アール号
一行は自分たちの部屋で休んでいた。
ちなみに部屋は二人部屋でユーイとケイ、エムティーとハルで別れている。
「船内探検に行こう!」
「おー」
「船内探検とか子供かよ……」
「まぁまぁ、いいじゃないか。色々な施設があるみたいだし面白そうだぞ。出港まで1時間あるから一通り見て回ろう」
ハルが提案し、一行は船内探検に出かける。
「ここは……体育館…だよな……?」
「なんかこう……もうちょっと世界観に合わせてもよくない?」
「見事に学校の体育館だな」
「バスケのリングの位置とかまんまだね……」
一行がまず見つけたのは、日本の学校にありそうな体育館だった。
バスケのリングの他、バレーやバトミントンのポール用だと思われる穴やステージがあり、ラインも色とりどりに引かれていて、その完成度の高さは素晴らしいと言わざるを得ない。
はっきり言って努力の方向を間違っているとしか思えない出来だった。
「レストラン【アールハルト】へようこそ」
「わぁー、キレイ……」
「シャンデリアとか作れるのか……」
次に一行がやってきたのはレストランだった。
ビュッフェ形式を採用しているらしく、多くの料理が並んでいる。
「せっかくだし、何か食べようよ!」
「そうだな……食事代も乗船料に入ってるらしいし」
「エビフライ……美味しそう……」
「相変わらず好きだな」
日本にあれば星を貰えたのではないか、と思えるほど美味しい食事に舌鼓を打つ一行であった。
「ようこそ船内温泉【アールエルン】へ!残念ながらまだ営業しておりませんが……」
「見学だけでもダメですか?」
「見学ですか!どうぞどうぞ、こちらへ!」
「ありがとうございます」
温泉の係員によって案内された先は巨大な露天温泉だった。
屋上ではないが、側面から外が一望できるようになっている。
今は港の景色が見えていた。
ちなみに風呂などの風習は日本にそっくりである。
「すごいねーこれは入るのが楽しみ」
「夜になると星も見えるので夜がオススメですよ!」
「また夜に来ますね、ありがとうございました」
「いえいえ、港を出てからは24時間営業しておりますので何時でもどうぞ!」
「次は……カジノ?」
「だな。かなり広いなー」
次に一行がやってきたのは娯楽室……と名付けられたカジノだった。
既に営業が始まっており、結構な人が遊んでいる。
「ここはあんまり来ないかもな、暇を持て余したら来よう」
「そうだね」
「いやー、色んな施設があるねぇ」
その後も機関室や操縦室といった、客でも入ることは出来ない施設を除いて、ほとんどの施設を見て回った一行は屋上のデッキで休憩していた。
「そろそろ出港だね」
「あぁ、そうだな。楽しみだ」
「何か厄介事とか起こらずに旅が終わりますように!」
「おい、それフラグだろ!」
「へへへ、でっかいモンスターとか来ないかな!」
こうして、ハルが建てちゃいけないフラグを建ててしまった中、一行の船旅が始まった。
「なぁ、ハルって近接型だから船の上じゃ戦えないんじゃないか?」
「はっ!しまった!」
「おいおい……」




