トラブルの予感
「この街はシルメア、南極大陸には他に3つの街がある」
「シルメアはゲームの頃にあった4軒のギルドホームを外周としてその内側に広がっている」
「他の主要な施設は冒険者ギルドと街の外れの方にある氷獄」
「まぁ、こんなところかな?この街については」
「そうだな」
ケイ達は地図から得た情報を整理していた。
シルメアは氷獄の周囲にあった4軒のギルドホームを対モンスターの防衛施設として使うことでモンスターに脅かされずに街を維持している。
「どうして、ギルドホームに誰も居ないのかってのが不思議ね。元々保持してたギルドはどうなったのかな?」
「考えられるのは……ゲームの頃よりも時間がずっと後、とか……?」
「時間経過でギルドの人間が居なくなって、空き家になったのをNPCが発見、それを軸に街を作ったってことか」
「となると、歴史について調べるか?」
「それもいいけど、その前にもっと大きい街を探さないか?そっちの方が情報も多いだろうし」
「そうだね、じゃあ世界地図をっと」
世界地図を覗き込む4人。
一般的によく使われるメルカトル図法という描き方で描かれた地図だ。
「うーん、とりあえず1番楽に行けそうなのはオーストラリアかな?」
「まぁそうだろうな」
「オーストラリアを経由して日本に行くのが良さげ……?」
「それがいいな。確か東京には大図書館があったし」
「ホームの状況も気になるしね」
「じゃあ決定で。早速移動するか」
ケイ達が当面の方針を決め、立ち上がったところで小柄な男が転がり込んでくる。
「たっ、大変だ!【白狼の群れ】の奴らが武装してここに向かってる!」
「【白狼の群れ】っていやぁ、さっきそこの兄ちゃんが吹き飛ばした奴のとこじゃねぇか……?」
周囲の視線が一気にケイ達に集まる。
人見知りのユーイが怯えてしまい、ケイの後ろに隠れる。
「あー、こいつが怖がってるからあんまり見つめないでくれるか?」
今度は一気に視線が逸れる。
どうやら皆関わりたくないらしい。
職員がケイ達の元へやってきて
「トラブルは外でやってください」
と言われてしまう辺り味方は居ないのだろう。
「はぁ、しょうがない。外に出るか」
「そうだね」
「どうせ、外に出ないと旅はできない……」
「見つからないで済むとありがたいんだがなぁ」
こうして4人は嫌々ながら外に出ることにしたのだった。




