下着と苺と17歳と
先が思いつきません
「大丈夫ですか、治療します」
「うむ」
しゃべってはいけない影響ですかね、あんまり大きな声でありがとうとは言われないのですが、満身創痍の筋肉が完璧な筋肉になる姿をみるのはなかなか嬉しいものですね。
戦況は青優勢。赤の攻撃人員を集団戦で減らしつつ、一気に前線に駆け上がっているようだ。
そういえばミカもまだ倒れていないらしいのだが、いったいどこへいるのだろうか。
前線にはさすがにないだろうけど…… ああ、いましたわ。しっかりと前線にいましたわ。
ミカは前線にいる筋肉マッチョさんの裏で、敵の足をのろくする陰湿な呪い魔法をかけているらしい。
そりゃ隠れて呪われたら、倫理的にもいろいろと嫌われちゃうよね……
何となく呪い魔法の嫌われた理由の一端を見つけた気がしたよ。
「ミカ、そんなに前線に出たら危ないんじゃないのか?」
仕方ない、そう思いながら声をかけに行く。
「あら、ジュンじゃない。たぶん大丈夫じゃないかな。このマッチョさんが守ってくれるし」
ミカの前にいるのは本当にマッチョマン。この人何才だろう……
「でもよくこの方がOKしてくれたな……」
名前も知らないであろうミカのことなどよく守る気になれたものだ。
「ああ、呪いの魔法かけたのよ」
「え?」
「魅了って言う魔法も呪いに分類されるらしいのよ、校長先生が教えてくれたわ」
おい、校長。いったい7歳児に何を教えているんだよ。
しかも7歳児の魅了にひっかかるなんて、このマッチョはロリコンなのか?
ちょっとだけマッチョ男から離れてしまうのは仕様だろう。
「それ味方に使っても良いのか?」
「ダメってルールないし、いいんじゃないの? ダメだったら謝ればいいし」
「謝って済むのなら警察は要らないんです」
「警察? 何それ? おいしいの?」
ああ、この世界に警察が無いんでした。どこかの貴族の巡邏隊とか町の警備団なんかが警察の代わりをしているような状況です。
おっと、それよりも重要なことがあった。
「その魅了って呪い、俺にもかけてないだろうな?」
「ああ、ジュンにもかけようとしたわよ」
「は?」
「かけたわ」
「え?」
「でも安心して、ジュンは単純に魔力が多すぎて私の魔力が干渉する余地なんて無かったわ」
「お、そうか……」
とりあえず私は無事と言う認識で良いのでしょうか。
ミカと言う女は数少ない友人に呪いの魔法をかけてしまうほど愚か者であるという認識で良いでしょうか。
「せいぜい気をつけろよ……」
「ジュンこそね」
ミカはにかっと笑ってぐっじょぶサイン。
俺は何となく精神的な疲労が増えた気がしながら、また後方支援へと戻るのであった。
「赤の大将を倒せー!!」
プロントさんの掛け声が聞こえる。
どうやら事態は気づかぬうちに最終局面を迎えているようだ。
プラント率いる青の突進隊が赤の防衛隊という親衛隊が各所で組み合っている。
さすが親衛隊。某17歳の王国なみの統率がとられており、堅い防御を施している。
一方、こっちは勢いのまま突進を繰り返すだけの脳筋プレイ。どうしてこうなった……
ここは助成をするしかないですね……
今は親衛隊が固まっているのでできる……
相手の大将は女性でスカートだ。なにゆえ体育でスカートを履くのか気がしれないがスカートだ。そして周りにはぎらぎらした親衛隊。
「風が吹きまーす」
今回も俺は事前に告知しますよ。慈愛に満ち溢れているからね。
俺は赤の大将の後ろから地面ギリギリを通って、大将の真下から急に直上に吹き上げる上昇気流を生み出す。
「キャッ!!」
スカートは上にめくれ上がり、きれいな足と苺ショートが見える…… けっこうかわいい下着だな……
「あ、姫様!!」
「いち……」
「ごぱ……」
「んつ……」
赤の親衛隊は愛すべき大将が襲われたのにもかかわらず視線は下にくぎ付け。その間に青が特攻して組み伏せるかな…… っておい、青まで見とれてます。
プロントさんに至っては鼻血を流しているよ……
もうだめだ、早く何とかしないと・……
仕方ないので上昇気流を大将の顔当たりで、地面に水平に動かし、大将のバランスを崩す。
「イタッ!!」
ドテンと言う擬音語が効果的に用いられそうな音をして尻から落下した姫様はどうやら、スカートがまくれ上がったことに気づいたらしい。
顔を真っ赤にして、猛ダッシュで外に出る。
意外と足が速い……
「赤敗北、青の勝利」
ベル先生の宣言も響き渡り、俺はここで一息入れる。
いや、親衛隊が風を吹かせた人を血眼で探している…… ここは逃げよう。
俺はそそくさとフィールドの外に出、逃げ出すのであった。
ありがとうございました。




