下ろす。ゴロゴロピッシャーン! 暗雲から雷鳴と共に無数の雷が化け物に降り注ぐ。


「プワー!!!」


雷が命中した化け物は、黒焦げになり砂になり消えていく。


「やったか!?」


化け物を13体倒し、残りが10体になった。


「はぁ・・・はぁ・・・。」


ライは、やはり必殺技を使うと疲れてしまう。


「ライ、大丈夫か?」


高橋は、無理をしているライを心配する。


「大丈夫です。」


ライは、やはり無理をしているので、すぐには動くことができない。


「でやあ!」

「どやあ!」


義弘が、立花たちが、スパ! スパ! 化け物のちょんまげを斬り落としていく。残り2体までやってきた。


「あと2体じゃ! がんばるのじゃ!」

「おお!」


義久の言葉に、武将も兵士も士気が高まる。ムギュ! ムギュ! その時、城の奥から鬼マークⅡが出てきて、


「なんだ!? あれは!?」


義弘など、筑後組は驚いた。


「プワー!!!」


左右で片方ずつ化け物を握り、そのまま腕力で握りつぶした。


「プワー!!!」


これで40体の化け物は、全滅した。


「あれは鬼マークⅡ!? ここにも歴史に名を残す者がいるんだ!?」


ライは、すでに必殺技を1回使ってしまったことを後悔した。


(僕が打てるのは、あと1発だけだ・・・。)


慎重にならざるを得なかった。


「プワー!!!」


鬼マークⅡは、頭が2つ、腕4本、足4本と、鬼より性能は2倍である。


「なんていう、デカさだ!?」


家久は、大きさも鬼の2倍であり驚いた。


「ちょんまげも2本あるのか!?」


義弘は、頭が2つなのでちょんまげが2本あるのも、厄介と思った。


「みんな、こいつを倒して、九州を制圧しよう!」

「おお!」


鍋島が、武将、兵士を鼓舞する。


「俺が1番乗りだ!」


立花が化け物のちょんまげを斬ろうと飛びかかるが、


「プワー!!!」

「ギャア!」


腕4本で吹き飛ばされる。


「道雪!」


高橋は、吹き飛ばされた立花を心配する。


「みんなで一斉に攻撃するんじゃ!」

「おお!」


義久が、全員に指示を出す。


「でやあ!」

「とりゃあ!」

「くたばれ!」


ライと立花以外の武将6人で鬼マークⅡに飛びかかる。


「プワー!!!」


鬼マークⅡは、手足を振り回し、6人を吹き飛ばす。


「ギャア!」


一斉攻撃は失敗失敗した。


「プワー!!!」


鬼は、雄たけびをあげた。


「おい、なにを調子に乗ってやがる?」


鬼の頭の上に、立花が乗っている。ギロ。鬼は、立花の存在に気づく。


「千鳥雷切り、ちょんまげ斬り!!!」


立花は、愛刀で鬼のちょんまげを斬りにかかる。スパ。ちょんまげを1つ斬った。


「プワー!!!」


鬼マークⅡは、ちょんまげを斬り落とされ、痛そうに叫び暴れる。


「もう一本!」


立花が残りのちょんまげ1本も斬りにかかる。


「これで終わりだ!!!」


立花が剣を振り上げる。


「やらせませんよ。」


どこかからか声がした。ビー。どこからかレーザービームが飛んでくる。


「ギャア!」


レーザーは、立花に命中し打ち落とす。


「うわぁ!」


立花は、鬼の頭から落とされ、地面に落下した。


「はぁ・・・はぁ・・・。」


武将も兵士も、疲れとダメージで満身創痍だった。


「生身の人間では、私の新型の鬼マークⅡの相手ではなかった。」


藤原くんは、自信作鬼マークⅡに自画自賛であった。ボボボボボ! その時、鬼マークⅡが炎に包まれた。


「な!?」


藤原くんは、炎に包まれた鬼を見て、不意を打たれて驚いた。


「プワー!!!」


鬼マークⅡが苦しそうに燃えている。


「あなたの好きにはさせませんよ!」


ライは、火竜覇を撃った体制で藤原くんに言う。


「ライ!」

「伝!」

「ライ殿!」

「雷のクソガキ!」


武将たちは、ライが化け物を退治してくれたと喜んだ。


「みんなのおかげで、少し休むことができました。」


ライは、少しだが体力が回復していた。


「あなたを倒します。」


ライは、上空にいる藤原くんに宣戦布告するが、


「それは無理です。」


藤原くんは落ち着いている。


「まず、上空にいる私を攻撃する方法がありません。」


ライには、上空を攻撃する力は残っていなかったが、


「撃て!」


歳久の合図で、バンバンバン! 鉄砲隊が藤原くんに向けて弾を撃ちまくる。


「うわぁ!?」


藤原くんは、なんとか弾を避けまくる。


「どうだ! 薩摩の鉄砲隊だ!?」


歳久を始め島津兄弟は、鉄砲隊に自信があった。


「さすが歳久じゃ!」


義久も弟の活躍に喜んだ。


「それでも、私の勝率は、99・9%です。」


藤原くんは、


「プワー!!!」


手塩に掛けた鬼マークⅡが、ライの火竜覇で燃やされているが余裕があった。


「なぜなら・・・。」


おや? 鬼マークⅡの様子が変だ。パラパラ。燃やされて真っ黒になった鬼マークⅡの焦げた皮膚が剥がれていく。


「私には、奥の手があるからだ。」


藤原くんの奥の手が目覚めた。


「おいら、独脚鬼~♪」


中から大内に寄生していた、独脚鬼が現れた。


「なんだ!? 妖怪が現れたぞ!?」


鍋島は、化け物から妖怪が出てきて驚いた。


「独脚鬼、おまえが韓国に帰るのを、こいつらが邪魔するそうだ。」


藤原くんは、独脚鬼をけしかける。


「なんだって!? おいらの邪魔をするなんて、許さないぞ!」


独脚鬼は、怒りの感情が爆発する。ムキムキムキ。


「力が沸いて来るぞ!」


独脚鬼は、洗脳ちょんまげを付けられていたせいで、パワーアップしている。


「全員、おいらが倒してやる!」


独脚鬼は、襲い掛かってきた。


「独脚キック! キック!」


破壊力抜群の片足キックは、地面をも砕いていく。


「うわぁ!」


蹴りを回避した高橋だが、砕いた地面の破片が飛んできてダメージを受ける。


「紹運!」


立花は、高橋を心配する。


「おいらは、片足でも強いぞ~♪」


独脚鬼は、自分の強さに惚れ惚れしていた。


「独脚キック! キック!」

「うわぁ!」


独脚鬼の猛攻は続き、


「はぁ・・・はぁ・・・。」


武将たちは、化け物こと鬼1型100体と、


「クソ・・・体が動かない・・・。」


鬼マークⅡとの戦いで受けたダメージと連戦の疲れきっていた。


「ダメだ・・・もう力が入らない・・・。」


ライは、満身創痍なのに必殺技を2回も使い、朦朧としていた。


「意外と独脚鬼は強いな。」


上空で戦いを観戦している藤原くんは、


「洗脳ちょんまげは、人間より妖怪に着けるべきだな。」


データ収集に余念はなかった。


「私の勝つ確率は99・9%。」


メガネっ子の生徒会長タイプの藤原くんは、眼鏡を触りながら言う。


「負けることは、絶対にない。」


どこから来るのか分からない自信に溢れている。


「おいらのキックは強いな~♪」


独脚鬼の強力なキックは、


「う・・・う・・・。」


ライと武将7人と兵士たちは、地面に倒れ壊滅状態だった。


「みなさんのピンチ~♪ 」


火ちゃんは、戦いには参加せず、ずっと傍観していたので元気だ。


「ここでなんとかするのが、青春だ~♪」


明るさと情熱の火竜の使いの火の精は、


「火竜様~♪ 青春一直線の時間ですよ~♪」


火竜様に助けてくれるように、両手を合わせてお祈りした。


「いくぞ~♪ 青春の時間スタート~♪」


起死回生の青春の物語が始める。


「疲れとダメージを焼き払え~♪ 火の恵み~♪」


火ちゃんが唱えると、ボボボボボ! ライや武将に兵士たちの情熱が回復していき、


「あれ? 体が動くぞ!?」

「い、痛くない!?」


体が軽く感じ動くようになる。


「まさか!? 海ちゃんの時と同じでは!?」


義久は、海ちゃんの時の出来事を思い出す。


「どうしたんだろう? 僕の体が動く、動くだけでなく、力がみなぎって来る。」


ライの疲れ切った体は、必殺技が打てるまでに回復した。


「剣にも炎と情熱を~♪ 火の輝き~♪」


火ちゃんが唱えると、ボボボボボ! ライや武将たちの剣が炎のように赤く輝く。


「さぁ! 青春の時間だよ~♪ 妖怪なんて、みんなでかかれば怖くない~♪」


火ちゃんは、青春が盛り上がって来たのに興奮しているが、


「この火の精のご加護は、制限時間があるぞ!」


鍋島は、海の精のご加護を経験している。


「一気に勝負をつけるんだ!」


義弘もご加護の時間が短いのは知っている。


「海ちゃん・・・、私は戦うぞ!」


義久は、海ちゃんのためにも戦うことを決心する。


「全員かかれ!」

「おお!」


義久の号令で、武将7人が炎の青春剣で独脚鬼を一斉に攻撃する。


「でやぁ!」

「どりゃ!」

「くたばれ!」


ブス! ブス! ブス! 武将たちは剣で独脚鬼を切り刻んだ。


「ギャア! おいらは、韓国に帰りたかっただけなのに・・・。」


そう言うと、ドカーン! 独脚鬼は地面に倒れ爆発した。


「やった!」

「妖怪を倒したぞ!」

「これで終わった。」


武将たちは、それぞれ喜ぶ。


「いや~♪ やっぱり青春は、こうでなくっちゃ~♪」


火ちゃんは、勝利にご満悦だった。


「海ちゃん、カタキはとったよ・・・。」

「だから死んでないだろう。」


義久のアホに鍋島は付き合ってくれる、いい奴だった。


「独脚鬼が破れるとは・・・。」


上空の藤原くんは、


「竜の使いのスキルもバカにはできないか・・・。」


データ収集が趣味である。


「帰ってもっと強い鬼を作らなければ。」


藤原くんが去ろうとすると、


「逃がしませんよ!」


ライは、ライだけは、上空の藤原くんを意識していた。


「神を宿す者か。」


藤原くんは、ライが自分を睨んでいるのを確認する。


「歴史に名を残す者が何者かは分からないけど、あなたたちは、人間や妖怪を洗脳して操ろうとしたり、多くの人々を傷つけたり、悲しい気持ちにしている。僕は、絶対に許さない!!!」


怒っている。


「帰って、新しい鬼の開発をしないといけないの。さようなら。」


藤原くんは、ライの相手をする気はなかったが、


「毎回、逃げれると思うなよ!!!」


ライは、剣を振り上げ、


「火竜雷覇!!!」


振り下ろす。ボボボボボ! 炎が火竜のような姿になり、藤原くんを襲う。ゴロゴロピッシャーン! 暗雲から雷鳴が鳴り響き、雷が藤原くん目掛けて落雷する。


「炎と雷を同時に!? 私のデータにない・・・。」


炎と雷が藤原くんに命中して、ドカーン!!! 大爆発し、辺りは煙で包まれた。


「やったか!?」


ライの火竜雷覇は、確実に藤原くんに命中した。プワ~ン。爆発の煙が晴れてきた。


「なんだ!? あれは?」


上空に黒い球体のようなものが浮かんでいた。


「今のは避けないと消えてしまうぞ。」


球体の中の7人目が藤原くんに注意する。


「来るのが遅いよ、聖徳太子。」


藤原くんは全身チリチリの真っ黒になっていた。


「君にお仕置きが必要だから見ていただけだ。」


歴史に名を残す者の7人目は、聖徳太子らしい。


「全てが分かるんだから、私の無断外出もバレて、そろそろ来ると思ってた。」


藤原くんの勝率99・9%の計算には、聖徳太子が来ることも入っていた。


「藤原、罰は、退屈な病院に1か月の入院だ。」


聖徳太子は、藤原くんの罰を決める。厳しいんだか、優しいんだか。


「はい。わかりました。」


藤原くんは、罰を素直に受け止めた。


「撃て!」


バンバンバン! 義弘の合図で、兵士が一斉に鉄砲を歴史に名を残す者に目掛けて撃つ。カンカンカン! しかし鉄砲の弾は、聖徳太子の黒い球体に阻まれてしまう。


「鉄砲が効かない!?」


家久は、鉄砲が効かない相手に恐怖を感じる。


「私には全てが分かる。」


聖徳太子が話を始める。


「人間たちは、すぐに火竜のご加護の時間が終わり、倒れて動けなくなる。」


ドテ。


「うわぁ!」

「体に力が入らない?」

「た、立っていられない・・・。」


武将たちは、火竜のご加護が時間切れで、疲れとダメージが戻って来た。


「火竜様の情熱が無くなっちゃった・・・。」


火ちゃんの青春が終わってしまった。


「神を宿す者よ。」


聖徳太子は、地面に剣を突き刺して踏ん張っているライを名指しする。


「なんだ?」


ライは、球体の中の歴史に名を残す者を見る。


「琉球の姫は、京に輸送中だ。」


聖徳太子には、ライの目的も全てわかる。


「首里姫!?」


ライは、姫を琉球に連れ戻すと、


「姫を返せ!」


姫の兄の尚と約束している。


「助けたければ、京に来るがいい。」


聖徳太子は、余裕なのか落ち着いている。


「火の精よ、私は戦うつもりはない。火竜になる必要はないぞ。」


全てが分かる、分かってしまうのだ。


「え!?」


火ちゃんは、


(いざとなったら火竜に変身して・・・。)


と思っていた、心の中が聖徳太子に読まれた。


「また、あうことになるだろう。」


聖徳太子は、去って行こうとし始めるが、


「西街道の制覇、おめでとう。」


相手を称賛することも忘れないナイスガールだった。


「さらばだ。」


聖徳太子と藤原くんは去って行った。


「聖徳太子・・・なんて恐ろしい人なんだ。」


ライは、歴史に名を残す者の中で1番怖いのは、聖徳太子と感じた。


「勝ちどきじゃ! 勝ちどきをあげるぞ!」


義久の号令に、


「エイ! エイ! オオ!」


武将も兵士も歓喜の勝ちどきをあげた。


「やった!」

「万歳!」


筑前には喜びの声が溢れていた。


「九州は、制圧できたな。」


義弘は、感慨深い。


「父上の死を乗り越えてきましたね。」


家久も、九州制圧を涙を流しながら喜んでいる。


「殿、化け物は必ず倒します。」


鍋島も、亡き竜造寺に誓う。


「俺が日本を統一してやるぜ!」


立花は、次の目標に向かっていた。


「必ず日本を平和な国にして見せます。」


高橋も、亡き大友に誓う。


「兄上、名称は、島津家が九州統一ということでいいのでしょうか?」


歳久が、大名で兄の義久に尋ねる。


「いや、そうすると、鍋島、立花、高橋は去ってしまう。」


亡くなっていても仕えていた殿に忠誠心がある。


「代表は、大名の私としといて、九州連合軍でどうじゃ?」


義久は、全員に提案する。


「代表は、気に入らんが、連合軍なら仕方ない。」


鍋島は、渋々ながら了承する。


「俺は、なんでもいいぜ。」


立花は、自己中心的なので細かいことは気にしない。


「わかった。気遣い、かたじけない。」


高橋は、礼儀正しかった。


「伝、おまえはどう思う?」


義久は、ライにも、一応聞く。


「僕にはわかりません。子供ですから。」


ライは、本当に大人の事情は分からなかったので、お道化た。


「ハハハハハッ!!!」


全員で、ライがおもしろかったので高笑いした。


「それでは、九州連合軍できまりじゃ!」

「おお!」


義久を総大将とした、九州連合軍が成立した。


「あれ? 海ちゃんは?」


ライは、余計なことに気がついてしまった。ギク!? 義久の胸はドキッとした。


「海竜に変身した姿を見られて、どっかに飛んで行ったんだ。」


鍋島が、海ちゃんのいない経緯を説明する。


「僕は、蹴られなくていいですけどね。」


ライは、正直、海ちゃんがいなくてホッとした。


「たぶん、海ちゃんなら、この辺りだと、壱岐か対馬にいると思います。」


火ちゃんが、何気なく言うと、


「海ちゃん! すぐに迎えに行くからね!」


義久は、叫びながら海ちゃんを迎えに猛ダッシュで去って行った。


「あんなのが総大将で大丈夫か?」


鍋島は呆れて不安になる。


「兄上が申し訳ない。」


義弘は、頭を下げて皆に謝る。


「ハハハハハッ!」


全員でバカバカしいので笑い合い親睦を深めた。


「・・・。」


ライは、その輪の中から、少し離れて、遠くを見つめていた。


(京か・・・。)


首里姫を助けるためには、京まで行かなければいけなかった。


(僕が姫に助けられたように、僕も姫を必ず助け出します。)


姫は、溺れていたライを助けてくれた。


(歴史に名を残す者・・・、)


ヤマトタケルを始め、聖徳太子など、強敵ばかりである。


(もっと、もっと強くなって、必ず倒して見せる。)


こうして、ライの戦いは、まだまだ続くのであった。


西街道こと、九州編 完

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