エンカウント
通行人があからさまに避けていく中、4人は進んでいた。
「どうしよう……むっちゃ避けられてるじゃん……」
「まぁあいつら弱かったけどここら辺をシメてるギャングらしかったし、そいつらをボッコボコにした奴らと話そうと思うやつは少ないだろうな」
「触らぬ神に祟りなし……」
「その言葉通りの状況だな。街には特に用事ないしいいけど」
インベントリの中には大量に消耗品食料品武器金その他が入っているので店で買い物する必要は無い。
この様子では、買い物もマトモに出来そうにないので、このことは大きなプラスだろう。
4人は街を覆う壁の門へと辿り着く。
門には当然ながら兵士が居たので話しかける。
「あのー街の外へ出たいんですけど」
「見ない顔だな。街の外にはモンスターがいるが大丈夫か?」
「大丈夫です」
「そうか。通っていいぞ」
「ありがとうございます」
街の中に入るならともかく街の外に出るのに審査などの面倒事は特に無いようだった。
街の外へ出て快晴の下、港町があるという方向へ向けて4人は歩き出す。
「それにしても何もないよなぁ」
「モンスターもあんまり見えないよね、もうちょっと街から離れたら居るのかな?」
「あの4つのギルドの防衛設備があるからなぁ……近くには居ないのは納得だな」
「でも暇……」
見渡す限り真っ白な大地が広がっている。
南極は現実の大きさよりも小さく出来ているとはいえ、なかなかの広さで、普通に歩くと3日ほどで中心から海岸沿いまで行ける程度の広さだ。
ちなみに南極全体が戦闘可能なフィールド扱いなので転移は不可能だったりする。
「はぁ……転移石が使えればいいのにな」
「街が発展していてもフィールドの広がり方はゲームと同じとか何なんだろうなぁ」
「まぁ港町までの辛抱だよ」
港町はゲームの時もあったため、おそらくそこまで行けば転移出来るはずだった。
4人の旅は順調に進み、2日で港町までの距離の3/4程度は進んでいた。
夜間はインベントリ内にあったテントで寝ていた。
移動時以外は使えるモンスター除けのアイテムを使うことで周囲の警戒も必要なく、4人とも熟睡することが出来ていた。
旅を始めて3日目。
港町まで残り50km弱まで進んだところで問題が発生した。
「うっそだろ、おい!」
「街まで50kmってところなのに何でこんなところに……」
「まぁともかく見つかってるみたいだし、やるしかない!」
「ドラゴンとかふざけんな!」
幻想生物の中でも最上位。
南極に住む者達から「吹雪の帝王」と呼ばれ恐れられているドラゴンが現れたのだ。




