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校長とまやかしと経験と

毎度短くてすみません。

あと7歳児設定に無理があるような気がしながらすでに1週間ほどたったということをお知らせしておきます。


「こんばんはジュンくん」

「こんばんは校長先生」

 ここは夢の世界、どんなに体育で活躍したとしても眠りの世界で強制的に校長と対面し、修行が始まる。

「今日の体育では大活躍であったそうじゃな」

「いえいえ」

「7歳児で謙遜とは恐れ入るのう」

 ホホホと笑う校長も人が悪い。

「謙遜しないと生きていけない社会にいましたので」

「そうかそうか、ベル先生は君の魔力量に恐れ慄いておったぞ」

 ほう、俺の魔力量も増えてきているという実感があったのも事実だが意外と伸びているようだ。

「いえいえ、これからもまだまだ鍛錬しませんと……」

 俺はさらにへりくだって宣う。

 正直、今日は疲れたので頭を使うことなしに早く寝たいのだ。

 校長との修業はつまらないということはないが、飽きが来るのも事実であった。


「もうそろそろ飽きましたよって顔をしておるな」

「あ、いえ……」

 俺って顔に感情が出やすいタイプなのであろうか。それとも校長が心を読めるのか……

「今日はちょっと内容を変えてみようと思う。わしが魔法を生成するから、君がそれを妨害してみるのじゃ」

「攻守逆転と言うことですか?」

「そうじゃ。君も実際に加害者の側に立てば何かしら掴めるかもしれないしの」

「はぁ」

 まぁいいか。飽きてきたのは事実だし、視点を変えることは大事だろう。複数の視点を持つことによって新たな視界が開けるって大学で習いましたし。

「では始めるからの。存分に邪魔するといいぞ」

「了解いたしました」


 校長は魔法を込め始める。

 空気中に存在するマナが校長の魔力と入れまじる気配が伝わる。

 俺はそこに自分の魔力を細い糸のようにして混ぜようとする。

 これは校長がよく俺に対してしていた妨害をまねたものだが……

「えっ? はじかれた?」

 俺の魔力は校長の近くまで行くと、何か壁に当たったのように進むこともできず、時期に消滅をする。

「もう一回やってみたらどうじゃ?」

 校長は微笑みを湛えながら、こちらを挑発する。

 同じことをするのは愚の骨頂かもしれにないが、いかんせん、なぜそうなったのか情報が少ないのでもう一度やるしかあるまい。

 しかし、単に同じことをするのもアレなので、今回は多方面から一気に細い糸状の自分の魔力を込めてみる。

「ほーう、多方位から攻めてくるかの」

 しかし校長は表情を崩すことなく、その俺の魔法もはじいていく。

「いったいどういう理屈なんだ。いったい何に阻まれてるんだ……」

「魔法を弾ける物と言ったらそれは一つしかないの」

「魔法ですか?」

「そうじゃそうじゃ、よくわかっておる」

「しかし、今回は多方面から攻めてみましたがすべてやられました。しかも新たに魔法を構築した痕跡無しにです」

「そうじゃ、まったくもってその通りじゃな」

「その通りって…… おちょくってるんですか?」

 若干俺は不機嫌です。そんなに気が短い方ではないのだが。

「7歳児らしい怒りじゃな。よいよい。痕跡が無いと言うが、本当に痕跡が無いと言えるのかの?」

「無いですよ、感じませんし、見えませんし」

 そう俺は空気中のマナの流れを追うことができる。もちろん視覚的にというか感覚的なのだが。

「その感覚がだまされておるとしたらどうじゃ?」

「だまされる?」

「そうじゃよ、戦いは非道。いかに相手の裏をかいていくかが重要になってくる。わしが君の感覚を惑わす魔法を使っていないという保証はないじゃろ?」

「まさか、相手の感覚を惑わすような魔法もあるのですか?」

「あるの」

 そんなの…… 俺にどうすれば理解できるって言うんだ……

「ちなみにその属性は?」

「呪じゃの」

「私は使えますかね……」

「普通の人には使えんが・…… 君の適性では厳しいじゃろうな」

 自分の使えない物を看破しろとこの校長は言うのだろうか……

「ふてくされるでない。わしはこの魔法の看破が君にはできないとは思っておらん。十分に経験を積めば可能じゃ」

「経験って言われても……」

「そのための今の修行なのじゃよ」

 そう言われたってなかなか気分は晴れない。完全にふて腐れた。久々の感情である。これも7歳児が故の感情なのだろうか。

「まぁ今日はこの辺にしておこうかの。そのふて腐れた気持ちが残っておれば、なんとなく目が覚めても記憶に残っておるじゃろ」

「了解しました。校長先生……」

「ではの。いい夢を……」


 校長は微笑みながら闇に溶けていく。

 俺のココロはなにか重たいものを抱えながら、また闇に溶けていくのであった。

ありがとうございます。

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